4期市長を勤めた名士のお家柄。
故郷のお役に…と、残された土地を高齢者マンション併設の多機能施設に活用。
高瀬さんは、終始、おだやかな笑みを絶やさない。物腰は柔らかく、話し口調もいたって温厚です。「怒ったことがありません、はい。声を荒げることもありません、はい」とそう話されますが、反面、「こうと決めたら一直線にまい進するタイプです」ともおっしゃいます。介護事業への取組みにも、そういう直線的な気性の一面が垣間見えるようです。高瀬さんが最終的に決めたプランは、高齢者向けマンションに認知症の高齢者のためのグループホーム、そして地域の高齢者が通所するデイサービスを併設、さらに隣地には居宅介護支援事業所を設ける予定であるなど、地域ケアを総合的に担う多機能の施設です。最初はマンションだけを考えていたのが結局は、地域ケアの拠点というにふさわしい規模になってしまいました。これも、一度こうと思ったら「こだわってしまう」一面ではないでしょうか。
事業を開始するに先だって、高瀬さんは近隣地域の方々に説明会を催すと、「みなさん賛同してくださって、本当に喜んでくださいました」とのことで、この事業を進める意義を改めて感じられたそうです。
ちなみに事業主体は祖々父・高瀬林吉(“吉”は土に口)を冠した(株)高林(たかりん)という法人格を新たにつくり、「母名義の土地」を(株)高林が借り受けて、施設を建設し事業を行うという仕組みです。
そして大和ハウスとのパートナー関係のご縁は、先の医師仲間の紹介と「薦め」によるそうですが、パートナーに決定する経緯を高瀬さんはこう話されています。「コストだけを考えると、他に条件の良いところはありました。けれど、プラン全体の水準が高く、対応のスピードも細かな配慮も行き届いていたのは大和ハウスさんです。安心して任せられたし、収支モデルのシミュレーションもよく出来ていました。実績が多いことは信頼に足るデータが豊富にある証拠で、事業の採算性を考える上で本当に参考になりました。目先のコストだけで決めるものじゃありませんね。なんといっても信頼性と質の高さです」。
CASE3
「ときの郷」と「メゾン セントレ」