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コラム vol.226
  • 不動産市況を読み解く

集合住宅の建築費は高くなっているのか?建築費と不動産市況を読み解く重要性について

公開日:2017/12/25

2017年も残りわずかとなりました。 今回のコラムは、集合住宅の建築費について考えてみたいと思います。建築費の推移を見定めることは不動産市況を読み解くこととともに、これから土地活用を行い、賃貸物件を建築することを検討している方にとって重要なことになります。

市況を読み解く重要性

土地活用をお考えの方にとって不動産市況を読み解くことは大変重要になります。
「いまが、土地活用のタイミングか?」を検討する際には、土地オーナー様がおかれている状況(例えば、相続の発生、税務対策・・等)が第一検討要因になると思いますが、それに加えて「いまの不動産市況はどうか」も大きな検討要因になります。
土地活用を行い、なんらかの賃貸住宅を建築する際に気になるのは、「賃料」と「空室」です。これらを大きく左右するのが不動産市況です。いくら、良い物件を建てても、市況が悪ければ、想定の賃料を下回るかもしれませんし、市況が悪ければ空室率も高まります。一方、不動産市況が良い時は、新たに不動産価格は上昇していますので、新たに不動産を建築する(購入)際には、慎重に検討しなければなりません。

さらに、建築費の高騰も気になるところです。以下、建築価格について述べていきます。

大規模集合住宅の建築費はどれくらい高くなったのか?

建築費の高騰が言われ始めたのは、2011年に起こった東日本大震災の復興工事が本格的に始まった頃です。
復興工事に人員がとられて、2012年頃から、建設業従事者の不足も指摘されるようになりました。さらに、原材料費の値上がりに起因する建築費の値上がりも危惧されはじめました。加えて東京オリンピックが2020年に開催されることが決まり、その関連施設工事が始まった2014年あたりからは、もう一段階の人手不足が叫ばれ始めました。

大規模集合住宅※の建築費指数推移(東京、2005年=100)

※大規模集合住宅…鉄骨鉄筋コンクリート造 延床面積10,000m² 10階建エレベータ付

(財)建設物価調査会「建設物価指数」より作成

上図は、大規模集合住宅の建築費指数の推移のグラフです。(東京の指数、2005年=100)
ここで扱っているのは、SRC(鉄筋鉄骨コンクリート造)物件で、延床1万㎡、10階建て、エレベーター付き物件の想定での指数です。こうした物件は「大型」の部類に入ると思いますが、ここではトレンドを掴んでいただくために、財団法人建設物価調査会が公表しているこの「建設物価指数」を取り上げます。

2011年から2015年までの5年間、集合住宅の建築費は上昇を続けます。2011年の指数が98で2015年の指数が115ですので+17ポイント上昇しています(実際の建築価格ではなく、あくまで指数です。)

しかし、昨年(2016年)からは、この指数が低下し始めています。
下がっているのは指数ですので、実際の価格がどれくらい下がっているかのデータはここにはありませんが、ピークは打って、価格が落ちつきはじめていると想像されます。
きっちりと不動産市況を見定めることとともに、建築費の動向を知り、ベストタイミングで土地活用が行えればいいと思います。

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