終末期を迎えた患者を中心に、住み慣れた自宅での療養を望む声の高まりを受け、厚生労働省では、2011年度から在宅医療の推進に向けた政策を展開している。そんな中、通院が困難な患者の自宅などに医師が訪れる「在宅医療」の推計患者数が、昨年は1日当たり15万6,400人と過去最多となったことが、同省の調査で分かった。
2014年10月に実施された今回の調査(3年ごとに実施)は、約1万3,500カ所の医療機関を対象に1日当たりの患者数を調べ、全国の状況を推計した。
その結果、14年の在宅医療の患者数は推計15万6,400人で、11年と比べ1.4倍に増加。統計開始の1996年以降、7万人前後で推移していたが、08年からは増加傾向が続いている。14年は一時的な「往診」の患者数は横ばいだったが、医師らが定期的に自宅を訪れて健康管理を行う「訪問診療」が増加。11年の1.7倍に増え、中でも歯科医は同2.6倍と伸びが目立った。