イタリア高級家具のトップブランド、Cassina(カッシーナ)。
創業から90年以上、長きにわたって世界的に支持されるカッシーナの家具には、
デザイナーたちの想いや職人のこだわりが息づいています。
日本でカッシーナの独占代理店契約を結ぶカッシーナ・イクスシーに、
その魅力と、本物に囲まれて暮らす豊かさについて伺いました。
伝統と革新が生む時代を彩る名品たち
住まいを彩る家具には、それぞれがたどってきた歴史があります。特にマスターピースと呼ばれる家具には、それを手掛けた人々の思いや時代背景など、知るほどに愛着が増すストーリーが宿っています。
イタリア家具の最高峰ともいわれるカッシーナ。その起源は1927年にさかのぼります。木工職人のウンベルトと、その弟でインテリアデザイナーだったチェーザレ兄弟が木工家具の工房を設立しました。当時、家具は注文生産が一般的でしたが、単一のスタイルやシンプルな形状を採用し、いち早く工業生産を見越したアプローチを開始。彼らの鋭敏な感性とシンプルかつ高品質なデザインが人気となり、1946年には大量生産へと乗り出します。ここに、「伝統と革新」を掲げる同社の挑戦が始まったのです。
カッシーナが今日まで世界中から評価され続けてきたのには理由があります。それは、高い技術力のある職人と、著名な建築家や外部デザイナーとのコラボレーション。伝統的な技術と革新的なデザインが高い水準で交わることで、素晴らしい家具を生み出してきたのです。
1964年には近代建築の巨匠ル・コルビュジエがデザインした一連の家具の製造を正式に認可されたことから、カッシーナを代表する「イ・マエストリコレクション」が誕生。フランコ・アルビニらモダニズム時代の著名な建築家たちが作り出した傑作の数々を復刻製造し、世に送り出してきました。これらの傑作たちは時代を超えて受け継がれ、愛され続けています。現在も世界の主要なデザイン美術館でカッシーナのマスターピースがコレクションされています。
「本物」を生み出すことへの矜持(きょうじ)は刻印に表れています。イ・マエストリコレクションのすべての製品には製造シリアルナンバー、作者の署名、ロゴマークが刻まれ、最終的な品質チェックをクリアしたことを証するIDカードともに、それらがオーセンティックであることを裏付けています。
01. LC3 ソファ
(イ・マエストリコレクション)
1929年、ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンによる共同で生み出されたLCシリーズ。1964年に正式な認可を受けカッシーナでの製造が開始しました。パイプフレームにクッションを落とし込んだシンプルな構造は、時代を経ても色褪せないデザイン・機能性を備えます。黒革のイメージが強いかもしれませんが、発表当時から空間に合わせた特徴的な色使いがなされており、現在ではファブリックの張地にカラーフレームなどさまざまな組み合わせを楽しむことができます。
02. HILL HOUSE,1 / ヒルハウス,1
(イ・マエストリコレクション)
チャールズ・レニー・マッキントッシュが1902年にデザインしたヒルハウスチェア。梯子のようなハイバックで、椅子を座るだけでなく鑑賞するものとしても捉えた作品といわれています。最上部の格子(こうし)は日本建築の影響を受けたとされ、日本的な美しさも感じられます。オリジナルは今なお彼の代表建築「ヒルハウス邸」の寝室に置かれています。
03. TRE PEZZI / トレ ペッツィ
(イ・マエストリコレクション)
1952年、フランコ・アルビニにより発表されたパーソナルチェア。印象的なスチールパイプのカーブは、ミラノ地下鉄1号線の駅の手すりと同じ形状だとか。造形の美しさと、驚くべき快適性を同時に実現したシンボリックなデザインは、当時の都市の光景を彷彿とさせます。
04. MARALUNGA / マラルンガ
(コンテンポラリーコレクション)
ベストセラーのマラルンガ。プロトタイプはハイバックソファでしたが、より理想の形を追い求めた創業者のチェーザレ・カッシーナがその拳で殴りつけ、背を折り曲げたことから1973年に生み出されました。背もたれをハイバック・ローバックに変更できる機能と、美しい多面的なデザインは、発表から50年近く経った今なお人々を惹きつけています。
05. CAB / キャブ
(コンテンポラリーコレクション)
マリオ・ベリーニがペン1本を片手に工場に赴き、職人との対話の末に生まれたというキャブチェア。人間の体の延長としてしっくりと馴染むよう、メタルフレームに厚革のジャケットを着せた画期的なデザインです。独自の厳しい水準をクリアしたなめし革は、使い込むほどに体にフィットし、味わいを深めていきます。
高い品質と完成度を支える
クラフトマンシップ
カッシーナには「イ・マエストリコレクション」を含む3コレクションがラインアップされています。一つはヴィコ・マジストレッティやマリオ・ベリーニといった現代を代表するデザイナーとのコラボレーションによる「コンテンポラリーコレクション」。もう一つはカッシーナと同様にイタリアンデザインの歴史に貢献してきたシモン社の作品を受け継いだ「シモンコレクション」です。
カッシーナは伝統的技術と革新的発想で、その時代ごとにエポックメイキングな作品を発表し続けてきました。そこには、デザイナーと職人たちの並々ならぬこだわりが詰まっています。製品に使用する布や革は、独自の厳しい基準によって徹底した選別・管理がなされ、熟練の手によって加工が施されます。また、高品質な製品を日本国内で安定して提供するため、一部製品はカッシーナ・イクスシーが国内生産ライセンスを取得。自社工場で一つ一つ丁寧に作られ、お客さまのもとへと送り出されます。素材から製造に至るまでの気高いクラフトマンシップが、カッシーナの家具作りを支えているのです。
これらのコレクションは発表当時から時代を経て、安全性や耐久性を考慮した新技術や新素材を取り入れ、常に進化しています。職人の技と最新のテクノロジーの融合を図りながら、歩みを止めない技術開発が、カッシーナを業界のリーディングカンパニーたらしめてきたのでしょう。多様化するライフスタイルに合わせながら、長く使い続けられるサステナブルかつ美しい製品が生み出されているのです。
日々磨かれ進化を続ける職人の技がカッシーナの名品家具を支えます
日本の暮らしにイタリアの美を
カッシーナ製品の日本での展開に話を移しましょう。1980年、カッシーナ製品を日本の暮らしに取り入れたいと日本国内での独占販売契約を結び、現在のカッシーナ・イクスシーが誕生しました。
カッシーナでは実現できない部分をオリジナルブランドで補い、住まい全体の空間づくりを行うことが可能に。例えば、都会暮らしを想定したコンパクトなラインアップをリリースするなど、日本の住環境やライフスタイルに合わせて展開しています。置き家具だけでなく、ファブリックや照明、雑貨、アートなどを扱うイクスシーでは、カッシーナの世界観とマッチしたトータルな空間づくりが実現できます。
SieMatic:グループ会社の扱うドイツ製キッチン「ジーマティック」。LDKの境目を感じさせない、トータルなコーディネートが可能に
好きなものに囲まれて暮らす豊かさを
昨今、コロナ禍の影響もあり、家で過ごす時間がこれまで以上に重視されるようになりました。心ときめく名品に囲まれ、住空間を快適に整えることは、人生に豊かさをもたらす要素として重要性を増していくでしょう。
カッシーナの家具は、その美しい佇まいに加え極上の快適さをもって、住まいでのひとときを格別なものにしてくれます。デザインに惚(ほ)れ込んで購入するのはもちろん、その家具とともにどう暮らすかを想像して選ぶのもお勧めです。リビングでゆったりとくつろぎたいなら、横たわって全身を預けることができる奥行きあるソファを選びましょう。ライフスタイルに合わせて検討することで、永く愛せる一品に出合えるはずです。
ソファに腰かけ一息つく時、ふとチェアの背に手を触れた時。そんな些細(ささい)な一瞬に、本物の家具と暮らす喜びを感じられるでしょう。時代を経ても色あせない名品だからこそ、何十年も使い続けることができるのです。日々のメンテナンスも愛着を生み、思い出が染み込む一生ものの家具として育っていくでしょう。
暮らしのパートナーとして、名品に触れてみてはいかがでしょうか。
BIRD:イクスシーの2020年の新作ソファ。250通り以上もの組み合わせが楽しめ、部屋の大きさやライフスタイルなど、希望に合わせてさまざまな使い方ができる自由度の高い製品です
FLAGSHIP SHOP
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2020年9月現在の情報となります。