暮らしにいいものを探して vol.7上質な眠りで
豊かな暮らしを育む［後編］

心地よさを実感！
自分に合った寝具を体験する

宿泊睡眠体験では専門スタッフによる睡眠カウンセリングを受け、寝具の提案を受ける。試しながら、快眠のためのアドバイスも。

「幸せな睡眠は、幸せな人生をつくる」をモットーに、海外のトップメーカーの原料や製品を直接仕入れてオリジナル仕様の寝具を手掛けるISHITAYA。石川県・金沢にある本店gamadanのショールームにはゲストルームがあり、本格的な寝具体験ができるようになっています。

「たとえばマットレスは、なかなか買い換えができませんよね。高額ですし、かさばるし。だから、買うときにちゃんと確認してほしい。言葉だけではなくて納得していただくことが大切だと思ったんです」と社長の田中陽雫美さん。2015年にオープンした体験型ショップgamadanでは、睡眠カウンセリングを行い、実際に選ばれた寝具でひと晩眠れる体験を実施しています（予約制）。

まずヒアリングでその人の睡眠状況を確認。寝つきが悪い、腰痛があるなど、眠りに関する悩みなどもじっくり相談できる。

ヒアリング時には、質問に答えて「眠りのカルテ」を作成。その人に合わせた睡眠環境についてアドバイスが受けられる。

体に合った寝具はストレスフリー！
心地よい状態を知ることから

「特に敷き寝具は実際に寝転んでみること。手で触れたり、腰掛けるだけではわかりません」。足まで上げて寝姿勢をとると腰の位置などが確認できます。「敷き寝具は体の凹凸をしっかり吸収できることが大事なんです。そのためには、ある程度のやわらかさが必要。特に、一番過重が加わるのが腰なので、腰の位置が浮いてても沈み過ぎてもだめ。ちょうどいいポジションに保持できることが理想です」

逆に体の凹凸をうまく吸収できないと、飛び出た一点に体重圧がかかることになり、それを回避するために寝返りを繰り返すことにつながるそう。「本来、寝返りは寝具が合っていれば軽く動くくらいのことで、ごろんごろんとかなりの回数動くのは寝る体位を変えている、すごくストレスのかかった状態なんです」

そこでISHITAYAが提唱するのが「敷き寝具を重ねてミルフィーユ状態にすること」。重ねることで、その人に適した状態に整えることができるといいます。「素材もいろいろあるので予算も踏まえたうえで、どの組み合わせが一番しっくりくるのか、試しながら探っていってほしいと思います」

実際に、取材時に試したのはウッドスプリングに馬毛のマットレスとベッドパット、ムートンの敷き寝具の組み合わせ。寝てみると驚くほどすんなりと体が吸収されて、でも腰はしっかり支えられ、包まれるような感覚に。羽毛の掛け布団の薄さと軽さにも驚かされます。「仰向けになることで呼吸も楽になります。ストレスのかからない心地よさはぜひ体験してみてほしいですね」

2階の体験型ショールームでは敷き寝具からシーツや枕まで寝具がそろい、自分仕様の組み合わせを提案してもらえる。

ISHITAYA社長・田中陽雫美さん。
自らの体験を基に快適な眠りの
ための寝具を提案。

寝室は眠るため
だけの部屋に

照明は蛍光色を避け、電球色のやわらかいスタンドなどで調整。「できれば遮光カーテンを使わず、自然光の明るさで目覚めるのが理想的です」。ISHITAYA本店gamadanのゲストルームではテレビなどもなく、眠ることに集中した室内環境が整えられている。

パジャマも
快眠仕様で

パジャマはなるべく締め付けのない、薄手でリラックスできるものを選ぶのがポイント。「パジャマも質の高い天然素材を選んで。シルクは保温力があり、肌への親和性が高いのでおすすめです。一度試してみてほしいですね」。オリジナルのシルクパジャマ52,800円。

ISHITAYA本店gamadan。手前の建物内にダイニングがあり、ランチは一般の利用も可能。奥の建物の1階では企画展なども開催。2階に体験型ショールーム、地下に試泊ができるゲストルームがある。