ダイワハウスの設計士がエステーの研究員をお招きし、
家のニオイについて語り合う対談の2回目は「ペットのニオイ」がテーマ。
犬や猫を室内で飼うお宅が多い昨今、
ペットのトイレのニオイや体臭は気になるものです。
飼い主はニオイに慣れてしまっているケースも多く、
ペットを飼っていない人が訪問したときに、独特のペット臭に気づくことも。
室内犬を飼うダイワハウスの設計士が、さまざまな疑問をエステーの研究員にぶつけます。
エステー株式会社
船橋一良さん
R&D部門 研究グループ マネージャー
大和ハウス工業株式会社
金指有美
住宅事業推進部 東日本住宅設計室 一課 主任
「トイレのニオイ」と「体臭」がペットの二大臭
- ダイワハウス金指(以下、金指):半年前から室内犬を飼い始めたんですが、ニオイはやはり気になります。仕事で日中留守にしていると、帰った瞬間に、家の中に犬の排泄臭が充満しているのが分かります。留守中に犬がウンチやオシッコをすると、どうしても時間が経ってから処理することになるので、仕方ないですね…。
- エステー船橋さん(以下、船橋さん):犬や猫の場合、リビングなど部屋の一角にトイレスペースを設置することが多いので、生活空間にニオイが漂うのは避けられないですね。
- 金指:ペットを飼っていない人がペットのいる家に来ると、独特の香りですぐに分かるとも聞くので、ニオイ問題はやはり不安です。
- 船橋さん:体臭も、毎日嗅いでいるとニオイに慣れて気にならなくなるのです。ペットを飼っていない人からすれば、気になるニオイになっている可能性はありますね。
ニオイ成分が空気中を漂って染み込んでしまう
- 金指:最も気になるのはペットのトイレのニオイですね。対策はどのようにしたらいいでしょうか?
- 船橋さん:家の生活臭と同じように、ニオイの元を断つという意味では掃除と換気が有効です。犬がウンチをしたらすぐに片付けると思いますが、オシッコの場合はシートがある程度汚れてから取り替える方が多いと思います。ところが、シートの周囲にオシッコが飛び散っていなくても、気体となったニオイ成分が空気中に拡散されて、床や壁に染み込んでしまいます。
- 金指:飛び散ってなくても臭いがついてしまうとは驚きです。確かにペット用のトイレシートなどは何度か使ってから捨てますが、周辺をこまめに清掃することが大切なんですね。
- 船橋さん:犬や猫の尿のニオイは人間のものとはまた違う成分で、人が不快に感じるニオイなんです。また、食する餌によっても排泄臭は非常に左右されます。一度でシートや猫砂を交換するのは現実的でないにしても、早めに交換することはニオイ軽減に有効です。ニオイをゼロにするのは難しいので、ペット専用の消臭芳香剤などで対策をするのをおすすめしています。「玄関・リビング用 消臭力 ペット用 フルーティーガーデン」は、フローラルにアップルやピーチを調和させた香りで、ペットの気になるニオイをしっかり消臭します。
- 金指:人間のトイレ用の製品よりも甘い香りがしますね。
- 船橋さん:そうなんです。フルーティー系の香りはペットのいる空間の消臭には適していると考えられています。こちらもペアリング技術で、糞尿のイヤなニオイを気にならないニオイへと変えています。消臭芳香剤はペットが誤って倒してしまうこともあるので、ペットが届かない場所に設置してください。
ペット臭とアロマが混ざるとイヤなニオイに?
- 金指:他にも飼い主が気になるのがペットの体臭だと思います。人間のように毎日にお風呂に入ることができないので、時間が経つとニオイが蓄積されていくのが分かります。我が家の犬はお気に入りのブランケットがあるのですが、体臭が染みついているのが分かります。
- 船橋さん:ブランケット、クッションカバー、ソファカバーなどのファブリック類はこまめに洗濯していただくのが一番の対策です。
- 金指:以前、犬の体臭が気になって、犬のケージの近くにアロマディフューザーを置いたのですが、犬のニオイと混ざり合って不快なニオイになってしまいました。ペットがいる空間ではアロマを楽しむことよりも、消臭を心がけたほうがいいのでしょうか?
- 船橋さん:そうですね。悪臭に強いニオイをかぶせてしまうと、ニオイが混ざり合って不快な香りになってしまうことはあります。ペットの近くにはアロマグッズは置かず、消臭芳香剤や脱臭剤などで対策をするのがいいでしょう。ニオイを吸着させるトイレシートや猫砂なども市販されているので上手く活用していただけたらいいと思います。
- 金指:犬は嗅覚が鋭いので、人間だと快適に感じる消臭芳香剤の香りが、キツすぎてしまうという心配はありませんか?
- 船橋さん:犬の嗅覚は人の1000倍から1億倍と言われています。猫も犬ほどではありませんが人間よりはるかに嗅覚が発達しています。一説では犬は柑橘類の香りを嫌がると言われていますので、弊社のペット用消臭力は甘いフローラルフルーティを選んでいます。糞尿臭をいかに効果的に消臭できるかどうかという観点で商品開発をしています。
ケージの周囲にはニオイがつきにくい建材を
- 船橋さん:私もお聞きしたかったのですけれど、「ペットのニオイを発生させない家づくり」というのはあるものでしょうか?
- 金指:さまざまなご提案ができます。まず、間取りではペットスペースをつくることをご提案しています。
- トイレやケージを設置すると上部がデットスペースになりがちですが、上部はフードやグッズを収納できる棚やキャビネットにすれば空間を無駄なく使うことができ、ニオイの発生源を集約させることにつながります。また、空気の通り道に設計すれば、換気もしやすいですね。
- 船橋さん:消臭効果のあるクロスを貼ることもできそうですね。
- 金指:そういったオーダーはとても多いです。最近は、消臭効果があるクロスも色、デザイン共にバリエーション豊富で、よりお好みに応じた空間提案ができます。
壁には調湿・脱臭機能を持つ「エコカラット」を選ばれる方もいらっしゃいます。水拭きもできるため、お掃除もしやすくおすすめです。
また、ペットスペースの床をタイルや化粧シートタイプのフロア材にすると液体汚れも染み込むことなく、ニオイの原因から断つことができます。 - 船橋さん:汚れを付着させない、掃除がしやすい、換気しやすいことはニオイ対策の基本ですね。
- 金指:和室がある家なら和紙畳をご提案しています。見た目は本物の畳とそっくりですが、強化和紙でできているのでチクチクせず、汚れやニオイもつきにくく、ペットが粗相しても水拭きができるのでおすすめです。
- 船橋さん:それはいいですね。実はい草の畳は年数が経つと古い植物のようなニオイが出てくるんです。汚れても掃除しやすく、ニオイがつきにくい畳はペットのいるご家庭にぴったりですね。
- 金指:他にもペットの動きに反応するセンサーと組み合わせて気になるトイレ臭を解消する天井換気扇や、常に空気を動かして空気をクリーンにする天井埋め込み型の空気洗浄機もご用意しています。
- 船橋さん:大好きなペットと快適に暮らすには、住まいづくりのひと工夫が重要ですね。
まとめ
大切な家族の一員であるペット。猫は約8割、犬は約6割が室内飼いと言われ(※)、快適な住まいづくりにはニオイの対策は必要不可欠です。最大のニオイ発生源であるペットのトイレスペースの処理や消臭芳香剤の活用、こまめな換気、ニオイのつきにくい内装選びで、ペットとの暮らしはもっと快適になるでしょう。
※調査対象:東京都23区在住の20~69歳の男女400名。
出典:大和ハウス工業株式会社「新3階建てxevoトシナカデザイン研究所PR調査」(第3回 2011年)
2020年3月現在の情報となります。