総合病院の勤務医から「かかりつけ医」に。
地域に根ざした医師の眼差しは、医療と介護の連携へと向かう。
生まれ育った地元だから、土地にも人にもいっそう親密な愛着
栃木県のほぼ中央部にある宇都宮市から車で約30分。医師、仲嶋秀文さんが開業するクリニック「仲嶋医院」(内科、循環器科、消化器科、小児科)は、つい最近、市町村合併によって新しく誕生した「さくら市」にあります。合併前は「氏家町」と呼ばれた氏家地区は、東北本線の氏家駅があり東北自動車道も通じているなど交通網が整備され非常に便利なところですが、付近にはまだ延々とつづく畑作地があったり、じつにのどかな農村の風情が残っていて、遠くには那須や日光の山々を望み、とにかく空がなんとも広くて清々しい風景が印象的なところです。
仲嶋先生はこの自然豊かな氏家の小中学校から宇都宮市内の高校に通い、地元の医大へと進学。医大卒業後も、無医村に赴任していた期間をのぞいてずっと“故郷密着”。「生まれ育った土地が一番です。土地にも人にも愛着がありますから」と仲嶋先生は話されます。
子ども時代から穏やかで物静かだった仲嶋先生が、生まれ育った町にクリニック「仲嶋医院」を開業されたのは5年前(2000年)です。そして2005年の11月には、約800坪もある同じ敷地に医院と隣接してデイ・ケアセンター「ふれあい健康館」(通所リハビリテーション)、居宅介護支援事業所「うのはな」を開設し、地域に密着した医療と介護の連携をはかっておられます。
通りの向かい、仲嶋先生が巣立った母校の中学校。ぎやかに登下校する生徒たちのなかには先生と同級生の親の子どもたちもいるそうです。とうぜん「昔なじみの患者さんが少なくありません」。一緒に遊んだ幼なじみ、小中学校の同級生、先輩後輩。「子どもの頃に可愛がってくださった近所の人たちや、その子供、お孫さんも来院されます」と、小さな笑みを目元に浮かべ、ほのぼのとした口調で仲嶋先生は話されます。
CASE2
仲嶋医院/ふれあい健康館/うのはな
- 生まれ育った地元だから、土地にも人にもいっそう親密な愛着
- 医師と患者の気持ちのつながりこそ、地域医療の原点
- 雑誌広告が結びつけた大和ハウスとのグッド・パートナー・シップ
- 町に馴染む医院らしくない外観、使い勝手と患者さんに配慮した動線と空間
- デイ・ケアセンターを設けて地域の医療と介護の連携に取組む