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対談 【第2回】都市緑化の意義と役割

都市に美的感覚と機能の両立を

 最後に、これからの都市と緑のありかたについて、ご意見をお聞かせ下さい。

田中 遠くに見る緑というのはもうそろそろ限界に行き着いたかなと。それはそれで大切なのですが、次の段階としては「触れ合う緑」だと思います。
木を切って、匂いがどうだとか、肌ざわりがどうだとか、そういうのが分かってきて初めて、本当の意味での「森を守ろう、自然を守ろう」という心が育つと思いますね。

熊谷 私は「作りすぎた町を消していく」ということに大変興味があります。広げたものの手仕舞いの仕方みたいなこと、そういうことに価値をつけて一緒にやっていけるようなことができたら面白いと思います。

ラファエル 緑に対してのフランスの考え方と日本の考え方ですけど、緑だけでなく何に対しても、日本人は役割とか目的とかを企画して考えて行動するのですよね。ただきれいだから置いておくではなく。でも、ただ「きれいだから」でも良いと思います。
空港とか駅も、そこに面白さを求めてないでしょう。地下鉄もただの地下鉄だけ。あまり人間が心地良い美的感覚や、デザインを求めていないような気がします。美的感覚の裏にある、もっと人間のためっていうところが。
日本は、美的と効率的をあまり組み合わせていない。美的なものは美的にして、効率的なものは効率的に、と言う感じです。もっと二つを組み合わせて作って行けば良いと思います。

 それは素晴らしい意見ですね。ただ緑があることが心地良いとか、おしゃれだとか、ステキだとか、そういった人間に優しい感覚を大事にすることが、都市に緑を増やす秘訣なのかもしれません。
みなさん、本日はありがとうございました。

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