大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

土地活用ラボ for Biz

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コラム No.42-2

CREコラム

アジアに広がるグローバルコールドチェーン(2)コールドチェーンの課題と大和ハウス工業の取り組み

公開日:2017/12/27

POINT!

・IoTの技術によって、より正確なデータを把握することが可能

・「日ASEANコールドチェーン物流プロジェクト」が正式に承認される

グローバルコールドチェーンが東南アジアを中心に広がりを見せていることを紹介しましたが、まだまだいくつかの課題を抱えていることも事実です。

コールドチェーンの課題

製造から最終的な消費者まで、高品質のまま製品を届けるには、生産から加工、保管、流通まで、すべての過程において、徹底的な温度管理が必要となります。この過程の中で、一つでも温度管理ができなければ、すぐに品質に問題が出てしまうことになります。すべての工程において完璧な温度管理を行うには、これまでの商慣習など、変えることの難しい現実がまだまだ存在しているため、変えていくには時間も労力もかかります。
日本国内においても、出荷や保管において十分ではない実態もあり、東南アジア諸国においてはさらに難しい問題となります。

また、この完璧な温度管理は、当然ながらコストが非常にかかります。ですから、企業が自前のコールドチェーンを築くのはよほど十分な資金のある企業でない限り難しくなります。
さらに、東南アジアをはじめとする新興国などにおいては、道路、電気といったインフラや、冷蔵庫の普及など、社会的な基盤を整える必要もあり、コールドチェーンが普及するためには、国と民間が一体となった投資も必要です。

コールドチェーンとIoT

そこで注目されているのが、IoTの技術です。
IoT技術が進み、コールドチェーンの工程にも、データ・ロガーなどの装置を導入することで、製品の温度、周囲の気温、理想の温度との差、時間などの情報がリアルタイムに正確にモニタリングできますので、コールドチェーンのすべての工程において、より正確なデータを把握することが可能です。
さらに周辺光センサーや湿度センサーなどと組み合わせることでさらに正確な管理が可能になります。医薬品においては、徹底した温度管理が必要ですから、正確なモニタリングによる確実な製品管理へのニーズは今後さらに高まるでしょう。

国土交通省が進める「コールドチェーン物流の促進」

国土交通省は、交通大臣会合で、日ASEAN交通連携※1の枠組みの下で新たに「日ASEANコールドチェーン物流プロジェクト」が正式に承認され、いよいよ実行段階に入ったこと発表しました。

※1…2003年に創設された、交通分野における我が国とASEANの協力枠組。

これは、日本の高品質なコールドチェーンをアジア標準として広めていこうとする取り組みの一つで、ASEAN諸国(東南アジア諸国連合)の経済発展に伴うコールドチェーン物流に対する需要の拡大に対応するものです。
ASEAN諸国において生活水準が向上し、特に都市部で食生活の多様化が進む中、冷蔵庫や電子レンジの普及が進み、冷凍食品などの消費が大きく増えています。
しかし、ASEAN諸国では、物流品質はあまり高くなく、食の安全性の問題、輸送段階での食料廃棄率の問題、健康面、経済面の問題が少なくありません。
そのため、ASEAN諸国の物流品質向上に貢献し、さらに日本の農産物、水産物の輸出力強化を図るためにも、高品質な日本のコールドチェーン物流をASEAN諸国に普及、展開していく必要があります。
国土交通省は、コールドチェーン物流プロジェクトの中核に、ガイドラインの策定を掲げています。このガイドラインによって、日本のコールドチェーン技術を普及しやすくする狙いがあります。

インドネシア共和国ブカシ地区に、大型マルチテナント型物流施設「DMLPフェーズI-2」を建設

※完成予想図…設計図を基に描き起こしたもので、実際とは多少異なる場合があります。

大和ハウス工業とブカシ・ファジャール・インダストリアル・エステート(BEST社)との共同事業体である、ダイワ・マヌンガル・ロジスティック・プロパティ(PT Daiwa Manunggal Logistik Properti)は、インドネシア西ジャワ州ブカシ地区において、大型マルチテナント型物流施設「DMLPフェーズI-2」を2017年10月2日に着工しました。

大和ハウス工業は、インドネシアでは事例の少ない「コールドチェーン」対応の冷凍冷蔵機能を備えた物流施設やレンタル工場、マルチテナント型物流施設「DMLPフェーズI-1」の開発も手掛けました。
そして、マルチテナント型物流施設第2弾となる「DMLPフェーズI-2」は、延床面積約26,500m²で、隣接する「DMLPフェーズI-1」とあわせて、延床面積約50,000m²の広さを誇る物流施設です。「DMLPフェーズI-2」は、最大4テナントの入居が可能で、約5,000m²の区画から入居可能なマルチテナント型物流施設となっています。

東南アジア各国のコールドチェーン物流を含む物流インフラは、まだまだ万全といえる状況ではありません。東南アジア各国が日本企業の大きなマーケットとなっている現実を考えれば、今後、こうした施設へのニーズはさらに高まっていくでしょう。
大和ハウス工業は、発展を続ける東南アジア各国の生活水準の向上に寄与するために、また、日本国内の需要が伸び悩む中、東南アジア各国に活路を見いだしたい日本企業とともに、日本の優れたコールドチェーン物流が実現できる物流施設を提供していきます。

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