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快適に暮らす

私たちの暮らしとIoT 第4回IoTで変わる未来の生活
~家事編~

※イメージ

IoT(Internet of Things)という言葉を最近ニュースなどで少しずつ耳にするようになって来ました。
ただ、IoTと言われても具体的に何がどうなるのかイメージがわかないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、「身近な生活の中で何がどう便利になるの?」という
少し未来の生活をイメージできるようなコラムをお送りします。
今回は「家事編」いつもキッチン周りでやっている家事がテクノロジーによって
どう便利に楽しく変わっていくかをお届けします。

家事は考えなければならないことの連続

キッチン周りの家事は手を動かさなければならない上に、考えなければならないことがたくさんあります。料理も作るのは楽しいけれど、何を作るか考えるのは大変だという方もいらっしゃると思います。少しでもヒントをもらおうと家族に希望を聞いても「なんでもいい」という答えが返ってきたり、肉という曖昧な回答だったりで、結局自分で考えなければならないことも多々あります。しかもそれを考えなければならない時はお腹の減っていない時間で、何も思いつかなかったり。夕食の献立を考えるときに考慮しなければならないポイントも沢山あるので、それだけでも「誰か決めてくれないかな」と思ったことのある方は多いのではないでしょうか。

夕食の献立を考える際に考慮するポイント

  • ここ数日の献立と被っていないか
  • 冷蔵庫に残っている食材は何があるか
  • お昼に家族それぞれが何を食べたか
  • 何をどう組み合わせて効率的に食材を使うか
  • 栄養バランスが偏らないように
  • 料理や食材の好き嫌い
  • 今日のスーパーの特売品は何か
  • 買い物にはいつ行くのがいいか

実は、上に挙げたような「考える材料」が揃っていれば、それらの情報を考慮して一番いいと思える献立の提案をすることは今でも可能です。様々なデータを分析しておすすめの献立を出すようなことは人工知能の得意分野なのです。ただ、今の世界で実現するためには、その元となる材料、つまりデータを個人が毎日入力していかなければならず、手間がかかってしまいます。そのため、これまでもアイディアはあったはずですが、実用レベルになっていなかったのです。

IoTの技術によって家事の未来が変わる?

そこで登場するのがIoTです。今そこに存在している事象をデータとして見える化し、そのほかのデータと合わせることで新たな価値を生み出し、人の生活を便利に楽しいものにするのがIoTです。未来のスマートホームでは家の中で起きている様々な事象が自動的にデータ化され、次の行動のサポートをしてくれるようになります。

スーパーで買ったものは自動的に在庫リストに格納され、お料理をしている時に、使った食材が記録されていくので、現在冷蔵庫に何が残っているか、わざわざ登録しなくても自動的にデータとして溜まっていきます。さらに、調理で使った調味料の量や味付けの好み、1回に作るボリュームなど、そこで起きていることは全てデータとして記録していきます。食卓に並んだご飯や、ご飯を食べた時の家族の表情の変化、その時に発した「美味しい!」等のコメントや会話で好みも記録。そして様々なデータをもとに、今日の献立も提案してくれます。あとは必要な食材を自分で買いに行くもよし、買うように指示をすれば、晩御飯に間に合うように自宅に食材が届いたり、仕事帰りに受け取りたい場合は街中の宅配ボックスなどで受け取れれば便利ですね。

炊事に関わる一連のプロセスから取得できるデータの例

  • 買った食材の種類
  • 食材の量
  • いつ買い物をしているか
  • どの店で買い物をしているか
  • 購入している食材に偏りがあるかないか
  • 何の料理を作ったか
  • 何人前の分量で作ったか
  • 料理全体のボリューム
  • 調理に食材をどのくらい使ったか
  • 今調理のどの段階か
  • 味付けの好み(調味料)
  • 調理技術はどのくらいか
  • 食卓に並んだ献立
  • 栄養バランス
  • 体のボリューム
  • 食べたときの反応や表情
  • 好き嫌い
  • 誰がどのくらい何を食べているか

さらに料理が楽しくなる

さらに、料理をしている間も状況に応じた支援をしてくれる料理アシスト機能や、スキルアップ機能なども家事を楽しく便利にしてくれます。

料理アシスト機能は、献立で決めたメニューについて、作っている人、料理、プロセスを自動的に判別して、次の手順を動画で示してくれるので、作りながら迷って何度もレシピや動画を見返すこともありません。
スキルアップ機能では、調理の状況から調理技術も判定するので、次の献立にはその人の料理レベルに合わせ、少し高い技術レベルが必要な献立が提示されたり、同じみじん切り工程でも、より上手に行うコツや技術力アップの動画が流れるなど、指示通りに作っているだけでお料理のスキルアップもできます。

さらに細かい部分でわからないことがあれば、その場でリアルタイムにその時手の空いている調理のプロとマッチングしてチャットで教えてもらうこともできたり、毎日のお料理がお料理教室みたいに楽しいものに様変わりします。現在の技術ではそこまではできませんが、キッチン周りで起きている日々の事象をデータ化できると、近い将来このような世界が来るのではないでしょうか。

家庭の中はデータ化されていない事象の宝庫

さらに、「家」というと、つい「箱」のような印象が強くなってしまいますが、人が日々暮らし、コミュニケーションをとっている場であり、その中には今回示した例のようにデータ化されていない事象がものすごく沢山存在しています。それらの事象をデータにすることができると、キッチン周りだけでなく、掃除や洗濯、お買い物など様々な面で生活が便利になリます。

現在でも、在庫管理のできる冷蔵庫、自動掃除機、ある程度自動で調理してくれる電子レンジは実用化されていますし、乾いた洗濯物を自動的に畳んでくれる最新鋭のロボットも実用化に向けて開発が進んでいます。

ただ、それらのデータを統合的に分析して家事のプロセスを大きく変えるところまでは到達していないのが現状です。IoTによって様々な事象がデータ化されて活用できるようになると、これまで色々考えなければならなかった面倒なことを先回りして、丁度よいタイミングで提案してくれたりします。

また、ロボットが作業を代替してくれることで、そもそも手間をかけなくてもよくなるかもしれません。その分空いた時間も増えるので、趣味等の楽しいことを考える余裕も生まれて来ます。IoTはそんな生活を便利に楽しくするテクノロジーなのです。

株式会社ウフル IoTイノベーションセンター シニアマネージャー

米田隆幸さん

IoT領域のビジネス支援をはじめとし、クラウドサービスの導入支援からウェブサイト構築など、ワンストップ・ソリューションを提供。

※2017年11月現在の情報となります。

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