大和ハウス工業 城東支社「土地活用セミナー」(2)コインパーキングの土地を保育所と保育士の寮を組み合わせた物件に活用
公開日:2019/09/30
2019年7月13日(土)、大和ハウス工業 城東支社において、不動産オーナーのための新しい土地活用提案「土地活用セミナー」が開催されました。
セミナーでは、大和ハウス工業の事例紹介に加えて、不動産アナリストの吉崎誠二氏からのコメント、補足があり、非常にわかりやすいセミナーとなりました。
大和ハウス工業 城東支社 住宅事業部 アーバンスカイエプロジェクト課 鬼木陽平 不動産エコノミスト 吉崎誠二氏 |
この事例は、駐車場として提供していた保有の土地に、自宅を建て、かつ有効な活用もしたいというニーズから生まれた事例です。
会社を経営されているオーナー様は、駐車場の土地に加えて、左隣の土地も所有されており、それらを合わせた土地に、ご家族のご自宅を建てたいというのが、第一のご要望でした。しかし、土地の大きさも十分にあり、役所や地下鉄の駅も近く、ご自宅を建てるのと同時に有効な活用もしたいと、私がいる住宅展示場に来場されました。
吉崎:二世帯住宅を検討しつつコインパーキング以外で収益を上げる、つまり、良い場所なので賃貸等に使えるのではないかという相談をいただいたわけですね。
認可保育園、賃貸住宅、自宅の複合提案
私どもの提案は、5階建てで1・2階を認可保育所にし、最上階をオーナー様のご自宅にするという内容でした。間の3・4階部分には、 1K25m2の賃貸住宅が12戸入りますので、ワンルームの賃貸住宅としました。この賃貸住宅部分についても、保育所に勤務される保育士の寮として活用いただけるように提案しました。
こちらが完成予想図ですが、緑色の部分は壁面緑化です。敷地の面積が大きいため、区の条例で緑化の条例に適応する必要がありました。しかし、敷地目一杯に建物を建てましたので、緑地に使う分が少し足りなくなり、壁も使いながら緑化を図りました。実際に、1・2階の保育園の運営事業者様が他の保育園に見学に行かれた中に壁面緑化を使った建物があり、同じようなかたちで緑を入れたいというお話をオーナー様からいただいていました。最近では、壁面緑化もよく見られるようになりました。
壁面緑化は、壁から少し離したところに金網のようなものを設置して、金網の一番下から蔓を這わせていきます。
内装は大和ハウス工業のD-roomと同じ仕様で、外観は全面的にタイル張りにしています。
長期的な契約によりリスクを抑える
今回のポイントは、単なる賃貸住宅にしなかった点にあります。オーナー様は、東京都であっても人口は将来的には減少するだろうとお考えになり、今から30年、35年とローンを組んだ場合、将来的に家賃が下がることを心配されていました。実際、近隣の地域では古い建物の1Kで空室が少し出ています。そのためリスクをなるべく抑えたいというご要望でした。
そこで目をつけたのが保育所でした。保育所のニーズはこれからも増えていくでしょう。また、認可保育所にすると、東京都、行政が認めた事業になります。契約期間から20年間、1・2階の部分はオーナー様と運営事業者で契約をとり、その間は認可保育所の家賃は下がらず、固定した収入が毎月入ってきます。また、3・4階の1Kの部分は、一般の賃貸住宅とはせずに、1・2階の保育所の運営事業者さんの保育士の寮として使用します。こちらも20年間固定で賃料を得ることができます。実際の相場と比較して少し安い賃料だとしても、20年先まで安定した経営ができるようにリスクを抑えることができました。このリスクに対する活用方法は、オーナー様にも非常に気に入っていただけました。
吉崎:保育所が20年間一括借り上げしてくれているようなかたちです。大和ハウス工業は、このような複合的で多様な提案も得意とされています。現在、保育所も不足していると聞きます。大和ハウス工業さんにも問い合わせが多いのではないでしょうか。