土地活用に必須なデータの読み解き方第6回 不動産投資の指針となるデータとその読み解き方
公開日:2017/03/31
6回にわたり、土地活用に必要なデータを取り上げ、事例などを交えながら、データの読み解き方、使い方、収集方法などを解説していく第6回目。最終回の今回は不動産投資の指針となる様々なデータを取り上げます。
今回も取り上げるすべてのデータは、一般公開されている(インターネットがあれば誰でも入手できる)ものです。本コラムの中では、それらを分析してグラフや表にしていますが、読者の方も興味があればアクセスして、その元データを見ることができます。
さまざまな不動産投資の指標
ここでは不動産投資の指標となるさまざまなデータを取り上げます。土地活用も自分の土地に建物を建てて収益を上げるという点では、立派な不動産投資の一つといえます。不動産投資においては、「市況を把握する」ということが求められます。最終回の今回は、そんな不動産投資の基準の元となるデータについて解説します。
まず、不動産全体の一番大きな動きをみるためには、毎年3月下旬に発表される公示地価を明確にするとよいでしょう。これは、国土交通省が地価公示法という法律に基づいて調査・発表されます。各種の地価の基本となるものです。公示地価は、「国土交通省地価公示/都道府県地価調査」で簡単に検索できます。
また、相続税や贈与税は、土地活用をされる方に関心が高いと思われますが、その基準となるのが、地価の中の1つである路線価です。路線価は国税庁が公表しているデータ「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」から、検索できます。
また、一般財団法人資産評価システム研究センターのサイトでは、上記2つに加えて固定資産税評価額なども、同じサイト内で検索できて便利です。全国地価マップからアクセスすることができます。
その他、不動産市況の全体感を知るデータとしては、中古不動産市場の動きが知れる、REINS(不動産流通機構)のデータは豊富に揃っていて見やすくなっています。
東日本不動産流通機構で検索してみてください。この中にある、月例マーケットウォッチなどが分かりやすいと思います。
不動産投資の指数
次に、指数(INDEX)と呼ばれるものについてみてみましょう。
不動産投資の指数となるものは多く存在します。2001年にJ-REITが始まり、不動産と金融が融合されました。多くの一般投資家が不動産の賃料を主な配当資源としたJ-REITを購入することになり、公正な情報開示が求められました。
不動産ポートフォリオを組成し、それを小口化して投資家に募ることで、一気に不動産投資のハードルが下がり、多くの証券を通じた不動産投資家が生まれました。こうした状況に応える形でいろいろな指数が順次公表されるようになりました。それらのいくつかをご紹介したいと思います。
1つ目は、日本証券取引所が公表しているJ-REITの指数である「東証REIT指数」です。
東証REIT指数は、2003年から公表されていますが、推移を見たい方は、ヒストリカルデータを調べることができます。
日本証券取引所の「リアルタイム株価指数値一覧」のページで、東証REIT指数(用途別)を選択してください。賃貸住宅経営をされている方は、東証住宅REIT指数を参考にすればいいと思います。
本サイトでも何度かご紹介した指数が不動研住宅価格指数です。
2009年から東証で公表されていたものを、日本不動産研究所が引き継いだものです。
「2015年1月より公表開始した『不動研住宅価格指数』は、株式会社東京証券取引所の『東証住宅価格指数』を引き継ぐもので、公益財団法人東日本不動産流通機構(レインズ)より提供された首都圏既存マンション(中古マンション)の成約価格情報を活用し、同一物件の価格変化に基づいて算出された指数です。」日本不動産研究所サイトより引用。
他にも指数と呼ばれるものは多くあります。無料で公開されているものもあれば、会員限定のもの、有料で手に入るものもあります。とくに、無料で入手可能なものは、時折目に触れるようにして、市況をつかむといいでしょう。