「旅するように暮らしを楽しむ」を
コンセプトに、
ラグやテキスタイルを展開する
インテリアブランド、
Katsuki Connection
(カツキコネクション)。
テキスタイルデザイナー・香月裕子さんが、
使う人のクリエーションを呼び覚ますことを
テーマに手掛けた新作を紹介します。
2023.11
2021コレクション「呼応の間/あなたのクリエーションが開花する旅 Vol.2」から、折り紙をモチーフにした「呼応の間」シリーズ。日本の伝統色を使った落ち着きのある色合いと、想像力をかき立てる自由自在な形が特徴。遊びの原点、クリエイトする喜びを感じる作品に。
テーマは「時空を超えた旅」
新作は、遊び心にあふれたラグ
新シリーズは「呼応の間/あなたのクリエーションが開花する旅」として2017年、2021年の2つのコレクションで展開しています。きっかけは明治記念館での仕事で、日本古来の文化に触れたことだそう。「湖に船を浮かべて歌を詠む」ような、そんな雅な情景にインスピレーションを受けたと言います。
「月を愛でたり、舟遊びをしたり。1枚の紙に願いを込めて折り紙をしたり。そういったことに、いにしえの頃の人々の遊び心を感じたのです。雅な遊びを楽しむことで、暮らしのなかに豊かさを求めていた、そんな情景が浮かびました」と香月さん。そこから生まれたのが2017年のコレクションで、太陽と月、八咫烏(やたがらす)とその陰、空と海など、相反しながらも呼応することで広がっていくものをモチーフにしています。
さらに2021年には、「紙」をモチーフに、折り紙や和紙を感じさせるデザインで、「呼応の間」「静寂の間」「祈りの間」という3つのシリーズを含むコレクションを発表しました。
なかでも「祈りの間」シリーズは、海外でも評価され、世界三大デザイン賞の一つとされているドイツ「iF DESIGN AWARD」のプロダクト部門〈テキスタイル・ウォール・フロア〉を受賞。また、イギリスのデザイン誌『Wallpaper* magazine』が主催する「Wallpaper* Smart Space Award 2022」の生活を豊かにする物品またはサービス部門を受賞しました。
「旅というテーマはずっと自分のなかにある」という香月さん。新作では場所に留まらず、いにしえの人々の遊びの情景に出合うような「時空を超えていく旅」をイメージしたそう。「そこにいるけれども時空が違うような、もっと深い部分で楽しめる作品をつくりたいと思ったんです」。使う人のイマジネーションが高まり、さらにワクワクする暮らしがつくり出されていく…。ラグと呼応して素敵な旅を始めてほしい、そんな思いも込められています。
テキスタイルデザイナー・香月裕子さん。2011年にブランドを立ち上げ、ラグやテキスタイルを展開。ホテルや商業施設などのプロジェクトや国内外での展示会にも出展。
自由に自在に
組み合わせて楽しめるコレクション
2021コレクションのラグはセットもありますが、自由にそれぞれを組み合わせて楽しめるのが特徴です。「新月」や「三日月」「短冊」など、大きさも形もさまざまなラグに、三次元ラグ「己」「空想」などを組み合わせて、立体的に空間をつくることもできます。
「ラグは自由に配置を変えられるし、三次元ラグはブロックのおもちゃのように置き変えて楽しめます。なかには毎年、1枚ずつ買い足しながら楽しまれている方もいらっしゃいますね」。以下に続く写真はコレクションのラグにインスピレーションを受けて、自由にコーディネートしてみました。
3つのラグと立体的なラグを組み合わせて、お茶の時間も楽しいムードに。
左から、ラグ(三日月・400×800mm)48,873円、ラグ(鹿・600×1600mm)129,745円、ラグ(新月・600×1200mm)44,418円。奥の三次元ラグ(己・生成色・W400×H430×D400mm)247,225円。
段差を付けたり、色を少し変えて、折り紙の折り目をイメージ。
パズルやおもちゃのように3つのラグを並べて、楽しい空間に。
左から、ラグ(三日月・400×800mm)48,873円、ラグ(屋根・600×1200mm)78,298円、ラグ(鹿・600×1600mm)129,745円。奥のアートパネル(陰影・W720×H720×D30mm)165,000円。
形の面白さを楽しんで。深みのある色は日本の伝統色を使用。
立方体のラグに座り、足元にもいろんな形のラグを敷いて。話も弾みそうな、楽しい集いの場に。
左から、ラグ(三日月・400×800mm)48,873円、ラグ(短冊・290×1100mm)72,193円、ラグ(新月・600×1200mm)44,418円。両側の三次元ラグ(空想・生成色・W800×H330×D400mm)各254,650円。
中央のラグは紙の短冊をイメージ。折り返し部分は色違いに。
三次元ラグは木製の箱の側面にペーパーコードを貼った板をはめこんだ、腰掛けられる立方体のラグ。上面を開けて中に収納もできる。
リセットするための空間には
モノトーンの組み合わせを
色や形の組み合わせが楽しい2021コレクションには、シンプルなコーディネートもあります。白いラグを和紙に見立て、そこに筆で墨を落とす、そんなイメージでつくられた「筆あそび」は、コレクションの中でも人気の1枚だそう。書に通じる、心を落ち着かせる空間ができあがります。
「ときには自分と呼応しながら、自分をリセットする、内省するための時間を持つこともありますよね。ここでは、次に進んでいくための静寂の時間を過ごしてほしいなと思います」
黒い半円は物事の始まりやリセットを意味する「新月」がモチーフ。テクスチャー感のある強撚糸を使用し、ほかのラグとは異なる表情に。左のクッションは手すきの越前和紙を使用。白いクッションには折り紙のやっこさんが付いている。
左から、ラグ(筆あそび・2200×1400mm)279,752円、ラグ(新月・600×1200mm)44,418円。奥の三次元ラグ 左から(空想・生成色・W800×H330×D400mm)254,650円、(己・生成色・W400×H430×D400mm)247,225円。クッション(下・七変化・W430×H430×D180mm)(上・分身・W290×H480×D170mm)各22,000円。
墨象のような柄は黒い糸で緻密な技で描かれている。
モチーフの折り紙にちなんで、段差で折り返しを表現。
column
ウールのラグのお手入れ
遊び毛は汚れ防止に有効です
●ウールのラグの遊び毛
ウールは遊び毛が出てお手入れが大変そう…と躊躇される人もいますが、「遊び毛が汚れ防止に一役買っている」と香月さん。「お寿司屋さんが使い込んだまな板を削ってきれいにするように、遊び毛ごと掃除機をかけることで、きれいな状態を保つことができます」。むしろ遊び毛があることで、汚れが取れやすくなるといえます。
●たとえば赤ワインをこぼしたら!
ウールは撥水性があるので、すぐに吸い取ることが重要。「私はキッチンペーパーを使いますね。すぐに当てて、こすらずにそっと吸い取るのがコツです」。その後、濡れタオルなどを押し当てては吸い取るを繰り返すとよいそう。「少し残った場合も遊び毛ごと吸い取れば徐々に消えていくので、最終的にやはり掃除機をかけるのが一番のお手入れ方法です」
ウールの遊び毛は半年から1年にかけてよく出るといわれる。掃除機で汚れと一緒に吸い取るとよい。
東京アトリエ&ショールームでは新作シリーズの作品がそろい、実際に見ることができます。オーダーメードにも対応。完全予約制。
Katsuki Connection(カツキコネクション)
東京アトリエ&ショールーム
東京都世田谷区尾山台
tel.03-6903-5822
11:00~19:00 日曜・祝日・年末年始休み
※ショールームは完全予約制です。事前にご確認ください。
www.katsukiyuko.com
※表示価格は消費税込み2023年11月現在。
詳しくはカツキコネクションのウェブサイトをご確認ください。