施設介護から在宅介護への流れを促し、増え続ける介護費用を抑制する考えから、厚生労働省は、特別養護老人ホームの入所条件を中度の「要介護度3」以上に限定する案を、社会保障審議会介護保険部会へ提示した。
特養は、市町村から要介護度認定を受けた人向けの施設。今後、高齢化の進展に伴い、需要は増える見通しだが、都市部ではすでに不足状態で、入所待ちが40万人にものぼる。そのため同省では、「入居条件を見直し、中重度者を優先できるようにすべき」と判断。入居している人の継続利用は認めるとした。
これに対し、委員からは「原稿でも入所基準があり、重度者優先の入所判定が進んでいる」との指摘があり、「軽度者の受け入れは、地域の実情によりやむを得ないとの判断で実施されているなどと、限定案への慎重な意見が相次いだ。