2階建てと違い、すべての部屋・設備がワンフロアに集まる平屋の3LDKは、
どんな間取りでどんな暮らしができるのでしょうか。
このコラムでは、そんな平屋の3LDKの人気間取りを厳選し、その魅力を解説します。
また、3LDKの平屋を建てる場合の延床面積の目安や間取りのアイデアもご紹介。
費用を抑えて平屋を建てられる「規格住宅」や「セミオーダー住宅」とあわせて、
住宅アドバイザーの大塚有美さんにお話を伺いました。
Part1平屋3LDKの間取りの広さ
そもそも、3LDKの間取りの場合、住まいの広さはどれくらいが目安となるのでしょうか。国土交通省が発表している「住生活基本計画」をもとに解説します。
3LDKの場合、3~4人世帯を想定
「住生活基本計画」では、豊かな住生活の実現を前提に、世帯人数に応じて必要と考えられる住宅面積の目安(誘導居住面積水準)が示されています。さらに、都市の郊外および都市部以外の一般地域における戸建住宅での居住を想定した「一般型誘導居住面積水準」※1では、家族の人数に対する建物の面積が以下のように定められています。
- 単身者の場合:55m2
- 2人以上の世帯:25m2×世帯人数+25m2
この計算から、3人世帯で100m2(約30坪)、4人世帯では125m2(約37坪)が最適な居住面積(建築面積)とされており、3LDKの場合、30坪以上の広さがあることが望ましいようです。理想とする居住面積の目安を踏まえて、必要な土地(敷地面積)の広さも考えましょう。
※1出典:国土交通省 国土交通白書 2022資料編「資料8-3 住生活基本計画(全国計画)における誘導居住面積水準及び最低居住面積水準」P28より
Part2平屋3LDKの間取りアイデア4選
快適で心地よい平屋にするために、間取りを考える上でのアイデアをご紹介します。
1. 高天井×大開口で、
開放的なLDK空間にする
2階フロアのない平屋の構造を生かし、天井の高い開放感を演出してはいかがでしょうか。また、大開口を設けることで、外とのつながりを感じられる開放的なLDKを実現できます。
さらに、天井の色味や素材を変えてアクセントにするのも良い方法。板張りの天井を採用し、木目の向きは外に自然と視線が向かうように施すことで、より広がりを感じることができます。
2. ウッドデッキを設けて、
外とつながる暮らしを楽しむ
1階建てですぐ外に出やすいため、庭とのつながりを感じられるのも、平屋の大きな魅力として挙げられます。ウッドデッキを設け、リビングの床と高さをそろえれば、外と内に連続性が生まれ、リビングが外にも広がったような感覚で気持ちよく過ごせるでしょう。
3. 土間スペースを設けて、
収納や趣味スペースとして活用する
住まいの中にありながら、土足で歩ける土間空間。キャンプ用品やガーデニング用品、ベビーカーなど、屋外で使うものの収納場所として便利です。さらに、土などの汚れを気にせずにすむ土間は、DIYの作業や自転車のメンテナンスなど、趣味を楽しむスペースとしても活用できます。
4. 音に配慮した部屋を設け、
ストレスを軽減する
すべての部屋や設備がワンフロアに集まる平屋は、例えば、テレワークをしているとき、テレビや掃除機の音が気になり、仕事に集中できなくなることも多いかもしれません。一方で、LDKでのんびりテレビを見たい家族からすると、仕事や勉強をしている家族に気を遣い、ストレスを感じてしまうこともあるでしょう。
対策としては、テレワーク用の部屋を設けるだけでなく、部屋の間に廊下を設けたり、収納スペースを設けたりすることによって、お互いの音を通りにくくするといった工夫が効果的です。また、音に配慮した部屋を検討してみるのもひとつの方法です。
例えば、大和ハウスの快適静音室「やすらぐ家」は、隣室から届く90dBA相当の音(電車のガード下の音よりは少し小さい音)を、図書館並みの静けさの45dBAまで減音できます※2。ただ個室にこもるだけではなく、遮音性を高めた静音ガラス引き戸「静音スクリーン」を仕切り窓として採用することで、家族の様子を見ながら仕事や勉強に取り組むことができます。
音を遮るために閉鎖的な空間にするのではなく、窓でお互いの様子は確認できるので、音のストレスは軽減しつつも、家族のつながりは感じられます。
※2出典:数値は、大和ハウス工業で測定した数値(JISA1417:2000 建築物の空気音遮断性能の測定方法に基づく)ですが、性能値として保証するものではなく、使用状況や周辺の環境、間取りなどにより異なる場合があります。
Part3平屋3LDKの人気間取り4選
ここでは、それぞれに特徴がある間取りを4つご紹介します。動線や収納など、間取りごとのポイントを解説しますのでぜひチェックしてみてください。
1. 快適動線&レイアウトの、家事がラクになる平屋
延床面積:101.67m2(30.75坪)
① ゆったりしたLDKと、使いやすい横並びのダイニング・キッチン
ウッドデッキを囲むL字型のLDKは、光を取り込む窓が増えることで、家族が集う空間がさらに心地よくなります。
また、ゆとりある広さを生かしてダイニング・キッチンを横並びにレイアウト。食事の用意や片付けがラクになるのはもちろん、お子さまが小さいうちは、ダイニングテーブルで宿題をするのをサポートしながら料理ができます。
② 家事がスムーズになる水回り動線や設備
キッチンの後ろに洗面室などの水回りを集約し、コンパクトに行き来できる家事動線を設計しました。天候や時間帯などを気にせず部屋干しができるユーティリティルームも設けることで、家事がさらにラクに。部屋干しスペースは窓から光も取り込めるので、洗濯物も比較的早く乾きそうです。
③ 生活動線を考慮した使いやすい収納
玄関収納と主寝室のウォークインクローゼットは、2カ所から出入りできる設計。
玄関収納(土間収納)は、玄関側からもキッチン側からも出入りできる設計です。例えば、お子さまが外遊びや部活から帰宅したときに、おもちゃやスポーツ用品を玄関に収納し、そのまますぐ洗面室や浴室へ直行できます。なので、リビングなどに汚れを持ち込む心配が減りそうです。
ウォークインクローゼットは、主寝室とLDKから出入りできます。朝の身支度はもちろん、帰宅したらすぐにジャケットやコートをしまえます。また、LDKから出入りできる点を生かし、リビング収納としても活用すれば、LDKをいつもスッキリとした状態に保てそうです。
2. 大開口のLDKと大容量の収納がある、ゆったり暮らせる平屋
延床面積:116.74m2(35.31 坪)
① 大開口のLDK
横に長い平屋の形状を生かし、日当たりの良い南側に大開口のLDKを設けた間取りです。リビングからつながる幅広のウッドデッキを設ければ、より一層自然を身近に感じながら快適に過ごせます。
② 一人ひとりのプライバシーも家族のつながりも大切にできる設計
個室に行くには、隣接するリビングを必ず通る動線となっており、お子さまのプライバシーと家族のつながり、その両方を大切にできる設計になっています。
③「手洗い、脱衣、着替え」がスムーズにできる動線
まず、帰宅後は玄関収納に靴や身の回りのものをしまったら、すぐに手洗いができる洗面室へとつながります。そして、洗面室で手を洗い、汚れた衣類をユーティリティの洗濯カゴへ入れたら、ファミリークローゼットで着替えてLDKへ。これなら、脱いだままの服がリビングにあるなどの状態は防げそうです。毎日を暮らしやすくする、生活動線の工夫が詰まっています。
④ 大容量の収納や広々とした土間スペース
玄関収納や水回り隣のファミリークローゼット、主寝室のウォークインクローゼットといった、大容量の収納があるのもこの間取りプランの魅力です。季節の洋服や家電、スーツケースなども、これなら余裕を持って収納できそうですね。
玄関の土間スペースもゆとりのある広さなので、自転車やキャンプ用品など趣味のものをメンテナンスするスペースとしても活躍してくれそうです。
3. ワークスペースや和室がある、オン・オフ快適な平屋
延床面積:93.57m2(28.30坪)
① 多目的に使えるワークスペースと和室
北側のワークスペースはテレワークにぴったりな空間。クローズドタイプなので、静かな環境で集中でき、仕事がはかどりそうです。
LDKと隣接する和室は、引き戸を開けておけば、LDKとの一体感が生まれ、家族のくつろぎ空間に。扉を閉めれば来客用の個室としても使えるなど、多目的に利用できます。
② 思い思いの時間を過ごせる、ゆったりしたLDKやウッドデッキ
LDKの広さを生かし、リビングエリアとダイニング・キッチンエリアを、ゆるやかに分けています。これにより、リビングでテレビを見たい人、ダイニング・キッチンで会話を楽しみたい人が、同じ空間にいながらでも、思い思いの時間を過ごすことができます。
また、リビングから出入りできるウッドデッキも魅力のひとつです。例えば、仕事や勉強の合間に休憩する際、ウッドデッキなら、外の空気を吸いながら気分転換ができそうです。
③ ゲストをもてなし、お子さまも見守れるアイランドキッチン
アイランドキッチンは、視線がワイドに広がり、開放的な気持ちで料理ができます。食事をつくりながら会話を楽しんだり、一緒につくる時間もシェアしたりと、ゲストを招いておもてなしがしやすいようにレイアウトに工夫がされています。同時に、リビング・ダイニング、和室まで目が届くので、子育てしながら家事がしやすいのも特徴です。
また、アイランドキッチンはコンロ部分に壁があるため、料理中の水はねや油はねが、ダイニングやリビングに飛ぶのを軽減できるように工夫されています。
4. 多用途な和室や充実した収納で、長く快適に暮らせる平屋
延床面積:86.95m2(26.30 坪)
① 暮らしに合わせ多用途に使える洋室と和室
西側に並んだ3つの部屋は、いろいろな使い方ができます。家族3人の子育て世帯の場合、一部屋は子ども部屋、もう一つを夫妻の主寝室に。和室は、テレワークやお子さまの遊び場として使うなど、いろいろな活用方法があります。
また、ごはんを食べながらゆっくりくつろぎたい場合は、和室で食事をとるのもいいかもしれません。LDKにあえてダイニングにテーブルを置かず、和室にロータイプのテーブルを置いて、和室ダイニングとして活用することもできそうです。
この間取りプランでも、和室の引き戸を開けたままにしておくことで、LDKとの一体感が生まれ、より開放的な空間を演出できるでしょう。
② 適材適所の充実した収納
玄関収納、キッチン収納、ウォークインクローゼット、リビング収納など、各スペースにしっかり収納が設けられています。例えば、家族が集うリビングは、掃除機などの家電はもちろん、お子さまのおもちゃや郵便物など、いろいろなものがあふれがち。なので、すぐ出し入れできる場所に収納があると重宝します。
このプランはリビング収納があるので、収納家具を増やすことなく、リビングをスッキリとした状態に保つことができそうです。
③ 家事をスムーズにする家事動線や設備
北側に水回りをまとめて家事動線を短くしている点や、アイランドキッチンを採用することでキッチン周りの回遊性を高めている点もこの間取りの魅力の一つです。
また、主寝室には部屋干し用のポールが設けられており、ウォークインクローゼットも近いので、干す→畳む→収納するという一連の動作もスムーズにできます。
どの間取りもそれぞれに特徴があるので、取り入れたいアイデアがたくさん見つかったのではないでしょうか。では、今回ご紹介したような間取りプランをどうしたら実現できるのか。実は、注文住宅でなくても実現できる方法があります。
Part4注文住宅だけじゃない。理想の平屋を建てる方法
念願のマイホームを手に入れるなら、誰もがすべてに満足できる家づくりを実現したいはずです。しかし、建築コストの高騰などにより住宅購入にかかる費用は上昇を続けており、注文住宅を検討しても予算を考えるとためらってしまう方も多いのではないでしょうか。
大和ハウスのSmart Made Housing.
とは?
今、コストパフォーマンスに優れた、かしこい家づくりが実現できると、大和ハウスのSmart Made Housing.が注目を集めています。
費用を抑えながらも、自由設計の良いところを生かしつつ、しかも効率的に家づくりを進めることができるなど、そのメリットは多彩。家族のライフスタイルに合った間取りや好みのインテリアを選べるのはもちろん、平屋のプランも数多くそろっているので、理想の暮らしが見つかるはずです。
大和ハウスのSmart Made Housing.の3つの特長
プロが厳選した間取り・外装・内装のパッケージからお客さまがお好みのものを選んで組み合わせる新しい住まいの建て方です。外装は13パターン、インテリアは10パターンを用意。内装カラーは多くのお客さまが迷われる部分ですが、プロの知見からコーディネートされたパッケージで導くので、選択肢は豊富ですが決定しやすくなっています。
その1:納得価格の統一坪単価!
家づくりのお悩みのひとつに、費用がわかりにくいことが挙げられます。とくに、自由設計の注文住宅では、プランがすべて決定するまで総額はわかりません。その点、その点、大和ハウスのスマートセレクション・スマートデザインは、打ち合わせの段階で間取りを選ぶと、その場で価格までわかるから安心です。さらに、価格とプランが明快になると計画が立てやすくなることで、家づくりに要する時間も短縮できるのです。
その2:8つの注文住宅品質!
60年の長期保証※3をはじめ、高断熱・高耐震の住宅性能、税制優遇を受けられるZEH基準の長期優良住宅仕様など、注文住宅を建てるのと同じ品質を実現。安心に支えられながら、家づくりを楽しむことができます。
※360年長期保証(構造・防水)
●引き渡し後、1・12・24カ月・以降5年ごとの無料点検と診断を実施(30年以降の点検は有料となります)。
●初期保証30年。30・45年目の有料メンテナンス工事実施で、15年ごとの保証延長
●60年以降は、お客さまのご要望により、耐久性能調査(試験)を行い、耐久性能診断書を作成します。また、部位ごとに必要な有料メンテナンス工事の項目と保証年限を提示します。
※詳しくは営業担当者にお尋ねください。
その3:人気間取りから厳選した1,200以上のプランから選択可能!
これまで大和ハウスが建てた何万件というデータベースの中から、直近2年の人気の間取りをもとに、厳選されたプランを選ぶことができます。環境や価値観が変化する時代に、今のご家族が求めるライフスタイルに合ったプランをご用意しています。実は今回ご紹介した間取りはその一例です。
本コラムでご紹介した以外の平屋の間取りはもちろん、豊富な平屋の施工事例もご紹介しているので、ぜひWebサイトでチェックしてみてください。
Part5自分たちらしい平屋づくりを始めよう
ワンフロアの平屋は、バリアフリー化やシンプルな動線など、誰もが過ごしやすい間取りを実現できるのが、大きな魅力ではないでしょうか。
ただし、「家族が集まる空間をつくりたい」「一人ひとりの時間を大切にしたい」といった求めるライフスタイルはもちろん、世帯人数や家族構成によっても、理想の間取りは変わってきます。なので、誰もが過ごしやすい間取りを実現するためには、どんな平屋暮らしをしたいのかを、家族でしっかり話し合うことが大切です。
検討を進める中で、注文住宅で平屋を建てるのか、今回ご紹介したような規格住宅やセミオーダー住宅で平屋を建てるのか、自分たちに合った平屋づくりが見えてくるでしょう。
忙しい中でも、理想の平屋づくりができるよう、大和ハウスの注文住宅はもちろん、大和ハウスのスマートセレクション・スマートデザインという、新しい平屋づくりの方法もぜひチェックしてみてください。
お話を伺った方
住宅アドバイザー
大塚 有美さん
住宅情報誌の編集職を経て、フリーランスに。現在「住宅とその周辺」をテーマに雑誌などを中心に活動中。住み手の目線から長く暮らせる家を探求している。