厚生労働省は、2013年度に病気やけがの治療で、医療機関に支払われた年間の国民医療費(確定値)が、初めて40兆円を突破する40兆610億円(前年度比2.2%増)だったと発表した。1人当たりでは31万4,700円(2.3%増)。ともに7年連続で過去最高を更新した。
増加の主な要因としては、高齢化の進展や医療技術の高度化など。労災や全額自己負担の分を除く14年度の概算医療費(速報値)は39兆9,596億円だったが、実際には13年度の段階で40兆円を超えていたことになる。
また、65歳以上の高齢者の国民医療費は23兆1,112億円となり、全体に占める割合は57.7%(前年度56.3%)に拡大した。1人当たりでは72万4,500円。一方、65歳未満は17万7,700円にとどまっており、約4倍の聞きがある。
疾病別では、高血圧症など「循環器系の疾患」が5兆8,817億円で最も多く、がんなどの「新生物」が3兆8,850億円、リウマチなど「筋骨格系と結合組織の疾患」が2兆2,422億円、肺炎など「呼吸器系の疾患」が2兆1,211億円と続く。
国民医療費を賄う財源別では、保険料が19兆5,218億円で全体の約半分を占めている。国と地方自治体の公費は15兆5,319億円、患者負担は4兆7,076億円。