CASE11
医療施設
札幌ススキノ病院・住宅型有料老人ホーム
ファミリードクターズホーム6・8
- 所在地:
- 北海道札幌市
- 構造:
- 鉄骨造
- 延床面積:
- 12,503m2
- 竣工:
- 2016年6月
- 用途:
- 一般病床(50床)、透析室(30床)、住宅型有料老人ホーム(182名)、デイケア
急性期医療から在宅医療まで、グループ全体でより質の高い医療・介護サービスの効率的な提供を実践されている小笠原クリニックグループ様。
より充実した包括ケアを実現すべく、グループ内で主に慢性期医療の機能を担う医療法人 大空様の運営により、内科・外科・リハビリテーション科・人工透析内科を持つ病院と住宅型有料老人ホームを併設した医療・介護の複合施設を計画されました。
計画のポイント
施設内の上下の移動で、業務の効率性を求める新たな概念
12階建の医療・介護の高層型複合施設。1~5階は一般病棟50床・人工透析室30床を備えた病院で、6~11階には住宅型有料老人ホーム(全182室)、また3階には入居者様も利用できるデイケアのスペースが設けられています。
3階に設置されたデイケアルーム。一般の患者様のみならず、有料老人ホームの入居者様も利用されています。
医療依存度の高い方を受け入れるための機能性
住宅型有料老人ホームの6階は、人工呼吸器対応フロア。全30室は、レスピレーター(人工呼吸器)の機器が接続可能な仕様となっています。病院部分には人工透析30床を設け、外来に加え、透析治療の必要な入居者様への対応も高めておられます。
住宅型有料老人ホームの6階は、人工呼吸器対応フロアとして医療依存度の高い方を積極的に受け入れておられます。
細部にまで、こだわりと質感を重視した館内インテリア
周辺からも目を引く高級感漂う外観。館内には、照明や壁紙をはじめ、床のカーペットに至るまで徹底したこだわりが詰め込まれています。中世ヨーロッパ調を意識したインテリアで統一され、患者様や入居者様、そしてご家族も、“居るだけで豊かな気持ちになれる”ような演出が全体に施されています。
全館を通してイギリス、ウィリアム・モリス風インテリアでまとめられ、質感にこだわり、空間全体の居心地の良さを追求しています。(病院3階の廊下)
お客様の声
本施設は、グループ全体の成長につながる
「急性期医療」と「在宅」を結ぶ大きな柱
私たち小笠原クリニックグループでは、長年、地域の医療ニーズに応え貢献すべく、その体制を拡げてきました。診療科目は多岐にわたり、急患についても24時間365日対応しています。また医療だけではなく、グループ全体で、自宅での生活が困難な患者様のための賃貸住宅も運営。当グループにとって「医療」とは、これらの体制の総称を指し、こうした患者様の負担を軽減し、“医療の切れ目”を無くすことに努めた今日の結果が、国の医療政策である包括ケアに近い形態となっていると思われます。
グループ内で慢性期医療の機能を担うのが、医療法人 大空。病気を治したいと願う患者様を支え、サポートしていくために、リハビリテーションにも力を入れています。ですから、今回のような一般病床と透析医療、デイケアといった多くの機能と住宅を一つのパッケージ化した施設は、グループにとっても新たな柱として機能することが期待できますし、他の医療機関にとってもモデルケースとなり得るでしょう。
こうした「患者様の負担を軽減したい」といった思いは、施設面にも強く表すことができました。雪国である地域性から“効率化”というのは最重要課題の一つ。利便性の高い立地は、他の医療機関との連携や透析などの外来患者様にとって大きな魅力となるだけでなく、入居者様が快適に暮らされたり、ご家族が訪ねて来られるのにも便利です。高層の建物としたのも、館内の移動距離を少なくすることが狙いです。これはスタッフの業務の効率化を向上させることにもつながっています。また、こうした施設の特徴は、雇用の確保についても良い影響につながっています。
建物の設えにもこだわりを持ち、「患者様や入居者様に、上質な空間で、穏やかなときを過ごしていただきたい」という思いを大和ハウス工業さんに伝えました。また今回の事業については、開発型ヘルスケアファンドを活用した資金調達の手法を採用。条件面だけでなく、今後の事業展開の面を考慮し、選択しました。
今回の施設は、グループ内で「急性期医療」と「在宅」をつなぐ役割を担う医療法人 大空にとって、その機能性を大きく向上させるものとなりました。このように医療・介護サービスの提供体制を充実させることで、“医療の切れ目”を無くし、今後も、地域医療への貢献に努めていきます。