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コラム vol.214
  • 不動産市況を読み解く

最新データ公開!相続税に重要な指標となる路線価

公開日:2017/08/28

2年連続のプラス!2017年路線価発表

7月3日に国税庁から路線価が発表されました。
全国平均路線価は前年比0.4%のプラス、2年連続の上昇となりました。しかし、都道府県別にみると下落が続くところもあり、二極化が広がっています。

各都市の最高地点における路線価(1m²当たり)の増減率推移

(国税庁資料より作成)

上図は、3大都市の各都市の最高地点における路線価(1m²当たり)の増減率推移を示したものです。大都市の主要地点では4~5年連続してプラスになっていることがわかります。

路線価は、3月下旬に発表される公示地価とともに、不動産市況を知るためには重要に指標となる価格です。不動産を相続した際の相続税や贈与の算出基準となるのも、この路線価です。

土地の一物四価とは?

土地は「一物四価」と言われています。四価とは、「実勢価格」、「公示地価」、「相続税路線価」、「固定資産税評価額」のことです。基準日や所管は以下の通りです。

土地の一物四価

  評価時点
(公表日)
所管 用途 目安
実勢価格        
公示地価 毎年1月1日
(3月下旬発売)
国土交通省 公共用地取得価格の算定基準 実勢価格の90%
路線価 毎年1月1日
(7月1日発売)
国税局 相続・贈与時の土地の算定基準 公示地価の80%
固定資産税評価額 1月1日
(3月or4月に発売)
市町村 固定資産税・登録免許税等の算定基準 公示地価の70%

実勢価格とは、いわゆる「時価」で、市場において実際に取引される価格を指し、売主と買主の交渉で決まります。

公示地価は、地価公示法に基づいて、毎年1月1日において、標準地を選定して「正常な価格」を判定し公示するものです。実勢価格の90%が目安となります。地価公示法では、一般の土地の取引は公示地価を指標とするよう努めなければならないとされています。
次に、路線価は、相続税および贈与税の算定基準となる土地評価額で、公示地価の8割程度が目安となっています。相続税路線価は、土地全体の価格を示すのではなく、面する道路の価格を示します。該当土地に接している道路に付いた価格に、土地の面積を掛け合わせることで、相続税を計算する際の評価額を求めることができます。
最後に、固定資産税評価額は、固定資産税や不動産取得税、登録免許税など不動産関連の税金の計算の基準となる価格です。毎年ではなく、3年に1度、価格が見直されます。目安としては、公示地価の70%と言われています。

注:価格の割合は目安です。

路線価の適用と活用

路線価はその年の1月1日時点で算出されます。この路線価(=財産評価基準)は、平成29年1月1日から12月31日までの間に相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用されます。

先に述べたように公示地価は土地取引の指標となりますが、すべてのエリアを網羅しているわけではありません。国土交通省が全国に定めた地点(標準地)を対象にしており、つまり、代表的な地点のみの価格なのです。
一方で、路線価は公示地価より多くの地点を設定しており、調べたい場所の価格をよりピンポイントで知ることが出来ます。

皆様のお持ちの不動産の路線価については、詳しくは、http://www.rosenka.nta.go.jp/を見ていただくと、各地点の評価額をみることができます。ご活用ください。

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