コラム vol.088
全国各地で広がるコンパクトシティ化と土地活用
公開日:2015/09/29
都市機能を集中させるコンパクトシティ化
「コンパクトシティ」という言葉をご存じでしょうか?
コンパクトシティ化とは、政府が地方都市などで推進する都市機能に関する政策で、「都市の中心部に行政、商業、住宅などさまざまな都市機能を集中させる」ことです。
日本が農耕国家だったころには、農耕地に紐ついて住居を構えるという傾向があり、都市のまとまりは緩やかなものでした。
現在の大都市は、明治時代以降都市として発展を遂げましたが、地方都市では、いまだに都市機能として効率的とは言えない街が広がっています。こうした都市においては、近年いくつかの問題が顕著になってきています。
いくつかの問題を整理すると、
- (1)移動手段の限られた高齢者などの「交通弱者」にとって、中心市街地が空洞化し、車に過度に依存した不便な社会になっている
- (2)無秩序な郊外開発による都市景観や自然・環境問題への懸念
- (3)際限ない開発による道路、上下水道などの公共投資・維持費の増大
といったことがあげられます。
こうした問題に対して政府がとった政策が、コンパクトシティ化です。コンパクトシティ化の促進により、以下のことが目標とされています。
- (1)行政サービスの効率化
- (2)未利用地の有効活用
- (3)乱開発の抑制により郊外の緑地や農地の保全
- (4)経済交流活動の活性化→中心市街地の活性化
- (5)移動自体の需要抑制や自動車依存からの脱却 → 環境負荷の低い都市の実現
こうしたことに伴い、住民の居住地に関しても、中心街への集積が進むと思われます。
そして、中心街が再開発され、新たな住まい(=賃貸住宅など)が必要とされることになり、賃貸住宅経営を考える土地オーナー様にとっては、安定した需要が見込まれることになるかもしれません。
青森県と富山県の取り組みに見る土地活用の可能性
ここで、青森県と富山県の取り組みについて具体的に見てみましょう。