厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、2011年度に年金や医療・介護などで支払われた社会保障給付費が前年度比2.7%増の107兆4950億円に達し、過去最高を更新した。高齢化の進展で、医療費などが伸びていることに加え、東日本大震災の発生に伴い救助費など災害関連費用が増えた。国民1人あたりの社会保障給付費も同2.9%増の84万1100円と過去最高となった。
分野別では、年金が同0.2%増の53兆623億円で全体の49.4%を占めた。ただ、給付額の引き下げと高齢者人口の伸び率が小さかったため、過去最低の伸び率だった。医療は同3.5%増の34兆634億円だった。
介護や災害関連費などの「福祉その他」は、同8.4%増の20兆3692億円。このうち、東日本大震災関連の費用は9730億円。仮設住宅の設置や住宅再建の支援金、医療・介護保険制度の自己負担減免などに充てられた。
国民取得に占める社会保障給付費の割合は31.0%だった。国際比較ができるデータとして、社会保険給付費に就学前の教育費などを加えた社会支出は、2.9%増の112兆437億円だった。
また、同研究所は2012年11月に10年度の社会保障給付費が初めて100兆円を突破したと発表したが、その後の計上漏れの修正などの結果、09年度に101兆998億円に達していたことも明らかにした。