CASE06
医療施設
かみす中央メディカルクリニック
- 所在地:
- 茨城県神栖市
- 構造:
- 鉄骨造
- 延床面積:
- 559m2
- 竣工:
- 2017年10月
- 用途:
- 診療所(透析室10床)
茨城県の南東部、鹿行地域(潮来市、行方市、鹿嶋市、神栖市、鉾田市)で、循環器疾患の診療にあたってきた医師・長島英一様。
医療機関が少ない同地域の方々に、心筋梗塞など早期の治療が重要な循環器疾患と、血液透析療法などの医療サービスを提供するために、新たにクリニックの開設を計画されました。
計画のポイント
循環器・一般内科と人工血液透析内科の患者様双方に対応
建物内では、循環器・一般内科と抵抗力の低い人工血液透析内科の患者様の動線を完全に分離する設計を具現化。院内感染の抑制と来院者様の安心感を実現しました。
エントランスに向かって、右側が循環器・一般内科、左側が透析内科。それぞれの患者様はここで、別れた動線に沿って進みます。
患者様の待ち時間を短縮するための効率的に移動できる施設計画
各種検査室、処置室、診療室などを診療の流れに沿って配置するほか、患者様の動線を短縮することで、多くの方が望まれる「短い待ち時間」を実現しました。
診察室。この部屋の右隣にも診察室をもう一つ配して、医師が行き来しながら順番に双方の患者さんを診察します。
「光の演出」で実現した、快適にすごせる院内環境
循環器・一般内科のエリアでは大きな開口部から自然光を大量に取り込み、長時間横臥して待つ透析室は間接照明を導入してまぶしさを感じさせないように配慮しています。
最大19床の透析ベッドを配置できる透析室。透析療法の間、快適に過ごせるよう間接照明を採用しています。
お客様の声
医療サービスの供給が不足していた地域に
住民の方々の健康を守るクリニックとして浸透。
かみす中央メディカルクリニック 院長 長島 英一様
長年、循環器の専門医として診療にあたってきましたが、以前よりこの地域の方々は医療施設や医師の不足により必ずしも十分な医療サービスが受けられていない状況にあると感じていました。
私の知識や経験を生かした形で地域医療に貢献していきたいとの思いから、循環器・一般内科と透析内科のクリニックの開設を目指すことにしました。透析内科を併設することにしたのは、この地域でもニーズが高いうえに、血管の詰まりなど循環器内科で対応すべき疾患が多いためです。
クリニック開設を計画通りに進めるため、工期やコストなどの観点から発注先を選択し、大和ハウス工業さんに決定しました。この面でも十分に満足していますが、理想のクリニックを創り上げたいという思いを受け止めて、こちらからの要望を反映した数々の提案を受け取れたことにも感謝しています。
この地域の医療需要予測から計画した施設規模を実現するための広さや、透析用の医療機器が必要とする水に関する給排水インフラが整備されているなどといった条件を満たす用地確保の段階から尽力してくれました。
また、循環器・一般内科と透析内科併設という特殊な施設であるうえ、機能性、快適性の両面を満たすクリニックを設計意図の通りにつくり上げてもらえたため、患者様やクリニックのスタッフからの評判も上々です。
クリニック開設が地域の方々に浸透するに従って、一般内科、透析内科の患者様とも日に日に増加しています。これに対応できるよう、スタッフ数や施設規模などを見直しながら、末永くこの地域の医療に貢献していきたいという思いを強めています。