大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

DXアニュアルレポート2022

バリューチェーンのデジタル化

施工管理・施工作業のデジタル化に向けた取り組み

スマートコントロール環境での遠隔管理と現場情報の蓄積・活用

当社では、現場関係者の施工情報共有や業務の効率化を目的として、施工担当者全員にスマートフォンやタブレットを配布し、全国の施工現場に定点カメラを設置しています。また、住宅事業本部では全国の地区母店12カ所にスマートコントロールセンター(SCC)を設置し、各地区の現場状況の確認や災害時の指令拠点として活用しています。 その結果、工程の進捗確認や作業員への技術的な指導などが遠隔で対応可能となり、複数の現場を巡回するなどの小規模な工事現場の監督の業務効率約15%向上が確認されたため、全国の戸建住宅の全施工現場にWEBカメラを標準設置することとしました。 また、複数の現場情報を集約して可視化することで、データに基づく分析や予測が可能になり、環境変化に対応したスピード感のある判断を行えるようになりました。今後は「工程」「安全」「品質」「コスト」「環境」など、これまで散在している情報を一元的に把握可能にして、ものづくりのプロセスにおける生産性向上を目指します。最終的には、施工現場情報だけではなく建物データや経営データとも連携させ、ものづくりの現場と経営をリアルタイムに可視化し、データに基づく経営判断のサポートができる仕組みづくりを目指します。 こうした取り組みの中で、スマートコントロール環境を用いた遠隔からの現場巡視による安全教育の実施や、災害統計情報を見える化した安全教育について、厚生労働省が主催する『「見える」安全活動コンクール』において優良事例として選出されました。(図1)

図1:厚生労働省主催『「見える」安全活動コンクール』優良事例

施工現場でのロボット活用

大和ハウス工業、大和リース、フジタの大和ハウスグループ3社は2021年4月に自走掃除ロボットの開発プロジェクトを立ち上げ、開発パートナーの株式会社KYOSOテクノロジと連携して本ロボットを開発しました。 建設現場では効率化が進んでいない業務が多く、特に建設現場の安全性向上のために行っている、散乱すると危険な釘などの掃除業務は作業員にとって日々の負担となっており、長時間労働の一因にもなっています。本ロボットは、作業員による床の清掃作業にかかる労働時間40時間/月に相当する業務の全てを自動化することが可能です。 今後は施設や部材に応じた実証実験を行うことでロボットの改良を重ね、2023年度より3社の全国の建設現場に順次導入します。

写真:自走掃除ロボット

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