国土交通省の有識者検討会は7日、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の制度改革に関する報告案を示した。報告案では、地価が安くアクセスの悪い郊外に立地されがちなサ高住を、市街地に誘導するよう提言。この提言は、同省や厚生労働省が来年度予算概算要求などに反映させる。
サ高住は、3月末時点で17万8000戸が登録されているが、郊外に整備される傾向があるほか、サービスの質にばらつきがあることが指摘。そのため報告案では、サ高住の立地や供給目標に関する方針を、市町村の高齢者居住安定確保計画などに盛り込むよう要請。市町村が大規模マンションなどの集約を目指しているエリアの外に事業者がサ高住を整備しようとした場合には、補助金申請に当たり市町村の同意を求めるべきだとした。また、24時間対応する定期巡回サービスの事業所や診療所、地域住民の交流施設などを併設し、地域の拠点となるサ高住への重点支援なども求めている。
報告案の骨子は次の通り。「市町村がサ高住の供給方針を明示」「居住誘導区域外に立地する場合は補助金申請時に市町村の同意を求める」「供給方針に合った整備に補助金を重点化」「既存施設や空き家を活用した整備の支援」「地域の拠点となるサ高住の整備促進」「地域の医療、介護サービスとの適切な連携」「情報提供の適正化」。