最新データで読み解く
賃貸住宅経営はどんな方が行っているのか?
公開日:2016/07/28
賃貸住宅の経営はどんな方が行っているのだろうか?
これを、新設貸家(賃貸住宅)着工数をもとに考察してみたい。
新設貸家着工戸数における 各建築主の割合推移(全国)
国土交通省「住宅・土地統計調査」より作成
上の図は1996年から2015年まで約20年間の、新設貸家着工戸数における各建築主の割合推移を示している。この表は、実数字でなく、割合であることに注意していただきたい。例えば、2013年14年あたりの個人の割合は減っているが、実数字は増えている。
これを見れば分かるように、圧倒的に多いのは、一般個人の方々で、70%前後で推移している。しかし、割合でみると、2005年~2006年や2012年~2014年などは、個人が減って会社の割合が増えている。
このように、企業が行うCRE戦略の一環としての賃貸住宅経営は、景気に左右される面が大きいことが読み取れる。景気が良くなると、これを機に借り入れを行い、賃貸住宅を建てて、賃料という比較的安定な収入を確保したいという思惑が働くのだろう。
一方、国や地方公共団体などによる公的な賃貸住宅の建設は、近年少なくなっている。昭和40年代50年代は、国だけでなく、ほとんどの県、多くの市町村などが、こぞって県営住宅、市営住宅・・などを建設し、優良な賃貸住宅を供給してきた。しかし、それも今は昔の感がある。その一方で、こうした時代に建てられた老朽化した賃貸住宅のうち、引き続き需要が見込まれる立地の物件は建て替えが進んでいることも見逃せない。