研究員のセカイ
湯淺が取り組むのは、ドローンを建設現場で活用する技術開発。建設現場で働く人の作業負担軽減・省力化の研究開発を手がけています。
描く未来像
湯淺の描く未来。
⸺戸建住宅、マンション、商業ビル、公共施設……どの建設現場も、かつて「3K(きつい、汚い、危険)」と言われていた姿とは程遠い。
手間と労力のかかる検査や点検業務。足場の悪い狭い場所での荷物運搬や塗装。それらをこなすのは、現場を縦横無尽に飛び交うさまざまな種類のドローンだ。そのドローンを始めとしたロボットたちや、現場に設置されたセンサー類からもたらされる情報を解析し、工期などの管理をAIが行う。
これにより、現場の作業負担は大幅に軽減され、安全性も飛躍的に高まった。
最も変わったのは、働く人たちだ。ロボットやAIのサポートを受け、危険作業や重作業の負担が軽減されたベテラン職人たちは、いきいきと長く働けるようになった。一方、若手は、AIのサポートを得ることで、経験が浅くてもすぐに活躍できるように。ベテランと若手がともに活躍できるため、建設現場の労働者不足という課題も改善。日本のものづくりの技術、ノウハウも、しっかりと次代に継承されるようになった。
それだけではない。ロボットやセンサーが建物の状態を見守り、ベストなタイミングで修繕工事などを実施できるようになったため、完成した建物の耐久性も向上。台風、地震の多い日本の住環境、ビジネス環境は、確実に改善されようとしている⸺
いま取り組むこと
大和ハウスグループでは、すでに屋根点検システム「HACHIDORI®(ハチドリ)」を保有しています。従来困難だった大型物件の屋根点検を可能とし、点検作業の省力化を実現。台風被害調査にも活用され、令和元年の台風15号では総調査件数71件の実績を持ちます。
湯淺が現在取り組むのは、「働き方改革」の実現に向け、ドローン技術をさまざまな用途に活用できるようにすること。
「建物が存在する環境でドローンを活用しようとする際には、飛行自動化と安全性の両立がハードルとなります」。これを湯淺は、大和ハウスグループの知見を活かして乗り越えようとしています。「さまざまな建物を手がけてきたからこそ、そのノウハウを基にした汎用的な自動化プログラムを構築できます」。
湯淺は、建設現場で働く人たちとのコミュニケーションを欠かしません。「実際に現場へ行って、自分が考えたことを示し、どのように思われるか意見を吸い上げます」。現場監督だけでなく、実際に工事を進める職人さんの話にも耳を傾け、ニーズや要望を丁寧に把握しています。大学のときはずっと研究室の中で研究をしていた湯淺。実際に現場の声を聞いて進める今の研究に、大きなやりがいを感じています。
湯淺 嵩之(ゆあさ たかゆき)
建築技術研究部
材料インスペクショングループ所属
大学院理工学研究科修士課程修了
2015年4月入社
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