睡眠は、毎日を元気に過ごせるかどうかに大きく関わります。
「昨日はぐっすり眠れた!」「今日は朝から体が重い・・・」と日ごとに意識することも多い“眠りの質”について、西川リビング株式会社・睡眠環境科学研究所の藤田貢さんにアドバイスをいただきました。
家事に、仕事にと忙しい日々を送る方にとって、「よく眠りたい」という願いは、なかなか実現しないもの。まずは睡眠に関する知識を身に付けるところから始めませんか?
眠りの質は「人・環境・もの」という3つの要素に左右されます。それぞれをしっかり準備することで、良質な睡眠を得られます。
1つ目の要素は「人」、つまり体の状態のこと。よく眠るための準備としては、生活リズムを規則正しくすることが重要です。また、眠気は体温が下がる時に増すため、寝る前の体温調整も大切。就寝の2時間ほど前に入浴やストレッチなどをして少し体温を上げると、眠りにつきやすくなります。2つ目は「環境」。寝室の気温や明るさといった環境に加え、布団の中の環境(寝床内環境)が快適に保たれているかどうかも眠りに影響します。3つ目は「もの」、つまり寝具のこと。季節に合った掛け寝具や体に合った敷き寝具を選ぶことが、良い眠りにつながります。
朝起きた時に「よく眠れた」と実感できるためには、自分に合った睡眠時間を確保することが大前提。適切な睡眠時間は一般的に7時間程度ですが、個人差があります。自分にとって短過ぎず、長過ぎない時間を見つけましょう。
睡眠時間という眠りの「量」だけでなく、「質」を判断するポイントもあります。まず、寝つきが早いこと。ふとんに入って「寝よう」と思った時から実際に寝るまでの時間で判断します。また、途中で起きないこともポイント。体の調子や周りの環境に眠りが妨げられる場合、良い眠りとはいえません。そして、朝すっきり起きられることも重要。頭がボーッとせず、体に違和感がない状態で起床できていれば、よく眠れているはずです。これらのポイントを満たしていれば、良質な睡眠をとれているといえます。
また、長過ぎる昼寝は、夜の睡眠に悪影響を及ぼすので禁物。30分までを目安にしましょう。
疲労回復は、睡眠の大きな役割の一つ。これには体の回復だけでなく、脳や神経の回復も含まれます。
しかし、睡眠には「疲れた体を休める」以外にもさまざまな役割があることが、近年の研究で分かってきました。実は、良い眠りには「心の疲れ」を癒す効果もあるのです。中でも、ストレスの緩和という役割が最近注目されています。
その他、免疫力アップや細胞の新陳代謝、老廃物の除去など、睡眠は毎日を若々しく健康に過ごすために欠かせない役割を担っています。
個人差はありますが、人は深い睡眠(ノンレム睡眠)と浅い睡眠(レム睡眠)を90分周期で繰り返します。入眠から周期が2回繰り返すまでの3時間は特に深い眠りが多く、「お肌のゴールデンタイム」とも呼ばれる成長ホルモンが多く出る時間。
良い準備をしてぐっすり眠れるようにしたいものです。成長ホルモンの分泌量は、就寝する時間帯とはあまり関係がありません。
何時に寝た場合でも、眠り始めてから3時間の睡眠が深いことが大切なのです。
眠っている間に見る夢では、自分が映画の世界に入り込んでしまうなど、時に不思議なことが起こります。それは、脳が記憶の整理をしている証拠。
夢の正体は、睡眠中に脳が一日の出来事を選別するために編集している「映像」なのです。記憶の整理が活発に行われるのは、浅いレム睡眠の時。睡眠の深さが眠り始めから浅くなるにつれ、記憶が整理されると考えられています。
しっかり眠ることで、その日に覚えたことを記憶として定着させることができるのです。
西川リビング株式会社 睡眠環境科学研究所 藤田 貢さん
品質保証部・品質管理室課長。同社の営業部門を経て、現在は社内研究機関「睡眠環境科学研究所」に所属。寝具の性能・機能の評価や、人の眠りと寝具の関係についての研究を行う。
西川リビング株式会社は1566(永禄9)年に創業。
高機能寝具のほか、インテリアや生活用品など快適な暮らしに関わる商品を開発・提案している。
2016年10月現在の情報となります。