マンション建替えとは、修繕や改修ではまかないきれない老朽化の問題などを根本的に改善するマンション再生手段。現状の問題を解決するだけでなく、大幅な住居性能や資産価値の向上が得られるというメリットがあります。
ここでは、住民の方が理解しておくと役立つ「マンション建替えプロジェクトのポイント」をご紹介します。
住民にとって有利となることが多いマンション建替え円滑化法を利用した組合施行による方法で説明しています。
※大規模修繕や改修とどう違うのか、マンション建替えはどれくらいコストが発生するのかを別のページでご紹介していますのでそちらもご覧ください。
マンション建替えは「住民主体の事業」
- 住民主体の計画と運営
- 法人格としての事業管理
- 建替えにおけるリスクへの認識
- ダイワハウスのサポート
マンション建替えとは、「第三者のノウハウと資金を活用し、住民自らが住まいを建替えること」です。それは、デベロッパーやコンサルタントなど第三者の協力を得た上で、住民自身が意思決定し、決定した事項を順守することを意味します。
そのために必要なのが、建替組合という法人を設立し、事業を管理していくことです。当然負うべきリスクもありますが、それ以上に大きなメリットが得られます。
建替えの流れ
●ポイントとなる合意形成
建替えをスムーズに進めていくために重要なのが「合意形成」です。
建替えを進めていくステップのなかでも、とくに以下の項目がポイントとなります。
マンション再生(建替え)の発意/勉強会の開催
住民有志または理事会がマンション再生(建替え)についての検討を始めます。具体的には、大規模修繕、改修、建替えについての情報を収集し、費用対効果等の比較検討を行うのが一般的です。
建替推進委員会等の設置
正式に建替えの検討を行うという管理組合総会での合意に基づき、建替推進委員会等が設立されます。「建替え決議」に向けた準備を担うのが主な役割です。建替えありきではなく、修繕・改修と比較しながら、すべての住民の意見をていねいに集めることが重要なポイントです。
デベロッパー/コンサルタントの選定
建替えの実務を担う組織を選びます。一般的に数社の提案を受けた上で住民自身で選択します。表面上に出された費用だけで比べるのではなく、建替えの計画概要も含めてしっかり吟味することが重要です。
建替え決議
管理組合の組合員と議決権の各5分の4以上の賛成で成立します。この決議によって住民の意思が確認されます。区分所有法に規定された内容で、瑕疵のないように行うことが重要です。
建替組合設立認可
組合施行方式とする場合は建替えに参加する5人以上の区分所有者が定款と事業計画を作成した上で、建替合意者の4分の3以上の同意を得て知事などの認可を受けると、法人格を有した建替組合が設立されます。工事契約や資金借入など事業推進のため、一般的に法人化は必須条件です。
権利変換計画認可
住戸選定を行い、その結果に基づき権利変換計画を作成します。審査委員の同意と、組合員と議決権の各5分の4以上の賛成、関係権利者の同意を得て知事などの認可を受けます。
権利変換期日をもって、従前マンション(※1)の権利と資産額が従後マンション(※2)へ置き換わります。
- ※1 従前マンション・・・建替え前の旧マンションのことを指します。
- ※2 従後マンション・・・建替え後の新しいマンションのことを指します。
関連組織の役割
住民が決定した内容のすべてにおいて、事業協力者や専門家など関連組織との選定からやりとりまでを含め、実際にはデベロッパーとコンサルタントが実務を行います。
つまり、「決めるのは住民」「動くのはデベロッパーやコンサルタント」という関係です。