12月21日、政府は2016年度診療報酬改定で、医師などの技術料や人件費に当たる「本体」部分を0.49%引き上げ、薬価を市場価格に合わせ1.33%引き下げることを厚生労働相と財務相の閣僚折衝で決めた。
2016年度診療報酬改定は、安倍政権が企業に賃上げを求める中、「本体」部分では医療現場の勤務実態に一定の配慮をする必要があると判断。一方、「薬価」部分は実勢価格を踏まえ1.33%の引き下げとなり、本体と薬価を合わせた全体では、8年ぶりのマイナス改定となった。
前回14年度改定は消費税増税への対応分を除くとマイナスだったため、実質的には2回連続の引き下げ。このうち薬価は実勢価格を反映し毎回引き下げているが、財政健全化に向け医療費を抑制したい財務省は、本体についても10年ぶりの引き下げを主張。これに対し日本医師会は「医療崩壊を招く」と強く反発した。
本体引き上げには、中小企業の従業員らが加入する健康保険「協会けんぽ」への国の補助金を減らして生まれる財源などを充てることとなる。前回改定では本体部分は0.73%のプラス、消費税増税対応分を除くと0.1%のプラスだった。