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コラム vol.342
  • 不動産市況を読み解く

サブリース業務のガイドライン制定改めてサブリース契約のメリットと注意点を考える

公開日:2020/10/30

サブリース契約は、多くの賃貸住宅経営の行うオーナー様に取って有益なサービスです。しかし、サブリース契約におけるトラブルは、以前から頻発していることも事実です。 こうした背景から、政府・国土交通省は、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和2年6月公布)」(サブリース新法)を制定しました。それに基づき、「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」が10月16日に策定、公表されました。また、施行日は12月15日となっています。 今回のコラムでは、このガイドラインの内容を紹介するとともに、改めてサブリース契約のメリットと注意点をまとめておきます。これから賃貸住宅経営を始めようとお考えのオーナー様とって重要なことですので、じっくり読んでみてください。

サブリース契約のメリット

まず、はじめにサブリース契約のメリットについてまとめておきます。メリットは2つに大別できます。 まず、収入の安定が見込めるということです。たとえ空室が出ても、サブリース契約をしている会社から(契約している)家賃収入が入ってきます。サブリース契約の金額(あるいは条件等)は変更されることもありますが、サブリース契約をすることで、大まかには長期の賃貸住宅経営の収益をシミュレーションすることができます。そしてこのことは、融資を受ける際にプラスになります。 次に、滞納他入居者とのやり取りの手間(管理に関する手間)がなくなります。サブリース契約をすると、オーナー様は直接入居者の方と関わることはなくなります。もちろん、万が一入居者様との間でトラブル等があった時にも、サブリース会社の対応となります。 こうした賃貸住宅経営において、オーナー様が最も気になる2つの大きなメリットを、サブリース契約を結ぶことで得ることができます。

サブリース契約の注意点

サブリース契約における家賃は、一定期間(一般的には2~3年)で定期的に見直しが行われます。周辺の賃料相場、入居の状況(空室等)などにより、上下します。そのため、「家賃保証」とうたっていても、それは一定期間であることを認識する必要があります。加えて、契約内容によっては家賃保証の免責期間もありますので、注意が必要です。契約を交わす前に、「思っていた事と違う」とならないように、しっかりと契約内容を確認しておきましょう。 また、いうまでもありませんが、管理の必要はないと述べましたが、建物内外の維持管理費、交換・補修の費用はオーナー様の負担となります。こうした費用は、賃貸住宅経営を始める前の収支シミュレーションを作成する段階で盛り込んでおくことで、「思わぬ出費」にならずにすみます。

ガイドラインの内容

ここからは、この度公表されたガイドラインは全37ページにわたり、かなりの文字数(図表とかは少なくほとんど全て文字です。)ですので、ここでは要約してポイントのみお伝えします。 ガイドラインでは、サブリース契約において禁止されている「誇大広告」「不当勧誘」の説明と具体例を明確にしています。 「家賃保証」「空室保証」などとうたう文言には、「家賃の見直し」や「減額可能性があること」と明記すること。また、「サブリース契約の解除の可能性があること」ときちんと明示すること、などが例としてあげられています。

詳細は、国土交通省ホームページ「サブリース事業に係る適正な業務のための ガイドライン 」からダウンロードしてください。

サブリース契約はIT契約もOK

また、ガイドライン本文の最後には、昨今の時流に合わせて、サブリース契約が電磁的方法、つまりIT契約ができる旨が記載されています。 すでにIT重説は、賃貸契約で認められています。また売買契約においても実施の方向で、現在、社会的実験が行われており、近く解禁のようです。ビジネスでどんどん進むデジタルシフト(DX)の波が確実に不動産領域にも進んでいます。

  • 【サブリース契約の注意点】
  • サブリース契約における家賃は、一定期間(一般的には2~3年)で定期的に見直しが行われます。周辺の賃料相場、入居の状況(空室等)などにより、上下します。そのため、「家賃保証」とうたっていても、それは一定期間であることを認識する必要があります。加えて、契約内容によっては家賃保証の免責期間もありますので、注意が必要です。契約を交わす前に、「思っていた事と違う」とならないように、しっかりと契約内容を確認しておきましょう。 また、いうまでもありませんが、管理の必要はないと述べましたが、建物内外の維持管理費、交換・補修の費用はオーナー様の負担となります。こうした費用は、賃貸住宅経営を始める前の収支シミュレーションを作成する段階で盛り込んでおくことで、「思わぬ出費」にならずにすみます。

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