厚生労働省は、各都道府県が2025年の医療提供体制を示す「地域医療構想」の分析結果を公表した。地域医療構想は、複数の市町村で構成する全国341の区域ごとに推進。団塊の世代が全て75歳以上になる25年を前に、効率的な提供体制を整えるのが目的としており、在宅医療を推進して医療費の膨張を抑える狙いもある。
分析によると、全体の約8割に当たる270区域で、長期療養向けの入院ベッドが2015年度より減る見通しとなった。入院の必要性が低い高齢の患者を在宅医療に移す流れを加速させるという。
15年度より長期療養向けベッドが減る見通しの区域は、訪問診療や介護サービスの充実など、退院した高齢患者の受け皿整備を急ぐ計画を立てている。なお、救急医療や先進医療を担う「高度急性期」と「急性期」のベッド数も、離島の1区域を除く340区域で減少する方向だ。
一方、「回復期病床」は、高齢者のニーズが高まるため、336区域で増加。増加分は、急性期のベッドなどの機能転換により賄うとしている。