「税金といえば?」ときかれたら、何税をイメージしますか?
きっと、消費税とか、所得税とか、住民税とかが真っ先に思い浮かびますよね。
でももうすぐ、相続税がみなさんにとって、身近な税金になるかもしれません。
そしてこの相続税、じつは“住まい”と“家族”に密接な関係があるのです。
さあ、相続税っていったいどんな税金なのでしょう。
縁起でもないことですけどね。
でも、一家の大黒柱の世帯主に万一のことが起こったら・・・そんな縁起でもないこと一度も考えたことありません!という方はいらっしゃらないのではないでしょうか。
大切な方が亡くなったら悲しいけど、その先の生活のこと、今後の収入とかローン返済とか考えると・・・不安がよぎったりしますよね。
でも、世帯主がこつこつと貯めてくれた預貯金とか、生命保険金とか、お住まいとか、残してくれていたとしたら、将来の不安も少しは和らいで、ほっとしますよね。
こんなふうに財産を残してくれて、引き継ぐことを相続と言います。でも、その残してくれた財産に課税される税金が相続税。そして、相続税は、相続人が負担する税金なのです。
さて、相続税の4.1%、なにだと思いますか?
正解は、相続税が課税される家庭の割合です。
統計データによれば、100の家庭で相続があったとしても、たった4件ほどの家庭にしか相続税は課税されないのです。
「相続税なんて、庶民の我が家には無縁だわ」と、そうおっしゃる方も多いし、実際にそうなのです。
ただ、それもひょっとすれば、「これまでは」の話しになりそうなのです。
これまで、お茶の間の二時間ドラマの世界でのできごとだった相続税。「三代で財産を失う(実は多くのケースでそんなことはありません)」とかつていわれた相続税。
他人事だった相続税を、あなたも負担するかもしれない、ということです。
平成27年(2015年)からの相続では、相続税が課税される家庭が増えるように制度が変わるからです。
相続税は、相続する財産がある一定ラインを超えたら課税される税金なのですが、このラインが引下げられるのです。
このライン、家庭によって違うので、あとで、詳しくそのしくみをお話しますが、たとえば、配偶者と子ども2人が相続する家庭なら、これまで8,000万円だったこのラインが、なんと4,800万円まで下がるのです。
さあ、世帯主の財産、どんなものがありますか?
預貯金に、お住まいの土地に建物、有価証券に、生命保険に、死亡退職金だっておりるでしょう(生命保険金・死亡退職金は一部税金がかかりません)。自動車だってそうだし、ほら、あそこに隠してあるへそくりだってそうですよ。
相続税の改正。あたふたしてもしかたがありません。
相続税が課税される家庭が増えると言っても、すべての家庭で相続税が課税されると決まったわけでもありません。まずは相続税が課税されそうかどうかきちんと理解。そして、相続税って、じつは上手な準備次第で、その負担をずいぶんおさえて対策することもできるんですよ。
さあ、そうとわかれば、準備と勉強、はじめましょう。
筆者プロフィール
- 海野裕貴税理士事務所
海野 裕貴(うみの ひろたか) - 税理士・CFP(r)・1級FP技能士・中小企業診断士・行政書士
- 証券会社、保険会社、FP会社等を経て、2007年5月に独立、税理士事務所を開業。相続、個人のタックスプランニングを中心にサービス展開中。
- ラジオFM横浜「教えて税理士さん」出演をはじめ、ハウスメーカー、証券会社、生命保険会社、損害保険会社他、講演多数。
- 主な著書 「事業承継成功のポイント50」「経営者のための勇退アドバイス」「大家さん・地主さん必見!不動産相続 成功の扉」「成功したい人が読む はじめての相続・贈与の生前対策」その他、「けんた君教えて!くらしのなかの税金知識シリーズ(全国法人会総連合)」、毎日新聞・浜銀総研・納税通信連載執筆等多数。現在「バンクビジネス(近代セールス社)」にて連載中。
- 海野裕貴 税理士事務所 HP : http://www.greatdivide.jp/
※当該ページは、平成26年4月15日現在の法律等に基づいて執筆しています。今後、税制改正により内容の変更が生じる可能性がありますので、ご了承ください。また、出来るだけわかりやすくご理解いただくために専門用語や制度を簡略化して表現していることもご了承くださいますよう重ねてよろしくお願い申し上げます。具体的な相談は税理士等の専門家へお尋ねください。