特集:「認定・認証」の世界。
「認定・認証」は一企業の独自のルールではなく、国や第三者機関が認めたものです。住宅建築分野の場合、認定・認証を得るには、厳しい審査が課せられるとともに工場や設備、製造工程等も実際に検証を受けた上で、はじめて運用が認められます。だからこそ、お客様にとっては確かな信頼の目安となるのです。
「認定・認証」は、お客様にも大きなメリット
国や公的機関によって保証される「認定・認証」は、企業のためにだけあるのではありません。企業が「認定・認証」を受けた技術や材料を使用することにより、お客様にも大きなメリットが生まれます。
お客様は、国や公的機関によって保証された高性能な製品を購入できる“安心感”を得ることができます。また「認定・認証」を取得した製品は、補助金や減税措置などの優遇制度も利用できます。
企業にとっては「認定・認証」があることで、社会的信用が得られます。また「認定・認証」を受けていることにより、他社との差異化が図れたり、審査期間の短縮や申請手続きの合理化にもつながります。
「認定・認証」取得までは検証に検証を重ねる道のりですが、現場で活用され、お客様の喜びの声を聞くと、よりお役に立てる研究・開発を進めたいと、思いも新たにする日々です。
取得された「認定・認証」は、定められた様式でファイリングされ、総技研のライブラリーに半永久的に保管されます。
例えば、国交省から認定を受けた「外張り断熱通気外壁」。少ないエネルギーで、健康かつ快適に、末永く暮らせる技術です。ひとつの仮説からスタートし、当社の住宅商品(xevo:ジーヴォ・シリーズ)に採用され、お客様の暮らしの中で息づいています。
総技研「認定・認証」への道 “ひとつの仮説”が「認定・認証」を受けるまでのおおまかなステップ
1「仮説」を構築
例えば、○○○を採用すれば、さらに住宅の性能が高まるのではないか?
仮説の例「断熱性能を現状よりアップし、かつ防火性能に優れた、コストパフォーマンスの良い材料を外壁に採用できないか?」
2「仮説」を実験で検証
仮説を基に、実験を重ねます。検証は数年を要する場合もあります。
3「仮説」を立証できた!
実験の結果、「仮説」が立証できました。「認定・認証」への道に一歩近づきました。
4「認定・認証用審査書類」の作成
入念な準備の下、審査のための書類を作成します。
5「審査機関」への説明、そして、時には、“やり直し”も。
審査を受けるときはドキドキです。実験で立証済みと確信していても、やはり不安です。そして、審査の結果、“やり直し”になる場合もあります。
※「防耐火認定試験」など、審査機関での試験で、その場で「合格・不合格」が決まるケースもあります。
6審査機関からの課題(“やり直し”)へのチャレンジ
審査時の審査機関の指摘事項への対応。課題を洗い出し、様々な角度から討議します。
審査機関の“疑問”に答えるべく、再度実験を行い、データを揃え、「認定・認証用審査書類」をまとめ直します。
7「審査機関」への再説明、そして、“認定・認証”へ。
再審査の結果、審査機関の課題をクリアし、「認定・認証」を取得することができました。
8認定・認証」が暮らしの中へ。
現場(住宅や施設等)に採用され、お客様の暮らしを下支えしています。
「認定・認証」取得へ、総技研スタッフの情熱と努力が注がれています。
建築分野では、総技研から一番初めの構造形式などのアイデアを出して、国交省が求める性能を満たすに足る、エビデンスを総技研でつくっています。そのあとの作業は商品開発部であるとか、生産部であるとか、さまざまな部署の人達が関わっています。
大和ハウス工業は草創期から、無数の認定・認証を積み重ねて、均質・上質で安全安心な住宅を供給してきましたが、認定・認証の審査では、構造、防災性能などの各委員会で厳しく審議されるので、総技研スタッフは連日、実験を繰り返し、大変な苦労を重ねてようやく申請にこぎつけます。数々の認定・認証を取得するまでには、総技研スタッフの情熱と地道な努力があることを知っていただければと思います。
※今回、TWO-WAY VOL.02では、「認定」とは、建築分野における『国(国土交通大臣)」による認定を指し、「認証」とは、国から指定(登録)された一般財団法人等の第三者機関の認証を指しています。
「認定・認証」ともに、第三者機関の対象となる審査委員会で、性能評価審査を受けます。
大和ハウス工業
総合技術研究所
DAIWA HOUSE INDUSTRY
CENTRAL RESEARCH LABORATORY
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