建築系 設計・施工管理・施工作業

建築系事業における取り組みの全体像

建築系事業では2017年からBIMの専任組織を立ち上げ、設計から生産、施工までの一気通貫型BIMプラットフォームを構築し、プロセスを横断したデータの活用に取り組んでいます。（図1）

また、BIM情報と施工現場情報や施工作業情報、国土交通省が主導する3D都市モデルなどのオープンデータを連携することで、より早い段階で精度の高い計画シミュレーションを行うことができます。これにより、品質の向上や安全性の確保、生産性の向上などが見込まれます。

建築系事業における昨今の主な取り組み

建築系事業

BIMをはじめとするものづくりデータを活用してプロセス全体での業務効率化を進めています。

例えば、過去データを活用した初期見積の精度向上や、XR技術を活用して実際の建設地に建物イメージ投影させて、施主を含めた関係者で建物についての理解度の向上を目指しています。また、建材のデータベース化によって材料選定の効率化を図るとともに、見積連携や購買連携を進めていくことで部門を跨いだ業務効率化にも取り組んでいます。（図2）

BIMデータの活用の一例として、建材情報が紐づいたBIMデータをXRで視覚化しています（D’s BIM ROOM）。
これにより設計レビュー・フィードバックを行うことができ、お客様が提案内容を理解しやすくなるだけでなく、部門を超えたコラボレーションの強化、問題の早期発見が可能となります。
また複数システムを利用するにあたりシングルサインオン（*1）を実現して、ユーザーの利便性を確保しています。

（*1）IDとパスワードを一度入力するだけで複数のサービスにログインして利用できる仕組み

当社は2020年度にISO19650-1&2を日本で初めて取得し、2021年度には体制を強化した上で実物件にて継続認証を取得しています。
2022年度には、プロジェクト関係者間の情報セキュリティに関するISO19650-5も日本で認証が可能になったことから追加取得しました。(図4)
国際規格であるISO認証を受けることで、自社が取り組むBIMを客観的に評価することができました。
2023年は難易度の高い物件での対応を行い、当社初のBIM指定案件によるお客様要求事項（EIR）と実行計画（BEP）の実装に取り組み、設計BIMにてISO19650を取得することができました。
今後はさらに建設生産プロセスすべてでグローバル基準を目指していきます。

施工管理業務については社外SaaSを活用して工程管理や安全管理などの効率化を図っています。
また、クラウドを活用することで関係者間の図面共有が可能となり、変更による作業の手戻り削減や最新情報を即時に共有できるようになりました。

さらにBIMを施工工程で活用することによって施工前に部材や設備などの干渉チェックを行ったり、施工計画の事前シミュレーションを行ったりすることが可能となります。特に、業務経験の浅い担当者にとって、2D図面よりも施工現場を立体的に把握できてイメージがしやすく、上司からの指示への理解度も向上し、施工管理の高度化につながっています。

建築系事業における効果、今後の展開

建築系事業

1. 「作るBIM」から「使うBIM」を目指し、ライフサイクル全体（企画～生産～施工～維持管理）でBIMを活用し、共通データモデル基盤の構築に取り組みます。
2. デジタル技術を導入した業務プロセス改革により、品質・コスト・工程・安全への貢献に取り組みます。
3. 環境配慮をプロセス内に追加し、カーボンニュートラル・持続可能社会への取り組みに貢献します。
4. 多くの情報、多くのIoT機器を多くのステークホルダーが利用するため、さらに情報セキュリティの構築に取り組みます。