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活性化する企業不動産活用
公開日:2016/07/28
企業の不動産活用意欲が高まっています。
平成28年3月に国交省より発表された「土地所有・利用状況に関する意向調査※」によると、土地の所有率が高まっており、事業活動のサポート、事業の活性化のための不動産有効活用、いわゆるCRE戦略が少しずつ浸透していることを物語っています。
※国土交通省による8大都市に本社が所在する株式会社4,000社に対する調査
まず、「土地の所有状況の変化」を見てみると、「自社所有地、借地のいずれもない」と答えた人が、ここ20年を見ても最低レベルの数値となっており、所有にしろ借地にしろ、事業を行う上での不動産の活用意欲が高まっていると見てとれます。
リーマンショック後は、「所有」「借地」「いずれもない」が乱高下した時期もありましたが、平成25年以降は、「所有」「借地」いずれも上昇が続き、不動産を活用しようという意識が高まっていることがうかがえます。
土地所有状況の変化(全体)
平成27年度「土地所有・利用状況に関する意向調査」の概要について(平成28年3月 国土交通省)より
これは、未利用地の状況を見るとさらに明らかです。
同調査の「未利用地のある企業の割合」を見ると、自社所有地をもつ企業のうち未利用地のある企業の割合は、平成11 年度以降、20%前後で推移していましたが、平成27 年度は12.5%と前年度対比2.1ポイント減となり、過去最低の値になっています。
これは明らかに企業が自ら保有する不動産に目を向けはじめ、様々な活用(売却や貸借も含めた)が本格化し始めたと言っていいでしょうし、また、企業の保有する未利用地の不動産が減少しているからこそ、新たな不動産の購入することで事業を拡大していきたいという意欲が高まっていると言うこともできるでしょう。
未利用地のある企業の割合
平成27年度「土地所有・利用状況に関する意向調査」の概要について(平成28年3月 国土交通省)より
所有と借地の比較については、冒頭の「土地の所有状況の変化」の結果を裏付けるように、ここ数年、「今後、所有が有利」という意見が増加を続けています。
当然、事業として活用を考えるならば、所有の方が自由に使うことができるメリットがあるため、自社の事業への活用が目的にあるならば、「所有」ニーズは高まります。
また、「今後、借地・賃借が有利」と考える意見は、徐々に減少しています。金利や景気の状況から判断した資産価値という側面から、「所有」を選択する企業もあるようです。
今後の土地所有の有利性についての意識
平成27年度「土地所有・利用状況に関する意向調査」の概要について(平成28年3月 国土交通省)より