CASE13
高齢者住宅
住宅型有料老人ホーム すこやか/院内保育所 わらべ保育所
- 所在地:
- 岐阜県岐阜市
- 構造:
- 鉄骨造
- 延床面積:
- すこやか1,576m2/わらべ保育所206m2
- 竣工:
- すこやか2018年6月/わらべ保育所2018年3月
- 用途:
- 住宅型有料老人ホーム(30室)、デイサービス(45名)、ヘルパーステーション、介護保険相談センター、認可保育所(職員枠20名、地域枠10名)
岐阜県岐阜市において、50年以上に渡り、地域に密着した幅広い医療・介護事業を展開されているのが医療法人岐阜勤労者医療協会様。
周辺地域では高齢者住宅が不足しており、自宅に戻ることが困難な退院患者様の多くがご苦労されているという状況を受け、法人にとって初めての高齢者住宅事業となる住宅型有料老人ホームを開設されました。
計画のポイント
医療・介護との連携を高めた住宅型有料老人ホームを開設
法人およびグループの社会福祉法人が運営する医療・介護施設が集中したエリア内に、住宅型有料老人ホーム「すこやか」を開設。デイサービスなどの在宅支援機能を併設し、法人の訪問診療・看護サービスとの連携も強化。医療依存度の高い方の受け入れも可能となっています。
1階に併設されたデイサービスセンター「すこやか」(定員45名)。現在、1日平均33~34名の利用があります。
院内保育所を地域型保育事業の認定保育所として移転・新築
院内保育所「わらべ保育所」は、移転新築を機に地域型保育事業の認可保育所となりました。定員は、職員枠20名、地域枠10名。細かなところにまで安全性に配慮するとともに、子どもたちが楽しく過ごせる施設となっています。
住宅型有料老人ホームと保育所の共有スペースとして設けられたミニ公園。季節を感じられる憩いのスペースとして人気を集めそうです。
幼老交流と地域交流を育む新施設
住宅型有料老人ホームと認可保育所が一つの敷地内に建設されることで、子どもたちと高齢者の日常的なふれあいを演出。さらに敷地内のスペースは、法人が主催する地域のイベントにも活用するなど、地域貢献の場としても期待されています。
2施設は、敷地を効果的に使い、中央部分の駐車スペースを「地域交流の場」として活用できるよう、建物配置されています。
お客様の声
新たな試みを施設面からサポートしてくれる、
住宅型有料老人ホームが完成しました
医療法人岐阜勤労者医療協会 専務理事 土井 正則様(右)
住宅型有料老人ホーム すこやか 施設長 湯本 純一様(左)
今回、住宅型有料老人ホーム「すこやか」の開設を計画したのは、在宅復帰への取り組みをより進めていきたいという思いからです。しかしながら、自宅での生活が困難な高齢者はたくさんおられます。「住み慣れた地域で安心して暮らしていただこう」と、4~5年前より構想を練ってきました。
大和ハウス工業さんは、提案内容もさることながら、契約後や施工中においても私たちの細かな要望にていねいかつスピーディに対応いただきました。特に保育所は、保育士の目線で細かなところまで逐一チェックが入り、さまざまな要望が出されたようです。もちろん、両施設とも出来栄えについて、私たちはとても満足していますし、行政や関係機関の方々からも“建物の質”について高い評価をいただいています。
住宅型有料老人ホームと保育所の敷地内の配置に工夫し、中心の駐車場スペースを“地域住民が集える場”として活用できるようにしました。この配置にしたことで、施設から子どもたちが園庭で遊んでいる姿が見えるようになっています。また、両施設の間に芝生を敷いた共有の公園スペースを設けました。天気の良い日などに、外に出た入居者の方がベンチに腰掛けて子どもたちと触れ合う、などということも想像しています。さらに保育所の建物には、子どもの視線の高さに窓が設けられているので、子どもたちと入居者様や利用者様の“ガラス越し交流”も見られるかもしれません。
住宅型有料老人ホーム「すこやか」は、訪問診療に定評がある「みどり病院」との連携をポイントに、当面は医療依存度の高い方が対象となると思われます。ある程度自立できる方には、グループの社会福祉法人みどり福祉会が運営するケアハウスがありますし、もっと要介護度が上がれば、少し場所は離れるものの特別養護老人ホーム(運営:同みどり福祉会)があります。当施設は、その中間の役割を担っていくでしょう。
また、機能強化型への移行が進む老人保健施設の在宅復帰先として、いま地域では高齢者住宅への注目度が高まっています。
また今回、住宅型有料老人ホームという“高齢者の住まい”をつくり、そこに訪問介護や訪問看護、通所介護が連携し、法人全体で支えていくという事業に初めて取り組みました。一定の経験を積んでいくことで得られたノウハウを、自宅で暮らす高齢者のケアにも活かしていくことが、今後追求していくべきテーマだと考えています。実際、定期巡回随時対応型訪問介護看護の認可を視野に入れており、そういった意味でこの高齢者住宅事業は、法人の将来にとって重要な事業展開の礎となるでしょう。