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コラム vol.208-2
  • 不動産市況を読み解く

2035年の賃貸住宅市況を占う~都市部で増える一人親世帯!~

公開日:2017/07/28

POINT!

・日本におけるひとり親世帯は、25年で1.4倍も増加した

・母子世帯が増えることで賃貸住宅需要は増える

増加するひとり親世帯

父親または母親のいずれかと、その子どもからなるひとり親世帯は、国立社会保障・人口問題研究所のデータによると2010年時点で約454万世帯となっています。
そのうち、母親と子どもからなる世帯が85%で、父親と子どもからなる世帯は15%です。

ひとり親世帯の居住形態なのですが、厚生労働省の「平成23年度全国母子世帯等調査報告書」によると、全体の15%である父子世帯の場合は、そのうち約20%が賃貸住宅暮らしです。
一方、85%を占める母子世帯数では、その約半数以上が賃貸住宅に住んでいます。

このひとり親世帯の居住形態を見ると、全体の10%である父子の場合は、そのうち約20%が賃貸住宅暮らしです。一方、90%を占める母子世帯では、その半数以上が賃貸住宅に住んでいます。
その傾向は、特に都市で顕著で、地方都市や郊外に住む世帯では、実家での同居世帯が多いと思われます。
さて、今後ひとり親世帯は増えるのでしょうか?

図1は2015年を100とした大都市圏のひとり親世帯数の予測です。

図1:ひとり親と子からなる世帯数予測(2015年=100)

国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」より作成

これをみると、2035年の東京都では今より+27.5%と予測されています。先に述べた+40%だった1988年から2011年の23年間ほどではありませんが、まだまだ増える予測となっています。
愛知県は21.3%、大阪府、福岡県ともに10%以上の増加予想となっています。大阪府だけが2030年以降に減少するのは、大阪府は4大都市の中で最も早く人口・世帯等の減少が始まるためです。それ以外は、右肩上がりの様相です。

母子世帯の増加は賃貸住宅の増加につながる

こうした状況をネガティブにとるのか、女性の社会進出が進むなどポジティブにとるのかはここでは言及しませんが、欧米各国のように、日本も離婚が一般化し、バリバリ働くシングルマザーの活躍が目覚ましいという状況になりそうです。
母子世帯の約半数が賃貸住宅に暮らしている現状を踏まえると、この母数が増えるわけですから、それに応じて賃貸住宅需要は増えることになります。

図2:家族類型別将来推計推移

国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(2013年1月推計)より作成

図2は、今回のテーマのひとり親世帯の数、そして夫婦のみ世帯の数、夫婦と子の世帯の数の3つの将来予測を重ねたものです(全国合計数)。
これを見ると増えるのは、ひとり親と子の世帯、そして夫婦のみの世帯です。そして、この図にはありませんが、単独世帯も増えます。
日本の将来の世帯のイメージがこれで湧き、それがそのまま住居のイメージにつながることでしょう。

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