バリューチェーンのデジタル化
建物や構造物のメンテナンスや自然災害時に被害を受けた物件を特定し、
その物件の詳細情報を速やかに抽出できるようにします
物件(建物、構造物)の長期保証を確実に行っていくためには、物件に関わるデータを一元管理し、継続してデータを保管・活用できるデータベースの構築が必要です。建物や構造物のメンテナンスが必要になった場合や自然災害時に被害を受けた物件を特定し、その物件の図面や仕様などの詳細情報も速やかに抽出できるようにします。
業務システムのデータ群は大きく2つに分類できます。
(*1)RDB(Relational Database):データベースの管理方式。データを複数の表として管理し、その表と表の関係を定義することで複雑なデータの関連性が扱えるようになった。「関係データベース」として訳される。
竣工した物件(建物、構造物)の情報を一元管理し、保管・活用できる環境(物件HUB・物件DB)を構築します。これは当社におけるデータレイク(*2)基盤の一部として今後拡張し、充実させていきます。(図1)
(*2)データレイク:すべての構造化データと非構造化データが保存できる一元化されたリポジトリ。規模は問わない。
図1:物件データの蓄積と活用
住宅事業、集合住宅事業、流通店舗事業、建築事業、マンション事業、環境エネルギー事業の竣工済物件のデータガバナンスを担保するための必須整備項目を整理しました。
データを永年保管するためのデータレイクの基盤となる環境をMicrosoft Azure(*3)の技術を利用し、物件HUBと物件DBのデータを格納する領域を構築しました。また、データソース(業務システム)から物件HUBと物件DBへデータを格納するための連携機能と、格納されたデータを検索できる機能を実装しました。格納するデータは個人情報や機密情報が含まれるため、情報漏えい防止やセキュリティを担保するために、データのアクセス権限管理、ダウンロードファイルの暗号化、いつ誰が何のデータを検索してダウンロードしたかを追跡するためのログ解析の機能を実装しました。
(*3)Microsoft Azure:Microsoft社のクラウドコンピューティングサービス
(*4)IoT:モノをインターネットとつなぐこと