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コラム vol.438
  • 土地活用税務コラム

不動産経営は長期的視点とトータルで考えることが大事

公開日:2023/01/31

ビジョンから俯瞰逆算し、ギャップを埋めていく

「志高く、キムタカく*、夢実現の支援者となり、幸福社会の創造に貢献する」というのが私たちの経営理念です。
土地活用の相談者には、「土地活用は企業経営と同じですよ」とお話しするようにしています。不動産経営は、長く安定して続けながら、「手元にどれだけ資金を残すか」という、長期的視点が大切です。さらに、借入金の返済期間は30年程度の長期間となるのが一般的だからです。オーナーさんの長期的な夢(ビジョン)をお聞きし、その実現のために俯瞰逆算する。例えば、30年後のなりたい姿から10年後、5年後、3年後、1年後、そして今をしっかり分析します。その目標と現状とのギャップが課題であり、それぞれの課題を整理して解決していけば、ギャップが埋まってきて、徐々に、夢・目標に近づいていきます。
不動産経営の観点でいうと、どうすれば賃料をアップできるか、空室期間を短くするにはどうするか、安易な値引きはしない、賃料の未回収をどう防ぐか、さまざまなことを考えます。そもそも何のために不動産投資をするのか、何のために賃貸住宅経営をするのか。すべての基本はそこにあるので、お客様には最初にそこを問いたいと思っています。
*「キムタカ」とは沖縄の方言で、「肝高(チムタカ)」=「志しが高い」という意味。

相続対策は将来まで見据え、トータルで考える

不動産活用をシミュレーションするとき、収益(売上)は「単価×数量」で考えます。アパート経営であれば、「部屋数×賃料」です。これをどう高めるか。最初の3~5年ぐらいは満室近く埋まるかもしれませんが、近隣に新しい賃貸物件ができたりすると、入居率が悪くります。シミュレーションでは、頭金はどれくらい入れるのか、入居率が90%、80%、70%、60%と悪くなっていった場合、どの程度資金は回るか、借入金は返済できるか、入居率をどう高かめるか、近隣の賃貸物件と比較して、建物の差異化はどうするか、付加価値をどう高めるかなど、さまざまなことを考えていきます。シミュレーションは長期的視点で考え、トータルで考えることが大切です。

借入金の返済スピードが速すぎると、キャッシュフローがマイナスになることもあります。安定してキャッシュが貯まり始めても、築10~15年もすると、今度は建物の大規模な修繕が必要となるので、そのような支出も見込んでシミュレーションする必要があります。借入金の返済が終わるころキャッシュが貯まりますが、減価償却が終わるころには、利益が出て税金が増えることもあり得ます。手元にキャッシュが貯まると、今後どのような資産運用をすればいいのかといった話も出てきます。

現金を不動産に変えることで相続対策になりますが、相続対策を駆使して相続税を減らしても、その人や家族の人生にプラスになるかどうかはわかりません。土地を売らずに残したほうが良い場合もありますし、相続税対策として土地活用をする場合もあります。目先だけの対策とならないように、長期的視点に立ち、20~30年と債務返済することも考慮しながら、トータルで不動産経営として考えることが大事です。

沖縄の事業承継問題

今、全国で事業承継が問題になっていますが、沖縄は、全国で一番後継者がいないと言われています。すべての業種業態で、事業承継・M&Aの相談が増えています。事業は黒字なのに後継者がいないので廃業となるケースです。廃業となると、社員もお客様もバラバラになってしまいます。後継者がいなかったら、会社は継続できません。親族の中から、社員の中から、後継者を探すのですが、誰もいなければ、第三者にM&Aをするしかありません。しかし、売り手と買い手のマッチングがうまくいかなければM&Aは成立しません。私もM&Aの仲介のお仕事をしていますが、残念ながらうまくいかないこともあります。

不動産も子や孫へ承継されていく

企業が先代社長から後継者へ引き継がれるように、不動産も親から子へ承継されていきます。そうすると不動産経営も親から子へ承継されていきます。不動産経営は不動産オーナーの「幸せ」を生み出す手段であり、不動産経営の真の目的は「オーナーと家族が幸せになること」です。不動産経営は、長期的に、資産が資産を作り出す仕組み作りと考え、その不動産を子どもや孫に承継していくことで、次は子や孫の時代へ幸せをバトンタッチしていくことができます。
私達キムタカ税理士法人は、これからも、税務・会計・経営助言を通じて、関与先の不動産経営をサポートしながら、幸せのバトンタッチを応援していきたいと考えています。

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