2017年の税制改正では、消費税増税が延長されたことにより、いくつもの住宅減税制度が期間延長されましたが、基本的には2016年度と大きく変わっていません。
優遇税制を上手に活用していただくために、特にポイントになる内容をご紹介します。
賢く建てるために知っておきたい税制
消費税8%で家が建てられるのは、いつまでですか?
住宅ローンを組んだら、税金が戻ってくると聞いたのですが?
補助金・資金援助の上手な活用
家を建てる時に利用できる補助金はありますか?
両親から資金援助を受ける予定なのですが、税金面での優遇はありますか?
家の買い替えの税金と控除
買い替えで家を建てたいのですが、税金面での優遇はありますか?
買い替えで家を建てたいのですが、税金面での優遇はありますか?
居住用住宅を売却して買い換えた場合、税制優遇が使えます
住んでいる家を売却して新しく家を建てる場合、所有期間や居住年数、売却益や売却損に合わせて使える制度があります。
居住用住宅の売却による買い替えで使える制度
1.売却益が出る場合
譲渡所得に対しては税金がかかります。
譲渡所得(=売却額-取得費-譲渡費用)に対する税金は
- ・短期譲渡所得(所有期間5年以下)・・・譲渡所得×30.63%(住民税9%)
- ・長期譲渡所得(所有期間5年超)・・・譲渡所得×15.315%(住民税5%)
※譲渡所得計算例
売却額(7,000万円)-取得費(3,000万円)-譲渡費用(500万円)=譲渡所得(3,500万円)
(1)居住用財産の3,000万円特別控除
居住用として住んでいた住宅の譲渡所得に対して、所有期間の長短に関係なく最高3,000万円まで控除できます。また、所有期間が10年を超える場合、課税長期譲渡所得金額6,000万円以下の部分の税率が10.21%(住民税4%)となります。
【適用条件】
- ・居住用として住んでいた家(住まなくなった日から3年目の12月31日までに売却した家)
- ・売却する相手が、配偶者及び直系血族、同居や生計を一にしている親族、事実上婚姻関係にある人でないこと
- ・売却する家が、直近3年間の間に、特定の居住用財産の買い替え及び交換の特例を受けていないこと
- ・売却した年の前年、または前々年に、同じ特例や他の買い替え特例の適用を受けていないこと など
(2)居住用財産の買い替え特例
居住期間が10年以上の場合、譲渡所得に対する課税を将来に繰り延べることができます(売却益をもとに家を建てた場合、譲渡所得に対する税金は非課税となりますが、将来売却するときには前回の分も課税されます)。
【適用条件】
- ・売却した価格が1億円以下であること
- ・売却する相手が、配偶者及び直系血族、同居や生計を一にしている親族、事実上婚姻関係にある人でないこと
- ・買い替えする居住用の家を、譲渡した年の前年から譲渡年の翌年の12月31日までに取得すること
- ・2017年12月31日までに売却したもの
2.売却損が出る場合
※売却損計算例
売却額(4,000万円)-取得費(5,000万円)-譲渡費用(500万円)=売却損(1,500万円)
(1)譲渡損出の損益通算、繰越控除
2017年12月31日までに生じた譲渡損出の金額は、ほかの各種所得の金額と損益通算することができます。また、損益通算を行っても控除しきれない損出の金額は、翌年から3年間に渡り繰越控除することができます。
- ・所有期間が5年を超えるもの(譲渡年の1月1日段階)
- ・譲渡した年の前年から譲渡年の翌年の12月31日までに取得すること
- ・合計所得金額3,000万円以下であること など
このように、居住用住宅の買い替えには、さまざまな税金面での優遇措置があるのです。
※掲載の情報は2017年6月現在のものです。内容は制度運用中でも変わる場合がありますのでご了承ください。