全国健康保険協会によると、中小企業の従業員らが加入する健康保険(協会けんぽ)の2016年度の決算見込みが4,987億円の黒字になると発表。加入者増や保険料算定のベースである賃金の伸びから、7年連続の黒字となった。
内訳としては、収入が9兆6,220億円(前年度比4.1%増)。加入者1人当たりの平均賃金(標準報酬月額)は4年連続で上昇(同1.1%増)した。一方、支出は9兆1,233億円で、同1.4%増にとどまった。診療報酬のマイナス改定などで、支出の6割を占める保険給付費の伸びが鈍化したことが主な要因となっている。
支出の残り4割に当たる高齢者医療への拠出金は、同1.4%減の3兆3,678億円。65歳未満の退職者向け医療制度の段階的廃止といった制度改正が影響した。ただ、同協会は「拠出金の減少は一時的なもので、17年度以降は(高齢者が増え)増加に転じる」とみている。
収入と支出の差し引きで生じた黒字分を積み立てる準備金の残高は1兆8,086億円だった。