厚生労働省は、社会保障審議会医療保険部会に対し、入院患者が負担する光熱費や水道代などの居住費の値上げを提案。主に高齢者が長期入院する「療養病床」を利用する65歳以上を対象に、現行の1日320円から370円への引き上げを求めた。医療給付の抑制が狙いで、年末までに一定の結論を出す。
療養病床には住まいの機能があり、同様の機能を持つ介護施設の相部屋では1日370円の居住費を求めている。同省は公平性確保の観点から、比較的症状が軽い入院患者の負担増を求める案を示した。
会合の出席者からは「介護との公平性を考えれば統一すべき」「医療費抑制のためにやむを得ない」と賛成意見が相次いだものの、「医療と介護は別。入院中の自宅の維持費も掛かる」といった反対意見も根強く、意見集約には至らなかった。また、現在対象外としている65歳未満の患者らに、居住費負担を新たに求めることの是非も議論されたが、賛否が分かれた。