平屋は1階建ての造りで、室内での上下移動がなく、フラットな空間での暮らしが楽しめるのが特長。
最近はおしゃれな平屋も多く、ますます注目されています。
そこで、平屋のメリット・デメリットと、
それを踏まえた上での平屋暮らしを快適にするコツをご紹介します。
さらに、大和ハウスのフルオーダーの平屋はもちろん、コストを抑えて魅力的な平屋を建てられる、
規格住宅やセミオーダー住宅もご紹介します。
平屋が気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
Part1平屋とは?
戸建住宅を建てる際の選択肢として、近年人気が高まっている平屋についてご紹介します。
平屋とは?
戸建住宅のうち、1階建ての住宅を平屋と呼びます。平屋は、すべての部屋がワンフロアにあるため、小さな子どもや高齢者も移動がしやすいだけでなく、階段が不要で広い空間を設けやすい、勾配天井などでさらに開放的な空間を実現しやすい、などのメリットがあります(こうしたメリットはこの後の章で詳しくご紹介します)。
平屋が人気
そうした平屋の良さが見直されて、近年は戸建住宅で平屋を建てる方が増えてきました。国土交通省の「建築着工統計調査」を見ると、新築の居住専用住宅の戸建て(1階~3階建てを戸建てと仮定)で平屋(1階建て)が占める割合は2013年に約7.3%でしたが、2023年には約15.2%と10年間で2倍以上になっています。
居住専用住宅の戸数は徐々に減る中で新築の平屋の戸数は次第に増え、ニーズが高まっているといえます。
新築の居住専用住宅のうち1階建て(平屋)が占める割合
出典:国土交通省「建築着工統計調査報告」より作成(2013年、2018年、2023年を比較)
Part2平屋のメリット5選
戸建住宅を建てるとき、選択肢の一つとして人気が高まっている平屋。フラットな暮らしという面では一般的なマンションと似ているようにも思えますが、どんなところに違いやメリットがあるのでしょうか?
1. 生活動線や家事動線がスムーズになる
最近人気が高まっている平屋は、現在の世帯人数の主流となっている2人または3人家族はもちろん、4人家族くらいまでなら十分な広さが確保できます。
また、平屋は「バリアフリーな造りと、効率的な生活動線が実現しやすい」といわれます。どの部屋も同じフロアにある平屋は、室内では階段の上り下りがありません。基本的に平面での移動になり、バリアフリーの基本ともいえる寝室、リビング、ダイニング、トイレ・浴室などが同じ階にある造りが実現できます。
バリアフリーというと高齢者向けのイメージかもしれませんが、平面での移動が中心になる環境は、子どもから大人まで、どの世代にとっても暮らしやすいはず。生活動線の面でも、1階にある洗濯機から洗濯物を抱えて2階のベランダまで干しに行く、といった上下の移動を1日に何度も繰り返さなくて済み、効率的に動ける間取りを実現しやすいのです。
2. 家族同士のコミュニケーションが
豊かになる
ワンフロアに部屋が配置されているので、家族同士が顔を合わせる機会が増える、お互いの気配を感じやすくなる、といったメリットも考えられます。さらに、キッチンなど家事をするスペースを平屋の中心に配置するなどの工夫で、家族と話したり、家族の様子を見守りながら作業をしたりと、平屋でのコミュニケーションをより活発にすることができます。
3. 天井高を確保しやすい
一般的な分譲マンションや賃貸マンションも、室内で上下移動がないという点では、平屋と条件はさほど変わりません。しかし、2階がない平屋は天井高を確保しやすいというメリットがあります。
例えば、平屋のリビングを勾配天井にすることで、縦への広がりも生み出すことができ、より一層の開放感を得られます。また、天井高があれば、上部の空間を小屋裏収納やロフトスペースとして活用しやすくなるでしょう。
4. 外との一体感が高まる
専用の庭や屋外スペースがないことが多いマンションに比べ、平屋は庭や駐車スペースなどを設けて、家の外にも利用できるスペースを広げることもできます。平屋なら部屋から庭に出るのもスムーズ。それだけ自然を間近に感じられるでしょう。室内と庭がつながるよう、ウッドデッキなどを設けることで、より庭と一体感のある暮らしを楽しむことができます。
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5. 建てた後のメンテナンス費用を抑えられる可能性がある
戸建住宅を含むさまざまな建物では、定期的に外壁の再塗装や修繕を行う必要があります。こうしたメンテナンスにかかる費用は、作業に必要な足場の組み立てや分解、再塗装・修繕を行う外壁の広さなどにより違ってきます。一般的に、平屋で作業する場合、2階建てに比べてあまり高い足場を組むことはなく、作業が必要な面積も少ないと考えられます。このため、2階建てよりもメンテナンス費用が低く抑えられる可能性があります。
Part3平屋のデメリット3選
一般的に平屋は2階建てより広い敷地が必要で、隣接する建物によっては日当たり・風通しに影響することなどがデメリットといわれます。ただ、さまざまな工夫で解決することができますので、まずはこの章でデメリットを知った上で、次の章の平屋暮らしを快適にするコツを参照してください。
1. 建築費用や土地取得費用が高くなる可能性がある
平屋でデメリットとなるポイントの一つは、同じ延床面積の2階建てと比べると広い敷地が必要になるため、土地の取得費用や建築費用が高くなる可能性があることです。建築費用が高くなるのは、コストのかかる基礎や屋根の面積が広くなるためです。
ただ、一般的に土地価格が低いとされる郊外の土地を選んだり、間取りの工夫をしたりと、コストを抑える方法もありますので、このあとの「平屋暮らしを快適にするコツ6選」の章をぜひチェックしてみてください。
2. 通風や採光が悪くなる可能性がある
建物が1階部分しかないことから、隣に高い建物ができると、すべての部屋に日差しが届きにくくなる可能性もあります。風通しに影響が出たときも同様で、「1階より2階なら風が通る」といった逃げ道がない点もデメリットになるでしょう。
3. 防犯面での対策が必要になる可能性がある
1階では道を歩く人など外からの視線が気になって、プライバシーやセキュリティに不安を感じるかもしれません。防犯面でも、1階に窓を多く設けるほど侵入口が増えることになるため、それに合わせた防犯への配慮が必要です。
Part4平屋暮らしを快適にするコツ6選
ここまでご紹介した平屋のメリット・デメリットを踏まえて、平屋暮らしを快適にするコツをご紹介します。
1. 間取りなどの工夫で通風や採光を確保する
中庭や天窓からの採光など、周囲に高い建物があっても日差しが届くような工夫を取り入れる設計も一つの方法です。風通しも、家の中でうまく風が通る間取りにして、快適性を確保しましょう。土地の形や日差しの入り方、風の向きなどを考慮した設計のために、プランニングではハウスメーカーとしっかり話し合うことが大切です。
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2. セキュリティに配慮する
防犯対策の基本といわれる「音」「光」「時間」「人の目」については、平屋も2階建てもそう変わりません。例えば、家の周りに、歩くと音が出る玉砂利を敷く、人感センサー付きライトを設置するなど、人が近づいたら音や光で分かる工夫をしておきましょう。侵入しようとする相手には、「うちは警戒しているぞ」という警告にもなります。監視カメラを設置したり、そのダミーの監視カメラを付けたりするのも効果的です。
また、玄関や窓にちゃんと鍵をかけるのはもちろん、二重ロックにして空き巣に破られるまでの時間を長引かせることも大切。敷地の様子が外から見えるオープンな外構にして、周囲の目が届くようにする方法もあります。
3. 中庭を設ける
中庭を設けることで、よりプライベートな感覚で庭とのつながりが感じられます。日当たりをよくする効果や通風効果を高めることも期待でき、暮らしが豊かで快適になるでしょう。
中庭と組み合わせる間取りとしては、ロの字型、コの字型、L字型などがあります。どれを選ぶかは、周囲の環境や住む家族のライフスタイル次第ですが、それぞれのメリットと注意点は以下のようになります。
ロの字型の間取り
中庭全体を家で囲む形です。出入りは中庭に面した窓やドアに限定され、完全なプライベートな外空間にしやすく、採光にも活用できます。注意点は延床面積が大きくなることが一般的であるため建築費用が高くなることや、室内は中庭の周囲を移動することになって生活動線が長くなりがちなことです。
コの字型の間取り
コの字型の間取りの中央に中庭を設ける形です。比較的プライベート感があり、採光にも役立つのはロの字型と同様です。中央にリビングなどの共用空間、片側に夫妻の寝室、片側に子ども部屋など、間取りがある程度決まる可能性があります。
L字型の間取り
L字型の間取りに沿って、くぼんだ側に中庭を設ける形です。ほかのタイプに比べて広い中庭が作りやすく、開放感があることがメリット。プライバシーを気にするなら、郊外で外からの視線がない方角に庭を作るなどの工夫が必要になります。
4. ロフトを設ける
平屋のリビングなどに、屋根裏の空間を生かした小部屋、ロフトを設けることもできます。フラットな空間の平屋に少し上下移動を加えることで、部屋の中にもう1つ独立して使える空間が生まれます。季節物など時期によって使わなくなる家電・家具・衣類の収納場所にしたり、書斎や趣味のスペースとして使ったりと、ライフスタイルに合わせて使い方はさまざまです。
なお、ロフト自体の天井高は最も高い部分で1.4mまで、広さは下の階の床面積の2分の1未満などの条件があります。設計時にハウスメーカーと十分に相談しておきましょう。
5. 天井を高くするなど、開放感を生み出す
平屋は2階がないため、リビングの天井を勾配天井にしたり天窓を設けたり、小屋裏の一部を吹き抜けにしたりするなどで、開放感を生み出すことも可能に。さらに床を一段低くした、ロースタイルリビングと組み合わせると、天井が一層高く感じられます。また、大きな窓からの光や風も部屋の開放感をアップさせてくれるでしょう。
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6. 費用を抑える
都市部で平屋を建てようとすると土地の取得費用が高くなりがちで、2階建ての方が選択肢としては現実的でしょう。しかし、郊外は都市部に比べて土地の取得費用が抑えやすい傾向があり、都市部の2階建てと同等の費用を目安に平屋を建てるなら、立地から検討することも重要です。特に平屋で、庭と一体感のある家づくりをしたい方には、かえって郊外の方がイメージに合うかもしれません。
このほか廊下を減らすなど間取りをシンプルにしたり、素材にかける費用を抑えたりすることも考えられます。また、平屋の建て方自体を見直す方法も有効です。例えば、間取りや設備などをすべて自分で決めるフルオーダーの注文住宅ではなく、豊富な選択肢の中からプランを選ぶ規格住宅、選んだプランの一部をカスタイズするセミオーダー住宅などで建てる方法もあります(次の章で詳しくご紹介します)。
一般的にフルオーダーの注文住宅に比べてセミオーダー住宅や規格住宅の方が費用を抑えられます。建築の材料や人件費が上昇して住宅価格も高止まりの傾向にある中、長期にわたって支払う住宅ローンの負担を考えると、建て方や予算の使い方にも自分らしさを発揮することも考えるべきではないでしょうか。
Part5コストを抑えて魅力的な平屋を建てる。
大和ハウスの『Smart Made Housing.』の魅力とは?
間取りや設備の充実と価格の両方に納得できる戸建住宅を目指して、大和ハウスが2024年から提供しているのが「Smart Made Housing.(スマートメイドハウジング)」です。
大和ハウスのSmart Made Housing.(セミオーダー住宅・規格住宅)とは?
物価上昇や2024年問題による人手不足などで、住宅購入に関わる費用は上昇しています。「せっかく建てるなら納得のいく理想の家を」と注文住宅を検討していても、価格の面から建て方を再検討しなくてはならないという方も多くなっているでしょう。
そうした方には大和ハウスが展開する「Smart Made Housing.」がおすすめです。これは、自由設計と規格住宅の「いいとこどり」ともいえる住宅形態で、1,200通り以上の豊富な間取りプランにさまざまな外壁・インテリア・住宅設備を組み合わせて、納得のいく住宅が建てられる規格住宅と、それからさらにカスタマイズすることが可能なセミオーダー住宅があります。
用意された間取りや外装・内装・住宅設備などから希望のものを選んでいくため、プロセスを効率化でき、高品質の住宅でもコストを抑えやすいのが魅力。設計期間や打ち合わせ時間の短縮も図れます。
大和ハウスのSmart Made Housing.(セミオーダー住宅・規格住宅)の3つの特長
①納得価格の統一坪単価!
あらかじめプランニングされた間取り、パッケージ化された外装・内装・住宅設備などから選ぶ建て方で、統一坪単価を採用しています。このため、最初の打ち合わせで間取りなどを選ぶと価格がすぐにわかり、安心して家づくりを進められます。また、ハウスメーカーと何度も打ち合わせを重ねることが多い自由設計の注文住宅に比べて、プラン決定までの時間が短くて済みます。
②8つの注文住宅品質!
構造・防水の60年長期保証※、高断熱、高耐震、税制優遇もあるZEHや長期優良住宅など、大和ハウスが注文住宅で採用している代表的な性能が標準装備です。注文住宅と同等の品質が納得のいく価格で手に入ります。
※60年長期保証(構造・防水)
●引き渡し後、1・12・24カ月・以降5年ごとの無料点検と診断を実施(30年以降の点検は有料となります)。
●初期保証30年。30・45年目の有料メンテナンス工事実施で、15年ごとの保証延長。
●60年以降は、お客さまのご要望により、耐久性能調査(試験)を行い、耐久性能診断書を作成します。また、部位ごとに必要な有料メンテナンス工事の項目と保証年限を提示します。
※詳しくは営業担当者にお尋ねください。
③人気間取りから厳選した1,200以上のプランから選択可能!
1,200通り以上の間取りプランは、大和ハウスがこれまで建ててきた何万件ものデータベースの中から、直近2年に採用された使い勝手良い間取りをベースに、社内の建築士集団が調整を加えたもの。外装パッケージは13種類、内装パッケージは10種類あり、自分らしさを生かして選べます。さらにセミオーダー住宅では間取り変更も可能です。
お話を伺った方
田中直輝(たなか なおき)さん
住生活ジャーナリスト。早稲田大学教育学部を卒業後、海外17カ国を一人旅。その後、約10年間にわたって住宅業界専門紙・住宅産業新聞社で主に大手ハウスメーカーを担当し、取材活動を行う。現在は、「住生活ジャーナリスト」として戸建てはもちろん、不動産業界も含め広く住宅の世界を探求。