厚生労働省は、高齢者施設や保育所を経営する社会福祉法人について、組織体制の改革を求める内容の報告書を、2月13日にまとめた。
社会福祉法人は、税制上の優遇措置を受けながら、支出管理があいまいだったり、家族経営で組織が閉鎖的だったりする問題を指摘。経営の透明化による公正な支出管理と、内部留保を使った低額の福祉サービスの実施で地域貢献するよう提言した。
同省は、収益規模10億円以上の大規模法人には会計監査法人の設置を義務付け、中小法人も公認会計士や税理士によるチェックを受けることが望ましいとした。
内部留保については、2013年に財務省が特別養護老人ホーム1施設当たりの内部留保が3億円を超えると試算。これに対し厚労省は、試算には通常に必要な財産も含まれていると反論していた。
報告書では、内部留保について、(1)事業に活用している土地や建物(2)建て替えや修繕に必要な費用(3)職員給与などの運転資金を除いた財産と定義した。この内部留保を低所得者向けの低額・無料の福祉サービスに再投下するよう求めている。
同省は、社会福祉法改正案を今国会に提出し、成立すれば16年度からの施行を目指している。