相続対策特集
資産を相続する場合、何よりも必要なことは、「遺産の分割を円満に行う」ことです。相続が「争族」になってしまわないように、すべての相続人が納得したうえで分割をすることが必要です。
その上で、相続税などの納税資金を確保し、少しでも負担を軽減するために相続税対策を行う、という順番になります。
しかし、相続資産の中に不動産が含まれていると、分割や相続税に関して、金融資産などとは異なり、いくつかの注意すべきことがあります。
不動産は公平に分割がしにくい
不動産を複数の相続人間で分割する場合、一筆の土地をいくつかに分割し、それぞれ登記して「別の不動産」にする(分筆する)ことはできますが、不動産の価値が低下してしまったり、その後の活用に制限ができたりします。
かといって相続人の共有とすれば、何か行おうとすれば、全員の承諾が必要となるため、相続人の間でトラブルになることもあります。
不動産の評価額は、利用方法によって異なる
多くの場合、不動産は相続時に相続税の課税対象となります。その際、不動産価格ではなく相続税評価額によって課税金額が決まりますが、不動産評価額は、その利用形態や地積などさまざまな要素によって異なります。
ケースによって対策はさまざま
「先祖代々から譲り受けた土地を大切に引き継ぎたい」「大切な資産を守るためにも有効に活用したい」「他の投資を含めて効果的に資産運用したい」など、相続する不動産資産に対する思いは人それぞれです。
土地や建物の相続についてはまず相続人が、将来どうしたいのかを明らかにした上で、不動産の立地、周辺環境、地域住民のニーズなどを考慮しながら、適切な活用方法を選択することが必要となります。