- 第1回:施工現場でのゼロエミッションへの挑戦
- 第2回:「住まいと健康」「環境・CSRの取り組み」
- 第3回:社会に支持される会社を目指して
- 第4回:社会に支持される会社を目指して
- 第5回:社会に支持される会社を目指して
- 第6回:社会に支持される会社を目指して
- 第7回:社会に支持される会社を目指して
- 第8回:大和ハウス工業が優先的に取り組むべき社会的課題
- 第9回:大和ハウス工業が優先的に取り組むべき社会的課題の解決に向けて
- 第10回:女性が活躍できる会社を目指して
- 第11回:エンドレスハートの価値を高める情報発信のあり方とは
- 第12回:創業60周年を迎えた大和ハウス工業が将来に向けて期待される役割とは
- 第13回:グループの総合力強化に向けて
- 第14回:Daiwa Sakura Aidの深化に向けて
- 第15回:まちの価値を、未来へ
-人と人、人と地域がつながり、未来へ続いていくまちづくり-
第7回 社会に支持される会社を目指して
頂いたご意見
エネルギー自給住宅への取り組み
次世代のエコ住宅“エネルギー自給住宅”について 当社では、家庭用リチウムイオン電池と情報通信技術等を用いて、生活の質を向上させながら、環境負荷ゼロ(CO2排出量、光熱費ともにゼロ)となる「エネルギー自給住宅」を目指すプロジェクトをスタートさせました。そこで、今回は「エネルギー自給住宅」など、未来のエコ住宅についてご意見を頂きました。
1. 当社で実証実験を始めた、「エネルギー自給住宅」(家庭用リチウムイオン電池と情報通信技術等を用いて生活の質を向上させながら、環境負荷ゼロ(CO2排出量、光熱費ともにゼロ)となる)についてのご意見やご要望をお聞かせください。
ご意見No.1-(1)
太陽光発電等は直流→交流→直流などの変換ロスがあるので、もう少し効率良く使えるようにメーカーと一緒に考えては?
回答
今後、電気製品の直流化が浸透してくれば、直流で発電している太陽光発電を交流に変換することなく利用できます。
また蓄電池の充電・放電も交流から直流の変換が必要なくなると考えられています。
充電のスマート化を図るなかで、パワーコンディショナー(電力制御装置)や充電・放電装置、家電機器などのメーカーとタイアップして電気の効率利用を追求していきたいと考えています。
ご意見No.1-(2)
消費電力が増大している原因のひとつは、家族構成の影響もあるのではないか。
その辺りを住宅メーカーとして考えては?
回答
ご意見をいただいたとおり、家庭におけるエネルギー使用量の増加は、日本の家族形態が変化し核家族化や単身世帯の増加によるところが大きいと考えられています。少子高齢化、孤独死、晩婚化などさまざまな社会問題と同様に、このような日本の家族形態の変化は、当社にとっても大きな課題です。
当社では、この課題の解決策の一つとして2010年7月に二世帯同居をテーマとした商品「xevoYU(ジーヴォ・ユー)」を発売しました。
二世帯同居世帯は経済面、環境配慮の点からも非常に効率的な家族構成です。
そのため、二世帯同居世帯で、それぞれの世帯にとって満足度の高い同居のあり方を、これからもご提案していきたいと考えています。
ご意見No.1-(3)
家電機器は簡単に買い替えが可能だが、住宅は高価なためそうならない。既存住宅の対策が必要。
回答
当社は、年間約1万戸となる戸建住宅を供給、既存ストックも約36万戸を有する立場から、住宅を「建てては壊す」のではなく社会の資産として循環利用していくことが重要と考え、「いいものをつくる」・「きちんと手入れする」・「長く大切に使う」という、住宅のライフサイクルを通じた取り組みを強化しています。
まず、当社が提供する住宅商品「xevo(ジーヴォ)」は、業界トップクラスの初期保証を実現し、「SumStock(スムストック)(※1)」の条件を満たしています。
スムストック住宅は、一般的な中古住宅とは異なり、50年以上安心して住めるようにつくられている構造躯体と、基本的な耐用年数が10~15年の内装や設備を分けて査定し、土地と建物の価格も分けて表示(※2)するため、建物の残存価値が適正に評価されます。
一方、住宅の既存ストックに対しては、「1年ごとの住まいの健康診断」や「10年・15年・20年の定期点検」を通じて建物の状況を把握し、必要なメンテナンス工事のご提案や施工を行うことで、構造躯体や防水・防蟻に対する保証期間を延長(※3)し、建物の長寿命化を推進しています。
省エネに関しても、太陽光発電工事などの環境対応リフォーム、オール電化工事などの省エネリフォームなどのご提案・施工を積極的に推進しています。
- ※1 SumStock…主要住宅メーカー9社が主体となり発足した“優良ストック住宅推進協議会”によって決められた条件を満たす「優良ストック住宅」
- ※2 土地と建物の価格も分けて表示…中古住宅の査定は建物全体方式とすることが多く、土地と建物の総額評価が一般的です。
- ※3 保証期間を延長…保証期間の延長は、10年・15年・20年の定期点検時に、必要メンテナンス工事(有料)を行った場合。
ご意見No.1-(4)
現在入居している住宅が省エネ住宅かどうかは誰も考えていないので、既存の住宅で現在どの位エネルギーを使っているかわかるような仕組みが大切である。(エネルギーの見える化)
回答
2011年2月現在、名古屋の八事展示場、埼玉の春日部展示場にて公開しているスマ・エコハウス」において、エネルギーの見える化と最適化を目的とした「D-HEMS(ディーヘムス)(※)」を検証中です。
これはエネルギー消費量や太陽光発電による発電量などが、わかりやすいイラストで表示されるシステムです。
今後はこれらの展示場にて、お客さまの意見を反映しながら、「D-HEMS(ディーヘムス)」の商品化を検討していきます。
※D-HEMS(ダイワ・ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)…太陽光発電システムや燃料電池、蓄電池などのエネルギー設備と連携させ、住まい手の暮らし方に合わせて家庭内のエネルギーを最適に制御する当社オリジナルのエネルギーマネジメントシステム。
ご意見No.1-(5)
快適な生活を続けられ、且つ省エネができるような提案(情報発信)を消費者は期待しているのではないか。
回答
ご意見をいただいたとおり、当社でも省エネの情報発信は重要なご提案のひとつであると考えています。
また、今後は設備機器だけに頼るのではなく、住まい手が自らエネルギーを節約する気付きとなるような、省エネアドバイスのサービス提供も重要になると思います。
当社では、そのために必要な情報やサービス提供について、例えばエアコンのフィルター掃除が省エネにつながるといった基本的な知識に加え、実際に測定した消費電力を分析し、「どの家電・設備機器をどう使えば省エネにつながるか」といった具体的なアドバイスを提示できるシステムの検討を進めています。
ご意見No.1-(6)
エコポイントのように何かメリットが無いと省エネの推進は難しいので、住宅メーカーとして顧客にメリットのあるものを提案しなければいけない。
回答
ご意見をいただいたとおり、当社でも経済的なメリットがないと、お客さまの省エネ行動には繋がりにくいと考えています。
現在、商品化を検討している当社オリジナルエネルギーマネジメントシステム「D-HEMS(ディーヘムス)」では、太陽光発電システムで創られる電力を家庭内で消費させる「ecoモード」と、創った電力を全て売電し、家計を助ける「おサイフモード」を設定しています。
住まい手が2つのモードから自由に選択できるようになっており、お客さまのライフスタイルに合わせた省エネ機能の開発を進めています。
ご意見No.1-(7)
提供した設備については、説明書を渡すだけではなく、効率的な使い方や住まい方に合わせた説明をして欲しい。(特に高齢者はわからない)
回答
当社では、お引渡しする際に担当者から各設備の説明をしています。
また、お住まいになってからも使い方が分からない設備に関しては、24時間お問い合わせいただくことが可能な「お客様センター」がありますので、お気軽にご相談いただけます。
さらに、お住まいになられてから、1ヶ月目、6ヶ月目、1年目、2年目と無料の定期点検もありますので、その際にも担当者にご相談いただけるサービス体制を整えています。
ご意見No.1-(8)
先進的な住宅の開発も重要だが、コストは相当改善していかなければ普及は難しい。
回答
ご意見をいただいたとおり、太陽光発電や蓄電池など、先進的な環境技術はコストがかかります。
当面は国の補助やエコポイント、当社からの補助やサービスなどによる市場拡大策が優先課題と考えていますが、今後は、それぞれの技術の量産化による大幅なコストダウンが期待できます。
当社としては、環境技術をお客さまにとって経済的にもメリットのあるかたちでご提供していきたいと考えています。
ご意見No.1-(9)
SMA×Eco HOUSEのデータは都市部、山間部など様々な気象条件に分けて算出し、消費者へ提供して欲しい。
回答
商品化の際には、可能な限り立地条件に配慮したシミュレーションデータを提示できるようにいたします。
ご意見No.1-(10)
賃貸住宅で実際にSMA×Eco HOUSEを賃貸した入居者からデータの提供を受ける方法もあるのではないか。
回答
現在はまだ試作段階の技術であり、展示場で実証試験を始めたばかりです。
そのため実際にお客さまに体験(生活)していただくには、もう少し時間がかかると考えています。
まずは展示場で実証・検証をした後、社員宅もしくはモニターをお願いして検証を重ね、商品化へつなげていきたいと考えています。
ご意見No.1-(11)
「エネルギー自給住宅」はハウスメーカー視点で造られている。消費者の視点で考えるべきではないか。
(例)どんな家というのはあまり関係がなく、この値段ならこのレベルの住宅というものさしが欲しい。他はオプションで対応。
回答
「エネルギー自給住宅」が実現した際にも、もちろんお客様には選択の自由があり、個別のニーズに応じた家づくりが可能です。
また、「エネルギー自給住宅」はお客さまの「安心な暮らし」をコンセプトに、消費者視点で開発した商品です。
今後は、このコンセプトをよりお客さまにお伝えできるよう研鑽していきます。
ご意見No.1-(12)
HEMSが普及した場合、高齢者でも携帯電話と同様に使用可能だと思われるので、間違って操作しても故障しないものを造って欲しい。その際、お客さまから改善のアイデアをもらう仕組みを忘れずに。
回答
D-HEMS(ディーヘムス)の設計については、日常生活の中で使用することを意識し、間違った操作をしても故障しないよう機能や画面のデザイン等に配慮して設計しています。
また、操作画面は携帯電話のアプリケーションのように追加・更新が可能なため、お客さまのアイデアや要望を活かして開発を進めていきたいと考えています。
ご意見No.1-(13)
エコ住宅の費用は、いくらくらいなのか。価値を見出せれば少しくらい費用が高くても購入を考えるが、それにはインセンティブを与えることが必要。リチウムイオン電池を活用して深夜電力を貯め、電力負荷の平準化を図ることは良いと思う。
回答
現在、開発中のため販売価格は未定ですが、目標としては、10年で初期投資費用を償却できるような価格にしたいと考えています。
ご意見No.1-(14)
リチウムイオン電池など設備を充実させることも重要だが、昔ながらの知恵を活かしたパッシブ技術も重要。
回答
ご意見をいただいたとおり、当社も新技術だけでなくパッシブ技術(※)についても重要と考えています。 これまでも通風や排熱、緑化による日射のコントロールなど、住宅商品の中で随時訴求を行ってきました。 今後は、住まい手による積極的な自然利用を促す「見える化」技術を取り入れていく予定です。
※パッシブ技術…自然から遮断するだけでなく、自然と調和することで、さらに省エネで快適な暮らしを実現する設計技術。その土地が持つ自然の力を住宅の配棟や植栽計画などによりうまく引き出し、快適な街、住まいを創出すること。
ご意見No.1-(15)
設備を増やせば、メンテナンスが必要になる。メンテナンスも考えられたエコ住宅にして欲しい。
回答
2010年7月に家中のエアコンを集中コントロールすることで、快適性と省エネを両立する「Air Su ite(エアスイート)」という空調システムを発売しました。
このシステムは商業施設や事務所などの全館空調のように大きなメンテナンスコストがかからず、市販のエアコンに対応できるものになっています。
また太陽光発電や蓄電池などの設備については、取り替えコストの削減や耐用年数の延長などの技術開発を継続的に行っていきたいと考えています。
ご意見No.1-(16)
リチウムイオン電池による「蓄エネ」は、災害時にはとても有効だと思う。
太陽光発電システムのモニターのように売電状況が見えるなど住まい手が楽しめたり、有効性が理解できれば、普及すると思う。
回答
ご意見をいただいたとおり、災害時の安心は「蓄エネ」の目的のひとつです。
しかし、非常時のみ実感できるメリットでは技術の普及は限定的になりかねません。
そこで、非常時の安心に加え、原油価格の変動や国の政策変更などに影響を受けず、快適で環境に配慮した生活ができる、といった日常的に実感できるメリットを伝えていきたいと思います。
ご意見No.1-(17)
SMA×Ecoハウスで取り組まれているライフスタイルマネジメントは、とても良いと思う。
データの内容に応じて、ほめたり経済的である(安い・お得)ということが住まい手に上手に伝えられれば、より積極的に活用されると思う。
回答
お客さまに対して、気づきやお知らせを提供することは、お客さまに省エネ行動などを取っていただく上で、重要な要素だと考えています。
D-HEMS(ディーヘムス)により取得できたデータから個々のお客さまに適した、アドバイス等が出来るような仕組みを、検討していきます。
ご意見No.1-(18)
電気やガスなどのエネルギーだけではなく、水資源などにも配慮した住宅をつくって欲しい。
回答
日本では一般的に「水はタダ」というイメージが浸透していますが、実態はそうではありません。
直接的かつ間接的に輸入されている水の量は膨大で、水道水に浄化する過程でも多くのエネルギーが使用されています。
今後はご意見をいただいたとおり、節水、再利用など水を有効に利用できる提案も検討していきます。
ご意見No.1-(19)
エコ住宅を購入しても家電が対応していなければ使えないので、今後社会に普及させていくには家電メーカーと協力し情報家電を増やしていく等の対応が必要。
回答
当社としても、さまざまな家電メーカーの業界団体等への提案を継続的に実施しながら、普及に努めます。
ご意見No.1-(20)
室温の調整や家の掃除(窓拭きなど)が全自動になれば、便利かつエコなのでは。全てを自動制御するのではなく、少しは自分で行う所も残しておいた方が良い。
例えば、窓の開け閉めなど。自分たちですることが、子どもや孫などの教育(しつけ)やコミュニケーションにつながる。
回答
2010年7月に家中のエアコンを集中コントロールすることで、快適性と省エネを両立する「エアスイート」という空調システムを発売しました。
しかし、ご意見をいただいたとおり、全てを自動でコントロールすることが良いわけではありません。
そこで、当社では独自のエネルギーマネジメントシステム「D-HEMS(ディーヘムス)」を開発、室内温度と外部気象状況を検知し、エアコンなどの空調整備に頼らず窓を開けて心地よい風を取り込む、といった住まい手の“エコ行動”を促すような「見える化」も併せて開発を進めています。
ご意見No.1-(21)
電気だけでなく、ガスのニーズもあると思うので考えて欲しい。
回答
ご意見をいただいたとおり、オール電化住宅に偏った提案にしてはならないと考えています。
エネファームや太陽熱利用給湯システムなど、ガスを使った省エネ技術についても積極的に取り組んでいきます。
ご意見No.1-(22)
新築住宅を販売するだけではなく、既築住宅のエコリノベーションに取り組んで欲しい。
回答
当社では、住宅の既存ストック36万戸に対して、エコリノベーションに積極的に取り組んでいます。
具体的には、四半期に一度のキャンペーンを通じて、太陽光発電・太陽熱温水システムの設置、オール電化、窓・サッシ交換による高断熱化、保温浴槽・節水型トイレへの取り替えなど、CO2排出削減と環境負荷低減につながるリフォームのご提案・施工を行っています。
2. 2020(2050)年に社会から求められる住宅や街は、どのようなものだと思われますか。
ご意見No.2-(1)
石油がなくなれば最終的には自給自足が始まり、エネルギー自給住宅が必要になるので事前に準備しておくべき。
回答
当社の考えているエネルギー自給住宅は、既存の電力網から切り離して完全に自給自足することを想定しているわけではありません。
なぜならその実現には二重三重の安全策が必要となり、かかる費用が莫大になってしまうためです。
ただ、数年の間に石油資源が枯渇するわけではありませんが、既存の電力網と接続しながらおおむねの自給自足ができるようになれば、石油産出量や原油価格コストに影響されない生活を送ることができると考えています。
ご意見No.2-(2)
エネルギー自給住宅の普及は2020年ではなく、2050年位の目標数値ではないだろうか。(現実的にイメージできない)
回答
2-(1)と同様、当社が考えるエネルギー自給住宅は既存の電力網と連係した自給住宅で2020年の発売を目標にしています。いただいたご意見のように2050年には完全自給に近いものとなっていると考えます。
ご意見No.2-(3)
電気自動車はコストが高く、マスコミで取り上げられているほど売れていない。
つまり、消費者は良いと思ってもコストと比較して購入の判断を行う。
(例)電気自動車などでは電池の費用が高いため、普及しなければ一般の人が購入するのは難しいのではないか。
回答
住宅を供給する企業として資源問題、気候変動、世界的な人口の増加(但し、日本は減少)等も視野に入れて、住宅や街づくりを考えていく必要があります。
一方、一般のお客さまに対しては、費用対効果を明確にしなければ購入していただけないと思っています。
まずは補助金制度など、様々な施策と併せて普及を図りながらコストダウンを図っていく考えです。
費用対効果については、明確なメリットが出るまでもう少し時間がかかるかもしれませんが、継続的なコストダウンと補助施策も併せて検討を進めていきます。
ご意見No.2-(4)
新しい街には、はじめは街としての機能(近所づきあいなどの相互扶助によるタウンセキュリティ等)がないため住民たちがつながり、コミュニティを形成していけるような仕組みを考えて欲しい。自治体や行政を巻き込んで推進していって欲しい。
回答
ご意見をいただいたとおり、最近は住まい手同士のつながりが希薄になり、ご近所の方とお話する機会も少なくなっています。
こういった状況を踏まえ、当社の一部の分譲住宅地では、お住まいになられてからの1年間、専門家による植栽のお手入れを学べる「ガーデナー講習会」を展開しています。
この講習会は、同じ街に住まわれている複数のご家族の方が一緒に学ぶことで、自然に近隣の方々とコミュニケーションが図れる場となっています。
こうした取り組みを通じて、住まい手自らが植栽を手入れし、緑豊かな街並みを維持・形成し、愛着を持って長く住み続けられる街とコミュニティを育んでいただきたいと考えています。
なお、これらの取り組みが国から評価され、平成22年度第1回長期優良住宅先導事業に採択されました。
ご意見No.2-(5)
多様な住まい手が入居する集合住宅。現在、ニュータウンの高齢化が問題となっているが、そうならないように様々な世代の住まい手を入居させるなど、住み継ぐ仕組みが必要。
回答
ご意見をいただきました世代間の偏りが生まれないような街づくりや、住み継ぐサービスの開発に努力したいと思います。
現在、当社では、公的機関である「移住・住みかえ支援機構(以下JTI)」が認める適合住宅を推進しています。
JTIに認められた住宅の場合、将来の移住・住みかえの際にJTIが終身で借り上げて一定の家賃を保証してくれるため、高齢の方や、転勤の可能性が高い方などにとって、住宅を所有する際の可能性を広げてくれます。
土地だけでなく、住宅を資産として活用できる可能性が広がれば、所有者の方に建物を壊さず長く利用することを促すことができます。
また、戸建住宅の性能や定期点検記録などの建物情報を管理する「住宅履歴情報サービス」の取り組みも一部で始めています。
このサービスによって住宅を新たに所有する方は、建物の価値をこれまでの履歴を踏まえて客観的に評価することができるため、安心して住宅を購入することができます。
ご意見No.2-(6)
高齢者が役に立てる(生きがいを持てる)街。若者と共生できる街。
例えば、1階に託児所や幼稚園がある集合住宅や、多様な入居者がいるコーポラティブハウス。高齢者と子どもたちとのコミュニケーション機会をつくる。
また、コミュニティが成熟することによって住まい手に信頼関係が構築され、街(地域)全体で子どもをみるようになり、ワークライフバランスの推進に寄与する可能性も。
大和ハウスには、企画の立案とコーディネート役を期待したい。
回答
ご期待にそえるよう、街づくりのコーディネーターとして努力したいと思います。
大和ハウスグループは、住宅や商業施設などの建設業だけでなく、商業施設の運営管理やホームセンター、スポーツクラブなど生活に密着した事業を展開しており、幅広い事業を通じてさまざまなステークホルダーのご協力をいただいています。
このネットワークを通じ、建物と生活サービスの両面から街全体のコミュニティ、ワークライフバランスの推進に努力していきたいと考えています。
ご意見No.2-(7)
都市部だけでエネルギーは自給できない。農村部とのコラボレーションも必要。
回答
今後、地球温暖化対策やエネルギーの安定供給等の観点から、エネルギーを多く使う都市部とその他の周辺地域でエネルギーの需給バランスを最適化するシステムが必要になってくると思います。
当社では、そうした社会における住まいのあり方を模索し、2009年度から平成21年度経済産業省「スマートハウス実証プロジェクト」に参加。
将来の「スマートグリッド」への対応を視野に、新たな環境・エネルギー技術やICT(※)技術、蓄電技術を組み合わせた「スマートハウス」の開発に取り組んでいます。
※ICT…情報・通信に関連する技術一般の総称。
3. 上記を実現するために、当社に期待することは何でしょうか。また、生活者ご本人がなすべきこととは何でしょうか?
ご意見No.3-(1)
家電メーカーと連携しなければエネルギー自給住宅は難しいため、各社がそれぞれ得意分野で連携して開発して欲しい。その場合、イニシアチブをとるのは住宅メーカー。
回答
ご意見をいただいたとおり、当社としても家電メーカーさまと連係して進めていくことが重要であると考えています。
家電の規格統一等については、国および家電業界団体の課題といえますが、それらを利用する場として住宅に関することは住宅メーカーとして重要な役割を果たしていきたいと考えています。
ご意見No.3-(2)
省エネ機器は国の施策で自然と普及すると考えられるので、住宅メーカーとしては、将来、資源問題で特に問題になると予想される「水」問題について改善を検討して欲しい。
回答
当社では、住宅メーカーとしての立場から、日常生活での効率的な水資源の活用について取り組みを進めています。
ご意見をいただいたとおり、雨水利用・中水利用(※)など水資源保護についても、継続して開発・提案を進めていきます。
※中水利用…浴槽水を洗濯やトイレ洗浄に使うなど、一度使用した水道水を別の目的で利用すること。
ご意見No.3-(3)
スクラップ&ビルドではなく、既築物件をリノベーションして活用して欲しい。
回答
当社は、年間約1万戸となる戸建住宅を供給、既存ストックも約36万戸を有する立場から、住宅を「建てては壊す」のではなく社会の資産として循環利用していくことが重要と考え、「いいものをつくる」・「きちんと手入れする」・「長く大切に使う」という、住宅のライフサイクルを通じた取り組みを強化しています。
まず、当社が提供する住宅商品「xevo(ジーヴォ)」は、業界トップクラスの初期保証を実現し、「SumStock(スムストック)(※1)」の条件を満たしています。
スムストック住宅は、一般的な中古住宅とは異なり、50年以上安心して住めるようにつくられている構造躯体と、基本的な耐用年数が10~15年の内装や設備を分けて査定し、土地と建物の価格も分けて表示(※2)するため、建物の残存価値が適正に評価されます。
一方、住宅の既存ストックに対しては、「1年ごとの住まいの健康診断」や「10年・15年・20年の定期点検」を通じて建物の状況を把握し、必要なメンテナンス工事のご提案や施工を行うことで、構造躯体や防水・防蟻に対する保証期間を延長(※3)し、建物の長寿命化を推進しています。
省エネに関しても、太陽光発電工事などの環境対応リフォーム、オール電化工事などの省エネリフォームなどのご提案・施工を積極的に推進しています。
- ※1 SumStock…主要住宅メーカー9社が主体となり発足した“優良ストック住宅推進協議会”によって決められた条件を満たす「優良ストック住宅」
- ※2 土地と建物の価格も分けて表示…中古住宅の査定は建物全体方式とすることが多く、土地と建物の総額評価が一般的です。
- ※3 保証期間を延長…保証期間の延長は、10年・15年・20年の定期点検時に、必要メンテナンス工事(有料)を行った場合。
ご意見No.3-(4)
ハードだけでなく、ロイヤルホームセンター等との連携によって、エコ・リノベーションも推進して欲しい。
回答
当社では、グループ会社と連携しエコ・リノベーションに取り組んでいます。
具体的には、住宅リフォームを請け負うダイワハウス・リニュー(株)と連携し、設計・施工業務を一元的に委託、太陽光発電などの環境対応リフォームのご提案や、現場における品質確保と安全管理を行っています。
また、建築資材などの小売りを行うロイヤルホームセンター(株)とは、今後、リフォーム部材の標準化を図るとともに、最新の省エネ機器などをリフォーム現場に調達・搬入する仕組みを構築するなど、グループの総合力を活かしたリフォーム事業を展開していきます。
ご意見No.3-(5)
エネルギーだけでなく、コミュニティの形成も考えた街づくりの提言を自治体などにしていって欲しい。
回答
そのような機会、フォーラムなどを通じて、努めたいと思います。
また、当社単独ではなく、関連する業界団体なども通じて、行政への働きかけに努めたいと思います。
ご意見No.3-(6)
街全体でエコに取り組んでいって欲しい。特に、次世代を担う子どもたちが普段の生活の中でエコを考えられるような街をつくって欲しい。
回答
ご期待に添えるよう、街づくりでの工夫やご家族でエコを考えられるサービスの提供をを検討していきたいと思います。
現在は、お住まいになら入居されてから利用可能となる当社会員制WEBサイト「ダイワファミリー倶楽部」で提供している「みんなでECOチャレンジ(※)」では、ご家庭のCO2家計簿や、普段の生活で取り組めるエコアイデア等の情報を発信、楽しみながら親子でエコを考え実践するきっかけづくりをしています。
※みんなでECOチャレンジ…戸建住宅のオーナー様を対象とした当社の会員制WEBサイト「ダイワファミリークラブ倶楽部」の中のコンテンツでダイワファミリー倶楽部の会員様とダイワハウスが協力して地球温暖化防止に取り組むECOプロジェクト。
ご意見No.3-(7)
購入後のメンテナンスや、エコ住宅・エコアイテムを入手しやすい補助金制度などについても、行政への働きかけを行い、充実させていって欲しい。
回答
関連する業界団体活動などを通じ、行政への働きかけに努めていきたいと思います。
ご意見No.3-(8)
住宅だけでなく、商業建築も環境配慮型の商品を展開(推進)していって欲しい。
回答
建築系事業部門においては、用途に応じて環境負荷の少ない工業化建築のシステム商品(ダイワフレスト・ダイワコンフォルト)や太陽光発電システム、LED照明、省エネ型空調システムなどを採用した環境配慮設計を、お客様にご提案しています。
また、社内において先進的なエネルギー技術と、自然と調和し、エネルギーを”かしこく使う”新しい事業提案プロジェクトを立ち上げ、オフィスや店舗、ホテル、医療介護施設等において「環境負荷ゼロ」を目標に、環境配慮型商品の開発や提案の強化を推進しています。
生物多様性(社会貢献活動・社有林活用)
当社では全国数箇所に山林を保有しています。今後、当社が自然環境や生物多様性に配慮し、さまざまなステークホルダーの皆様と連携・協力しながら社有林の保全・活用を行うため、ご意見を頂きました。
1. 生態系に配慮した当社の事業活動として、何を求めますか。当社の生物多様性宣言の内容をご覧になってのご感想も踏まえ、ご意見をお聞かせいただきました。
ご意見No.1-(1)
人と自然が共生するというのは、具体的にどのような方法を取っていくのか。
回答
「自然」には、人の手が入らない原生的な自然のほかに、里地里山に代表されるような人の手が継続的に入ることで維持される生態系も含まれると考えています。
こういった意味での自然が、ライフスタイルの変化等によって荒廃してきている現状を受け、それらをもう一度再生させるような活動を指向していきます。
また、長期的・巨視的な観点では、人の活動も地球全体の大きな環境サイクルの中に含まれ、それに依存しているものと捉え、過度な化石燃料の使用からの脱却等により、持続可能な社会の構築に資する事業活動を推進していきます。
ご意見No.1-(2)
コンセプトはよいが、利益とのバランスという面で、今後どのように取り組むか。
回答
ご意見をいただいた通り、継続して利益を得ることが企業存立の第一条件であり、環境への対応が短期的にコスト面等から利益を圧迫する場合には配慮が必要です。
しかしながら、環境問題は看過することのできない重要な社会問題であり、社会意識の高まりを背景に、長期的には環境に十分配慮した事業活動・商品が市場においても求められると考えています。
国際社会の潮流も考慮すると、今後は政策的なサポートも期待され、こうした大きな方向性を十分に踏まえて、社会が求めるものを一歩先にご提案していきたいと考えています。
ご意見No.1-(3)
行動指針の1と5は具体的な取り組みがわからない。
回答
1.については、生産・流通・販売等全ての事業活動の中で環境負荷をできるだけ低減していこうというもので、具体的な取り組みとしては、省エネルギー、CO2排出抑制、有害物質の使用抑制・適切な管理等が挙げられます。
5.については、様々な環境保全・生物多様性への配慮等の活動について、当社のみが単独で行うのではなく、様々なステークホルダーと意見交換をすすめながら活動の方針や内容を検討し、その活動実施についてもステークホルダーと連携して推進していこうというものです。
具体的には当社の実施活動に外部からご参加いただいたり、外部の活動に当社が協力したり、といった相互関係を幅広く展開していくことをイメージしています。
行動指針
- 人と自然が共生する事業活動の推進:自然の恵みの重要性を認識し、事業活動と自然の循環機能である大気・水・土・生物などとの調和を図ります。
- 人と自然が共創する街づくりの提案:建設時における生物多様性への影響を認識し、回避・低減に努めるとともに、生態系に配慮した街づくりの提案を行います。
- 生態系に配慮した資源の利用:生物多様性に関する法令遵守に留まらず、高い倫理観に基づき、サプライヤーと協働で、持続可能な資源の利用に努めます。
- 研究開発による貢献:グローバルな視点から、生物多様性保全に係わる研究開発を推進し、その成果を社会と共有します。
- ステークホルダーとの連携と対話:地方公共団体やNGOなどのステークホルダーとの対話と連携により、事業活動と社会貢献活動の両面から生物多様性保全への取り組みの環を拡げます。
ご意見No.1-(4)
企業は儲かった金を社会に還元すべき。
→外国産の木材に頼っている日本企業は、調達先の地域に還元させるべき。植樹の基金など。
回答
地球環境・生物多様性は企業活動を含む人間の全ての活動の基盤となるものと捉えています。
それらを持続可能なものとするために、事業プロセスや商品、更には社会貢献活動などを通じて、地球環境・生物多様性の保全に対する利益還元も含めた貢献を推進していきます。
当社が行っている様々な環境保全活動、社会貢献活動は当社ホームページ(CSRレポート2010 詳細版)で紹介しています。
環境との共生:自然環境との調和 トピックス (PDFファイル:828KB)
環境との共生:当社の環境技術 (PDFファイル:849KB)
社会貢献活動(環境) (PDFファイル:646KB)
ご意見No.1-(5)
生物多様性というものを、何かを抑制するためのキーワードではなく、ポジティブに捉えていくべき。可能性を引き出す。利用するぐらいの姿勢で臨むべき。
回答
ご意見を踏まえ、当社の事業領域においては、特に街づくりの分野において生物多様性に配慮することが、その街で生活する人々の快適性の向上につながる、より良い住環境づくりという形で具現化していくよう努めます。
2. 社有林を舞台にした活動内容や社有林の整備・活用の方向性について、ご意見・アイディアをお聞かせ下さい。
【想定している社有林における活動例】植林・間伐・枝打ち等の森林整備、植物・昆虫等の自然観察、森林セラピー、ハイキング・山歩き、木工・竹細工体験、タケノコ狩り、農園・農作業など
ご意見No.2-(1)
森づくりには竹林の整備が必要。また、整備するための具体的な議論が必要。
住宅メーカーとの協働や、NPO(少年野球のチームなど)、教育機関との連携など、竹林の整備または竹材の有効な使い方を検討すべきでは。
回答
竹は生長が早く、当社の社有林も含めて、全国的に手入れの行き届かない竹林の拡大が問題化していることから、良好な森林作りのためには、竹林の整備・拡大抑制が必要となります。
当社では竹に関する専門知識・経験を持った団体と継続的に情報交換を行っており、今後、そうした知見も踏まえて、整備及び竹の利用方法を検討していきたいと考えています。
ご意見No.2-(2)
ある企業では里山作りを行政と一緒にやっているが、手入れは社員が休みの日にボランティアでしており、参加者数やモチベーションなど課題も多い。社員だけで取り組むのには限界があるのでは。
社員だけでなく、家族、調達先、お客様、一般の方などのステークホルダーを巻き込んで行く必要がある。
巻き込む際のプログラムも検討すべき。(体験型、教育の場、森林育成管理、キャンプなど)
広告などの手段も検討すべき。
回答
森林整備においては、当社の社員による活動も随時行っていきたいと考えていますが、ご意見をいただいた通り、それだけでは限界があると捉えています。
今後は社員だけに留まらず、家族や調達先等のステークホルダーや地元自治体及び地元で活動を行なっているNPOなど、各種団体と連携しての活動を検討していきます。
ご意見No.2-(3)
社有林が永久に存続するものではないので、今何ができるかを考えるべき。
回答
ご意見をいただいた通り、まずは、具体的な行動を起こすことが必要です。
同時に、森林整備活動は長期的に継続していくことで成果に結びつくものと捉え、長期的に持続可能な活動の実施に向け、ビジョンと活動体制を整えていきます。
ご意見No.2-(4)
生物多様性を重視して里山作りをするなら、今後も山を買い増しして、里山保全の活動を広げてもよいのでは。
回答
現時点においては、まずは現在の社有林を適切に管理していくことから活動を始めたいと考えています。
森林の整備活動においては、必ずしも土地の所有に限定されるものではなく、国公有林も含め、現在の山林所有者と連携しての活動があります。
当社では、既に兵庫県六甲山の国有地内でCSR推進室が主導し、土砂崩れ防止のための森づくり活動(「六甲山系グリーンベルトの森づくり」にて間伐、植樹、下草刈りなどの活動)に参加・協力しています。
将来的にはこうした活動も含め、社有林を中心として様々な形態の活動を展開していきたいと考えています。
社会貢献活動(環境) (PDFファイル:646KB)
ご意見No.2-(5)
人を引き寄せる遊び場、癒しの場を作るのが良い(住宅地とミックスするのも良い)
1泊できるような山小屋、バンガローなど、森林セラピーなど。
山の中での活動途中で、自然について説明するなど(和泉葛城山の例)。
回答
森林整備においては、人と自然が共生するライフスタイルを実現すべく、森の中で様々な自然体験活動が行えるような社有林の活用方法を検討していきます。
ご意見No.2-(6)
何を作るにせよ、水場を作る必要がある。
回答
生態系においては、河川、沢、沼地、湿地などの水辺環境は様々な動植物にとって重要性の高い環境となります。
既存の地形や水系など、それぞれの社有林の置かれた状況を踏まえて適切な形に整備を進めていきます。
ご意見No.2-(7)
生物多様性とはそれぞれの地域の中で育んできた生態系なので、地域が誇りを持てるようなものでなくてはならない。
回答
生物多様性においては、種の多様性(※1)に加え、地域固有性(遺伝的多様性(※2))が重要となるため、現状を良く把握した上で、地域が誇りを持てる形で社有林の整備等を行っていきたいと考えています。
また、活動の実施においても地域で活動をしているNPO等各種団体と連携して、地域に根ざした活動を行っていきます。
- ※1 種の多様性…いろいろな生き物がいること。地球上には知られているだけで約175万種、未知のものを含めると3,000万種の生き物がいると言われています。
- ※2 遺伝的多様性…それぞれの種の中でも個体差があること。同じ種であっても個体間で、また、生息する地域によって体の形や行動などの特徴に少しずつ違いがあること。
ご意見No.2-(8)
当社の生物多様性に関するメインプロジェクトを有機的に連携させるべき。
回答
現状さまざまな取り組みを行い、また、今後も継続的に実施していきますが、ご意見をいただいた通り、これらの活動を効果的に連携させることが必要だと思います。
各プロジェクトを点から線へ、そしてネットワークから面へと展開できればと考えています。
ご意見No.2-(9)
ヤギの放牧など、手間がかからず、お金を稼げるシステムが必要(収支ゼロになる程度でも)。
下草刈りをせずにすみ、チーズなども作れる。
回答
社有林の保全活用方法については、さまざまな方向性・方策がありますが、いただいたご提案も含め、幅広く可能性を検討していきます。
また、ご提案いただいたような専門性の高い内容については、NPO団体を中心としたステークホルダーとの協働も含めて検討していきます。
ご意見No.2-(10)
社有林は住んでいるところから遠いので、今ある身近な住宅地の自然環境をどうするかをPRしていくほうが、住んでいる人の興味を引くのでは。
回答
身近な住宅地の自然環境への対応の方が住んでいる人の興味を引くのではというご意見にも共感できます。
すでに当社では、主要な事業領域である住宅地などの街づくりにおいて、生物多様性に配慮した環境整備を進めています。
特に、2010年10月には生物多様性宣言の公開に合わせ、生物多様性ガイドライン【開発・街づくり編】を定め、今後一定規模以上の開発で自社基準に沿ったチェックを行い、生態系に配慮した街づくりをさらに広げる過程にあります。
ご意見No.2-(11)
大和ハウスが生物多様性に取り組むだけでなく、消費者に対しても取り組みを促すようなメッセージを発信した方が良いのではないか。また、消費者が利用できるような、連携のある仕組みを作るべき。
回答
ご意見をいただいた通り、生物多様性の保全・回復に向けた取り組みを行うと同時に、まずは当社商品のお客さまをはじめとするさまざまなステークホルダーの皆さまにご参加いただけるような活動を実施し、その内容を一般の方々に広く情報発信していくことが必要と考えています。
3. すでに、各社において里地里山保全の取り組みがなされていますが、大和ハウスらしい保全・活用をどのようにすべきだと思われますか。
ご意見No.3-(1)
産地とのつながりが見えるシステム作りが必要(例:この部材は近所の山の木材でできている、など)。
回答
住宅を中心とする建築事業においては、安定した品質の部材を継続して購入できる体制を整えることが必要なため、木材の市場・流通体制全般に関わってくる内容になります。
現在、国の方針に合わせて国産材の利用拡大を目的にした様々な取り組みが行なわれてきていますが、当社では2010年10月の生物多様性宣言の公開に合わせ定めた生物多様性ガイドイラン【木材調達編】で、国産木材の活用がある場合、自社基準で評価することを決め、当社での国産材利用促進の取り組みを始めています。
ご意見No.3-(2)
購入者に対する特典、付加価値として社有林を活用するのがよい。そこの土地に関するもので、人を連れてくるシステムを作るべき。(オーナー向けクラブのような土地など。)
回答
具体的な活動実施については、社員だけにとどまらず、お客さまをはじめ、取引先・株主などのステークホルダーが参加できるような内容にしていきたいと考えています。
また、活動の検討段階においても広く情報を収集し、より効果的な内容を検討していきます。
ご意見No.3-(3)
高齢者がこどものころに遊んでいた遊びを、孫に伝えられる森や環境がないので、原風景(音、光景)を伝えてゆく森作り、記憶を受け継いで行くような森づくりをしてほしい。 (2世代、3世代で遊べるような森づくり。)
回答
ご意見をいただいた通り、当社の社有林を活かした活動を通じて次世代への環境・文化の継承につなげていくことは、興味深いテーマです。
そのようなテーマも意識しながら活動の舞台となる場を森林整備の中で作っていければと考えています。
ご意見No.3-(4)
大和ハウスの事業(住宅以外も)をPRできるような森作りができればよい。
回答
社有林の保全活用方法については、当社の事業領域との様々な形での連携を検討していきます。
お客さまや取引先などのステークホルダーの参加も含めた活動を通じて、大和ハウスグループ全体のPRを行っていきます。
ご意見No.3-(5)
ホームセンターで扱う商材についても生物多様性に配慮すべき。
回答
ご意見をいただいたとおり、今後、当社グループのホームセンターで扱う商材についても生物多様性に配慮を行う必要があると考えています。
ロイヤルホームセンターでは大和ハウスの生物多様性ガイドライン【木材調達編】を参考に、国産木材利用促進などを検討していきます。
ご意見No.3-(6)
基準は購買やNPOなどの専門家目線のものだけではなく、一般消費者が気になるモノサシがあると訴えやすいのではないか。
回答
生物多様性への配慮については、科学的知見に基づいて、専門家の観点からも有効性の高い方策を実施すると同時に、その内容や成果を一般の方にも分かりやすい形で情報開示することが必要と考えています。
具体的な指標などについては、環境省や各種団体などを含め、参考情報の収集に努めます。
生物多様性(木材調達基準)
当社は木材調達基準を策定し、今後の木材調達に反映させる予定です。取り組みを推進するにあたって必要なことやご期待されていることについて、ご意見を頂きました。
1. 生態系に配慮した当社の事業活動として、何を求めますか。当社の生物多様性宣言の内容をご覧になってのご感想も踏まえ、ご意見をお聞かせ下さい。
ご意見No.1-(1)
住宅メーカーのリーディングカンパニーとして、生物多様性宣言を公表したことについては評価できる。
回答
住宅メーカーとして初めて生物多様性の包括的な「基本理念」と「行動指針」を策定・発表しましたが、より具体的な目標設定により生物多様性に配慮した「街づくり」と「木材調達」を継続・発展させるよう努めます。
ご意見No.1-(2)
ビジョンについては明確になっているが、時系列的に何をどう行っていくのか、どう目標設定するのかが見えないので、その辺りをもう少し詰める必要があるのではないだろうか。
回答
2010年10月以降、木材調達についての実態調査を開始し、調達した木材を一定の評価基準を元に点数評価できるようにしています。
また、調査協力いただいた木材サプライヤーから、当社木材調達基準に沿った木材調達を行うことについての同意書を提出いただきました。
現在、木材調達について2011年度からの3ヵ年計画を策定し、2011年以降、具体的な目標を当社ホームページ上で公開する予定です。
ご意見No.1-(3)
調達基準について、大和ハウスは鉄骨プレハブメーカーであるのだから、木材のみでなく、鉄などの他の材料についても指標を設けるべき。
回答
当社では違法木材の調達をなくすよう、木材調達基準の策定を急いだ経緯があります。
ただ、将来的には主要構造材の鉄骨について、原材料の鉄鉱石産地で生物多様性を損なう問題など、状況把握が必要になってくるかもしれません。
ただ、鉄骨などの調達は木材以上にトレーサビリティーや諸々の確認・把握が困難と思われますので、まずは上流の鉄鋼メーカーでの対応や海外での鉄骨の調達基準策定の動向などの情報収集を優先していきます。
ご意見No.1-(4)
競合他社と比べ、住宅メーカーの事業領域に限られない総合的なものを巻き込み進めるところに、大和ハウスのオリジナリティが出せるのではないか。
回答
住宅事業以外に、商業建築事業やホテル、スポーツクラブ、ホームセンターの運営などの事業に取り組んでいることが当社グループの特徴ですが、まずは住宅建築や大規模な開発など、建築に関わる分野での生物多様性の取り組みを軌道に乗せることを優先しています。
今後数年のうちに、建築以外の分野でも対応を急ぐべき事業領域と取り組み内容を詰め、当社グループのオリジナリティを出しながら活動を展開していきます。
ご意見No.1-(5)
木材調達も含め、グループでのシナジーを狙えると良い。
回答
まずは大和ハウス本体で「木材調達」や「街づくり」について、生態系への配慮や調達や開発の持続可能性を高める取り組みを始めたところです。
今後グループ会社においても、生態系への影響把握や取り組み領域を決定し、グループ全体での取り組みに発展させていく予定です。
また、大和ハウスの取り組みで得たノウハウをグループ会社の取り組み支援に生かすと共に、グループ内共通の活動を企画するなど、シナジー効果や波及効果を上げられるように努めます。
ご意見No.1-(6)
バリューチェーンという全体の流れの中で木材調達をかえるべきなのではないか。
回答
木材調達で持続性を高めるには、サプライヤーの協力だけでなく、顧客への説明や理解向上のための戦略、代替材料の活用のための研究開発部門との連携なども今後必要です。
まずは当社の木材調達の現状を把握した上で、バリューチェーン全体でどのような方法で木材調達の持続性を高めるか検討していきます。
また、取り組み自体をサプライヤーなど外部任せにせず、実態ヒアリングなど行いながら全体で無理なく、取り組みの質を維持・向上できるように努めます。
ご意見No.1-(7)
木材調達基準を決定し、消費者にも意識を深めてもらうことで生物多様性を広めることにつながるのではないか。
回答
エンドユーザーである消費者(顧客)に木材調達についての理解が広がることで、持続性の高い木材の需要増につながり、ひいては生物多様性保全を広げていくことになると考えます。
今後、当社の木材調達の取り組みを消費者の皆さまにもわかりやすく伝え、持続性の高い木材への理解を広げていくように努めます。
2. 生態系に配慮した木材とは、どのようなものをイメージしますか。
3. 当社が木材調達するうえで、取り入れるのが望ましい項目・評価基準にはどのようなものがありますか。(生物多様性以外の観点も含めてお聞かせください)また、木材供給の流れにおいて、住宅メーカーとしてどこまで遡って責任を負うべきだと思われますか。
ご意見No.3-(1)
調達に際し、間に入っている商社・サプライヤーとの密な情報交換により、仕入れた木材の詳細な情報を把握することが大事である。
回答
木材について当社に直接納入いただいているサプライヤーへの確認は比較的容易にできますが、末端の木材生産地まで遡って詳細な情報を完全に確認するのは極めて困難であり、そのための管理コスト増も無視できません。
そうした中、できるだけ管理コストを上昇させずに生物多様性や持続可能性の目標を実現させるため、生物多様性宣言と共に生物多様性ガイドライン【木材調達編】を2010年10月に発表しました。
また、持続性の高い木材の調達を図るため、当社の木材調達基準に沿った木材調達を行うことの同意書を木材サプライヤーから回収し、サプライチェーン全体として足並みをそろえるよう努力しています。
今後は年1回程度、サプライヤーのサンプル調査を行い、持続性の高い木材調達の実効性を担保していきます。
ご意見No.3-(2)
評価項目について、仕入れ先の現地住民・先住民の生活などを視野に入れた、いわゆる社会的な要素を取り入れた項目を追加したほうが良いのではないか。
回答
当社の現在の木材調達基準では、社会的な要素として、「紛争地産の木材でないこと」、「産地政府の法的労働諸条件を満たしていること」の2点を評価することにしています。
木材生産地の現地住民の生活を壊さないことへの配慮項目は導入していませんが、FSCやPEFCなど国際的な森林認証機関による認証木材や国産木材の調達比率を上げることで、概ね現地 住民や先住民の生活の破壊は防げると考えています。
また、認証材以外の木材でも、原産地国で先住民の権利や生活を守る法制度があれば、サプライヤーにその法律に則った木材調達を行うよう働きかけていきます。
ご意見No.3-(3)
国際基準(ISO26000など)にのっとった木材調達を行うべきである。
回答
当社の木材調達基準は、ISO26000を元に作成したものではありませんが、合法性だけでなく、社会面の持続可能性について評価項目(2点:紛争地産の木材でないこと、産地政府の法的労働諸条件を満たしていること)を盛り込んでおり、2011年度以降、持続性が高い木材の調達に継続して取り組んでいきます。
また、実際の運用に伴い調達基準として十分でない点があれば、ISO26000など国際基準の規定も参考に、改善していきます。
ご意見No.3-(4)
生態系を破壊せずに調達するための、より具体的な方針を定めるのと同時に、現地の文化・風習などをおそろかにすることのないような調達基準も併せて定めるべきである。
回答
当社の木材調達基準には、現地の文化・風習を尊重していくための基準を設けていませんが、FSCやPEFCなど国際的な森林認証機関による認証木材の調達比率を上げることで、概ね、現地の文化・風習が守られると考えています。
また、認証材以外の木材でも、原産地国に先住民の権利や文化・風習などを守る法制度があれば、サプライヤーにその法律に則った木材調達を行うよう働きかけていきます。
4. 3.で掲げられた木材調達を実践していくために、当社はどのようなことをすべきでしょうか。
ご意見No.4-(1)
各ステークホルダーとの連携が重要である。(専門的なところでNGOなどと組んでいくのが良い)
回答
当社では持続性の高い木材調達を行うためには、木材サプライヤーはもちろん、NGO、顧客などさまざまなステークホルダーとの連携が重要だと考えます。
当社の木材調達基準策定では、既にNGOに参考情報の提供や評価基準への意見を求めることなどでご協力いただいており、今後も木材調達基準の維持、改善で木材サプライヤーやNGOとの対話を続けていきます。
またNGOには、木材の出荷等に対して厳格な規制を行えるようなグローバルな法規制の制定を、木材産出国に働きかける活動を求めていきたいと考えています。
ご意見No.4-(2)
社有林で、試しに森林認証取得を目指した取り組みをすれば、どんな点がチェックされるかなど参考になることがあるはず。(木材調達基準の策定にも参考になるのではないか。)
回答
現在一部の社有林で、どの森林認証の取得が可能か検討中です。
実際に認証取得のメドがつけば、認証制度による違いや共通して重視されている点などへの理解を深めていきます。
また、社有林での森林認証取得が木材調達基準の改善にどの程度参考になるかわかりませんが、活かせる点があれば取り入れていきます。
ご意見No.4-(3)
消費者を巻き込んだ活動も行っていくべきである。
また、消費者に対して啓蒙活動を行うべきである。
回答
持続性が高い木材の調達を増やすには、エンドユーザーである消費者(顧客)の理解を求めるための啓蒙活動を木材サプライヤー、NGOなどと連携して行うことが必要です。
また、消費者の理解の広がることで、持続性の高い木材のさらなる需要増が期待でき、当社での取り組みを消費者の皆さまへわかりやすく伝える努力をしていきます。
ご意見No.4-(4)
大和ハウスも国連グローバルコンパクトに署名することで、既に加盟している国内企業と同じ者同士として連携が進められるのではないか。
回答
国連グローバルコンパクトへの加盟については、現在検討中です。
ただし、他企業との連携はグローバルコンパクトの加盟企業に限らず、当社で加盟済の団体や当社ネットワークを通じ、木材調達基準や運用方法についての情報収集を進めていきます。
※ご興味のあるテーマをクリックしてください。