厚生労働省は、特別養護老人ホーム(特養)の相部屋について、その部屋代を介護保険から給付していることを改め、入所者から徴収する方針を固めた。金額は月1万5000円程度となる予定で、低所得者には相当額を補助するなど配慮しつつ、2015年4月からの実施を目指す。
全国の特養入所者約52万人のうち6割程度が、空間をカーテンなどで仕切ったところに複数人が暮らす相部屋住まい。特養では原則、部屋代は入所者の負担だが、相部屋については十分にプライバシーを確保できないとして、例外的に保険から給付してきた。ただ、個室入所者は月5万円程度の部屋代を負担していることと比べ、不公平さが指摘されていた。
見直しにあたっては、特養入所者の約8割を占める住民税非課税の低所得者(単身世帯の場合、年間の年金収入が155万円未満)については、部屋代に相当する額を補助する方針。そのため、実際に負担が生じるのは10万人程度となる見込み。 また現在、月額1万円程度の相部屋の光熱費における入所者負担についても、厚労省は引き上げる方針。引き上げ幅は月額1000円程度で調整しており、こちらは生活保護を受給している場合を除き、低所得者への負担軽減措置は行わない考えだという。