2014年に休廃業・解散した医療機関は、前年比12.7%増の347件で、07年の集計開始以降最多となったことが、帝国データバンクの調査で分かった。業態別では、病院が30件(前年比42.9%増)、診療所271件(同10.2%増)、歯科医院46件(同12.2%増)。特に、診療所や歯科医院においては都市部への集中による競争の激化や、事業承継の問題を抱える病院や診療所が増えている。
地域別では、近畿(34件・前年比54.5%増)、北海道(36件・同38.5%増)の増加が目立っている。また、東北(20件・同31.0%減)、九州(65件・同3.0%減)の2地域は減少した。人口の多い都市部では診療所や歯科医院が一極集中して競争が激化する反面、地方では慢性的な医師不足で経営難となり、身売りや再編が相次ぎ、休廃業・解散件数が増加している。
休廃業・解散となった医療機関の代表(理事長)の年齢は、年齢が判明した230社中「70歳代」が62社(構成比27.0%)と最も多く、次いで「60歳代」が56社(同24.3%)と、60歳代以上の代表が74.8%を占めており、後継者難や事業承継といった問題を抱える医療機関が造塊しているのが見て取れる。
同社では、「医療機関の休廃業・解散は11年以降急増している」とした上、「今後も、都市部の競合や医師の地域偏在が続いていくと考えられており、都市部と地方過疎地を中心に休廃業・解散件数が高水準で増加していく可能性が高い」と分析している。