ケーススタディ
食品の製品、加工、物流施設のケーススタディをご紹介
CASE11
みりんをはじめ、料理酒、調味料など700アイテムもの多彩な商品を製造販売
“安全・安心”と“おいしさ”で食卓を支えたい醸造メーカーとしての強い思いを実現する新工場
建設地 | 兵庫県加古郡 |
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建物用途 | 酒造庫 |
敷地面積 | 1,028.06m2(583.23坪) |
延床面積 | 1,047.06m2(316.73坪) |
竣工 | 2019年8月 |
建物概要 | 鉄骨造、2階建て |
和食の調理に欠かせないみりんをはじめ、料理酒、調味料など700アイテムもの多彩な商品を製造販売しているキング醸造株式会社様。同社のロングセラー商品の「日の出みりん」は、いまも多くの家庭で愛用され続けています。1960年には、他社に先駆けて「みりん風調味料」を開発。調味効果はほぼ変わらず手軽に買えると、高い人気を博しています。
また、「料理酒」もみりん風調味料と並ぶキング醸造様の売れ筋商品です。同社では、1993年に清酒製造免許を取得。これまで他の酒蔵で作られた料理酒の原料を使用していましたが、自社製造に切り替え、同時に、自社ブランドの清酒の製造も開始されました。清酒メーカーとしては最近のスタートですが、順調に売り上げを伸ばし、銘柄の中には発売当初から根強い人気を誇る商品もあるといいます。
同社では、適切な温度管理ができる設備を既存工場に導入し、年間を通じた酒造りが可能な『四季醸造』に切り替えるなど、増産を図れるよう生産体制を強化。加えて、国内生産品への消費者ニーズに対応するため、新工場の建設計画が進められました。2019年8月、本社隣地に完成したのが「令和工場」。清酒、料理酒合わせて年間2,000㎘の生産を目標としています。
令和工場は、同社の食品安全方針に基づいた安全・安心・満足のいく品質の高い商品を供給できる生産施設です。食品安全マネジメントFSSC22000への準拠など、徹底した管理体制で運営されています。また、自動化により少ない人数でも生産性の向上を実現し、年間を通して醸造ができる設備を整えました。
最新設備を導入し、効率化・省人化を追求した新工場が完成しました。
キング醸造株式会社
第二製造部 ゼネラルマネージャー 杜氏 畠 康造 様
“みりん”醸造を生業とする会社として創業した私たちキング醸造は、日本の家庭に欠かせない醸造調味料をつくり続け、120年の歴史を積み重ねてきました。戦後、みりん風調味料の開発をきっかけに急成長を果たしました。また、酒の醸造過程において、不可飲処置を施した料理酒も、お手軽に使えると、多くの支持を集めてきたことも当社の特徴の一つです。
いまでは、「日の出ブランド」の販売拡大戦略として、海外進出にも積極的に取り組み、タイやシンガポールに生産拠点を設置。現在、輸出先は44か国にのぼっています。
新たに完成した令和工場は、原材料の搬送から、加熱、発酵、圧搾など、ほぼすべての工程の自動化を実現。出来上がった製品は、最終的にパイプラインを通じて、隣接する本社工場へと送られ、瓶詰・パッケージ化されるため、拠点間の輸送コストの削減にもつながっています。もちろん、食品メーカーとして「安全・安心への取り組み」も十分考慮。当社では、2018年よりISO9001:2008からFSSC22000Ver4.1への移行を進めていますが、この令和工場がその象徴的な存在となり、「日の出ブランド」の販売拡大につながることを期待しています。