動画でわかる不動産投資第2回 賃貸住宅投資における利回りの考え方と空室対策
公開日:2022/09/30
ここからは、土地購入型賃貸住宅投資の利回りについて考えてみましょう。
賃貸住宅投資を含め不動産投資における利回りは、一般的に表面利回りとNOI利回りの2つがあります。
表面利回りの計算
最もシンプルな利回り計算は、入ってくるお金を投資したお金で割る方法で、「表面利回り」と呼ばれます。
収入÷投資金額=表面利回り
- 賃貸住宅経営における収入(A)
-
●毎月入ってくるもの
賃料、共益費、駐車場・駐輪場などの賃料(空室、未回収を除く)
●それ以外
敷金礼金などのうち、返還しなくてよい費用 等
NOI利回りの計算
もう少し、細かくする計算方式の方が、不動産投資の利回り計算で多く用いられています。
こちらは、収入から経費を引いたもの、つまり純粋な利益(NOI)を投資金額で割る計算方法で、「NOI利回り」と呼ばれます。
- 賃貸経営における支出(B)
管理会社への管理代行費
維持管理費
修繕関連費 等
A-B=NOIAからBを引いたものを「純営業利益 NET OPERATE INCOME(NOI)」と呼びます。
A-B÷投資金額=NOI利回り
賃貸住宅投資における適切な利回りとは?
利回りは、「投資するかどうか」の判断基準の1つです。
「何%くらいの利回りが適切か」ということが言われますが、これに対する回答は、「状況により全く異なる」となります。
同様に、キャッシュフロー金額(手残り額)で判断される方もいます。これは、「毎月、あるいは毎年○○万円くらいは利益が欲しい」という事ですが、これも「いくら以上だと、投資として相応しい」という明確なものはありません。状況により異なります。
また、立地により、同じような広さ・設備の部屋でも賃料が異なりますから、利回りも変わってきます。また、建物グレードにより、賃料が異なりますので、ここでも利回りが変わってくる可能性があります。さらに、不動産の市況により異なってきます。このように、「適切な利回り」というものはありません。
そのため、担当者から、建てようとしているエリアにおける、同グレードの賃貸住宅におけるその時点での平均的な利回り、平均的なキャッシュフロー(手残り金額)を聞いて判断すればよいでしょう。
キャップレートについて
賃貸住宅投資を含めた不動産への投資を行う場合、どのくらいの利回りならば、投資を行うのか?つまりどのくらいの利回りを期待するのか?は、投資を行う方の考え方次第です。立地や対象物件により大きく数字が異なる事は必然と言えます。
しかし、「どのくらいの利回りを期待している方が多いのか」については、投資をされる方の期待利回りについての妥当性の基軸となると思いますので、知っておくとよいと思います。
期待する利回りのことを「キャップレート」(正しくは,Capitalization Rate)と言います。
賃料やそのほかの要因が一定だとすると、キャップレートの低下は不動産価格の上昇を意味します。住宅賃料は、当然市況に左右されますが、短期間でそれほど大きな動きをしません。そのため、キャップレートの低下は、大半の場合、価格上昇を意味することになります。それはつまり、「価格上昇でも、不動産投資、賃貸住宅投資を行いたいと思う方が増える傾向にある」ということになります。キャップレートはいくつかのシンクタンクから公表されていますので、参考にされるといいでしょう。
空室想定年間賃料の計算
「利回り」についてここまで述べてきました。その計算方法で「年間収入」とありましたが、基本的な想定利回り計算では、「満室想定」となっています。
1棟売りの賃貸住宅が販売される時の「想定利回り」、また土地の購入後に施工会社に賃貸住宅のプラン設計を行ってもらう際の収益シミュレーション上での「想定利回り」ともに、一般的には「満室想定」となっています。もちろん、入居者の入退去がありますので、常に100%満室ということはあり得ませんが、「概ね満室」での想定となっています。
本来は、満室想定年間賃料×空室確率で想定年間賃料を算出したり、経年による賃料の下落確率などを加味したりするべきなのです。
しかし、いずれにしても土地購入型賃貸住宅経営を行うならば空室の出にくい立地に建つ賃貸住宅を購入すべきだと言えます。
空室の出にくい賃貸住宅とは?
賃貸住宅の建築で、どんな工法にしてどれくらいお金をかけるのかは、各々の状況や趣向により異なると思いますが、しかしながら全ての方が「空室の出にくい、人気のある賃貸住宅を建築したい」と考えていることと思います。ここでは、空室の出にくい賃貸住宅の建築方法について考えます。
「空室の出にくい賃貸住宅の3原則」は以下の通りです。
- 1)時代のニーズを捉えた賃貸住宅
昨今ならば、セキュリティ対応、収納力、水回り設備の充実など - 2)無理のない賃料設定
特に新築時に無理して高く設定しない - 3)周辺地域の入居者ニーズを考慮する
周辺の賃貸住宅需要を読み解く
この3原則から外れることのない、賃貸住宅を建築(または購入)しましょう。
施工実績が豊富なメーカーに依頼すれば、大量の実例があり、データもそろっていますので、安心して任せることができるでしょう。