DX推進を支える組織体制
新たなビジネスや価値の創出を目指して企業のDXが加速しています。そのなかで、情報システム部門においてもDXにつながるような新たな取り組みを素早く実行・評価・改善することが求められています。これを実現するためには、自社内で開発や運用改善におけるスピードと柔軟性を確保する必要があると考えました。
そこで、2018年より開発(Development)と運用(Operations)を分離させずに、組み合わせた形態でソフトウェアの提供を行い、ビジネスの価値をより確実かつ迅速にユーザーに届け続ける「DevOps」の実現を目指しています。具体的には、開発の内製化を推進する新たな組織を立ち上げ、開発のスピードや柔軟性を高めるために、新たな開発・運用基盤を構築するとともにアジャイル開発を導入しています。
ユーザーへの継続的な価値あるサービス提供のためには、開発・運用改善におけるサイクルタイムの短縮が重要と考え、開発者が開発に集中できる環境や運用者が継続的に改善できる環境の構築を目指し、「自動化」「標準化」「見える化」を推進しています。CI/CD(*1)など自動化できるものは自動化するとともに、自動化できない作業においてもシステム開発を標準化し、運用改善のスピードを高めるため、システムの稼働状況や利用状況の見える化にも取り組んでいます。また、2021年からはCoE(統制部隊)(*2)とデジタルファクトリー(開発・運用部隊)を分けることで、さらなる開発スピードの向上に挑戦しています。
2022年には、内製開発の組織をグループのIT子会社へ移管し、開発エンジニアを積極的に採用するなど、開発・運用体制の強化にも取り組んでいます。
(*1)CI/CD(Continuous Integration/Continuous Delivery):リリースプロセス全体を自動化する手法
(*2)CoE(Center of Excellence):ベストプラクティスとツールが配備された専門組織のこと
サービスの早期提供や仕様変更への柔軟性を確保するためには、アジャイル開発手法が必要と考えています。そのため、内製においては、ほぼすべての案件でスクラムによる開発を実施しており、ベンダーとの開発においても一部スクラムを採用しています。
必要最小限の機能だけを短期間で開発し、早いタイミングでユーザーニーズを検証するアプローチであるMVP開発(Minimum Viable Product)が定着化してきており、ユーザーへのサービス提供までのリードタイムが徐々に短縮されています。